「ただいま~」
「おかえりっ!お兄ちゃんっ!」
「ああ、愛美・・・ただいまっ」
僕は結局サッカー部を辞めなかった。
姉のお蔭で自分がサッカーが好きだと言う当たり前の事を再確認できたからだ。
だから、今日もこうして家族の中では一番帰りが遅かったのだ。
部活へ顔を出せば何の事はない。
そもそもが、自分が思っているほど周りは自分の事を意識して見ていないもの・・・と言うのは良くある話で、チームメイトや顧問の先生はあの練習試合の事など、もう全く気に留めていないようだった。
「お兄ちゃん・・・昨日あんなに落ち込んでたのに一晩で立ち直ったね」
愛美がそう話しかけてくる。
愛美に他意は無かったのだろうが、僕の脳裏には姉の顔が過って一瞬ドキリとする。
「あ、ああ・・・そ、それはだな・・・いつまでも落ち込んでいても・・・あれだろ・・・つまり・・・」
「何慌ててるの?・・・愛美はお兄ちゃんが元気になって良かったって言ってるんだよ。変なお兄ちゃ~んっ」
愛美はそう言うと階段をトントンと軽快に駆け上がっていった。
「雄太・・・ご飯出来てるわよ・・・」
居間の中から母の声が聞こえて、僕はそちらへ視線を向けた。
中から香る夕食の匂いが元々空腹だった僕をさらに空腹にする。
しかし、それ以上に気になるのは、居間のソファに座ってコチラをニヤニヤと見ている姉の姿・・・。
どうやら愛美との会話を聞いていたらしい。
「ね、姉ちゃんも・・・ただいま・・・」
「おかえりなさい・・・うふふ・・・」
「な、なんだよ・・・」
「別にぃ・・・昨日まであんなに落ち込んでたのに、急に元気になったなぁと思って・・・何があったのかなぁ?」
「そ、それは・・・」
言える訳ないだろう。
ここは居間だ。
目と鼻の先にある台所では母が僕の夕食を温め直して準備してくれている。
まさか「姉ちゃんの身体で癒されました」なんて事は言えない・・・。
「じゃねっ、お姉ちゃんは部屋へ戻りま~す」
赤ら顔で立ち尽くす僕を置いて、姉はさっさと2階へ上がって行った。
(また、からかわれちゃったよ・・・)
僕はそれが悔しくもあり、嬉しくもあり・・・よく解らないが、何だか嫌な気分ではなかった・・・。
※※※
「お兄ちゃ~ん・・・えへへ・・・」
いつものように僕の部屋をノックして愛美が入ってきた。
「ああ、愛美か・・・どした?」
「どした・・・じゃないよ・・・昨日の夜はお兄ちゃんとお話し出来なかったから・・・寂しかったんだもん・・・」
そう言えば、昨日は愛美が僕の部屋へ来なかった。
だからこそ、姉の部屋であんな事も出来たのだ。
(こう見えて、愛美は愛美なりに僕に気を使ってくれていたんだろうな・・・)
そう思うと、何だか目の前の愛美が愛しく思えてくる。
そもそも最近の僕はおかしい。
こんな風に愛美の事を愛しいと思ったり・・・それに昨日感じた姉への感情も姉弟に対するそれとは何か違ったような気がする。
(どうしちゃったんだろ・・・俺・・・)
「ねぇねぇ・・・お兄ちゃんっ」
僕がボ~ッとそんな事を考えていると愛美がニコニコと近づいてきた。
「ん~?」
僕はボ~ッとしたままで返答した。
「愛美ねぇ、いい事思いついちゃったんだ~」
「なんだよ?」
「うふふ・・・知りたい?」
「ああ・・・」
「じゃ、ちょっとそこに寝転んで・・・」
愛美に言われるままにドサリとベッドに寝転ぶ僕。
愛美は寝転んだ僕に跨って、上に覆いかぶさってきた。
「お、おいっ・・・」
僕は焦った。
何しろ、マッサージの時とは違って、今の僕は仰向けに寝転んでいる。
その僕のちょうど股間の辺りに愛美の尻が乗っている。
まるで疑似騎乗位のような格好だ。
「いいから、いいから・・・そのまま」
愛美はそう言うと、僕の唇に自分の唇を重ねた。
――チュっ、チュっ・・・
僕の上に乗ったままで、何度も何度も僕にキスをする愛美。
ギュッと抱きつかれた僕の胸板には、愛美の柔らかい胸の感触・・・。
そして彼女の髪から香るほのかなシャンプーの香り。
「ま、愛美・・・ちょっと・・・」
僕のモノが硬くなるのに、そう時間はかからなかった。
「えへへ・・・また硬いのが愛美のお尻に当たってますよ~!?」
そう言いながら愛美は僕の上から身体を降ろし、今度は僕と並行になるように隣に寝転んだ。
それから片時の時間もおかずに、すぐに僕のパジャマのズボンの中に手を入れる。
「ちょ、ちょっと・・・」
「動いちゃダメ・・・お兄ちゃんはそのまま寝てて・・・」
「いや、だって・・・」
「愛美・・・昨日考えたんだ・・・お兄ちゃんを元気にする方法・・・」
それで思いついたのがコレと言う訳か。
「でもお兄ちゃん、今日になったらすっかり元気になってるから、どうしようかと思ったんだけど・・・やっぱりシテあげようと思って・・・」
そう言いながら愛美はズボンの中で僕のモノを探り当てて握った。
「すごく硬いよ・・・お兄ちゃん・・・」
「それは・・・ま、愛美がこんな事するから」
「うん・・・もっとシテあげるよ・・・今日は・・・」
愛美はそう言うと握った手をゆっくりと上下に動かし始めた。
僕は姉により、男根を手で扱かれると言う事にかなり慣れてきているはずだった。
だが、こんな風にただ寝転んだ状態でシゴかれるのは初めてだ。
(す、座ってされるよりも寝転んでされる方が気持ちいいかも・・・)
僕はそう思った。
やがて愛美はズボンの中では上手く手を動かせないと思ったのか言った。
「お兄ちゃん・・・コレ・・・脱いじゃって」
「で、でも・・・」
「いいからぁ・・・脱いで?」
僕は横に寝転がる愛美の顔を見た。
その顔は恥ずかしさで真っ赤だった。
「お、おまえ・・・恥ずかしいんだろ。無理してまでする事じゃないぞ・・・こんなの」
僕はそれを見てそう言った。
「無理なんてしてないよ・・。愛美はお兄ちゃんが好きだから・・・少しでも元気になってくれるんだったら、こんな事くらい平気だよ・・・」
愛美は益々顔を紅潮させてそう言った。
本当は恥ずかしいだろうに、それに耐えてまで僕が喜びそうな事をしようと言う愛美に、僕は益々愛しい気持ちが募った。
「もうするって決めたんだから・・・早く脱いで・・・」
恥ずかしさを堪えてまで、こんな事をする愛美の姿に、僕は彼女の言う事を大人しく聞く事しか出来なかった。
――シュッシュッシュッ・・・
――ちゅっ・・ちゅっ
僕のモノを扱きながら、時折僕にキスをする愛美。
その行為を受けていると、自分が愛美にすごく愛されているのだと感じる。
それ自体はすごくありがたいし嬉しいと思う。
だが・・・。
愛美にここまでの事をされていると言うのに、僕の頭の中には姉の顔が浮かんでいた。
愛美に愛されていると実感する事でハッキリした僕の気持ち・・・。
それは、愛美に対する感情は「好き」だが、僕は姉の事を「愛してしまっている」と言う事。
昨日、落ち込んだ時にも愛美の事よりも姉の美咲の事が思い浮かんだ。
こんな時に慰めて欲しい人・・・それは愛美ではなく姉だった。
昨日はあの気持ちが何なのか自分でも解らなかったけど、今日、こうして愛美に愛されていると自覚する事で、皮肉にも愛美が僕に向けるのと同じ感情を、僕は姉に向けているのだと自覚した。
「お兄ちゃん・・・気持ちいい?」
愛美がそう訊ねてきた。
「あ、ああ・・・気持ちいいよ」
僕は心ここにあらずと言う感じで返答する。
たった今、自分が姉を姉としてでなく「女性」として愛してしまっている事に気付いた僕は上の空になっていたのだ。
「今日はもっと凄いの・・・あるよ・・・うふふ・・」
だから、愛美がそう言ったのも聞き逃していた。
――ヌルリっ
人生で初めての感触を股間に感じて、僕は我に返った。
「うっ・・・あ・・・?」
僕は慌てて自分の股間を見る。
そこには、一生懸命に小さな舌を突き出して僕のモノをペロペロと舐める愛美の姿があった。
「ま、愛美・・・何してんだっ・・・」
「スゴイことするって・・・言ったでしょ?」
「お、おまえ・・・それは・・・うっ」
さすがに妹にフェラチオさせるのはマズい・・・。
そんな理性が一瞬働きかけたが、初めて感じる快感に理性はその機能を十分に発揮する事なく停止した。
「ま、愛美・・・おまえ、こんな事どこで・・・?」
まだ中学3年生の愛美がフェラチオなんてどこで覚えて来たんだろうか?
そんな素朴な疑問が湧き上がる。
「お兄ちゃんはネットとか見ないから知らないだろうけど、最近は何でもネットで調べられるんだよ・・・」
どうやらそう言う事らしい。
「そ、それにしたって・・・おまえ嫌じゃないのか?」
「嫌な訳ないでしょ・・・お兄ちゃんのだもん・・・」
胸がキュウッと締め付けられる。
(まただ・・・)
ついさっき姉の事を女性として愛していると自覚したばかりなのに、愛美に尽くされる度に胸が締め付けられるような感情が湧き上がる。
「それに・・・エッチなんだよ?・・愛美・・・」
愛美が付け加えるようにそう言った。
「エッチって・・・なんで・・・」
「愛美・・・お姉ちゃんともシタことあるの・・・知ってるでしょ?」
僕は以前、姉の部屋の前で立ち聞きしてしまった2人の喘ぎ声を思い出す。
「あ、ああ・・・そうだったな・・・」
「最初はお姉ちゃんにあんな事されて驚いたけど、嫌じゃなかったんだ・・・」
「え?」
「気持ち良かったの・・・すごく・・・だから愛美はエッチな子なんだよ・・・」
愛美はそう言うと再び僕の股間に顔を伏せ、ペロペロと舐め始めた。
愛美のフェラチオは子猫がミルクを飲むような可愛らしい舌使いだったが、童貞の僕に勿論フェラチオをしてもらった経験などある訳がない。
そんな控えめな愛美の舌使いでも十分に刺激的だった。
「ああ・・・ま、愛美・・・」
「気持ちいい・・?」
「すごく・・・気持ちいいよ・・・出ちゃいそうだ・・・」
「出してもいいんだよ・・・」
僕は股間に感じるヌルヌルとした愛美の舌の感触にすっかり我を忘れていた。
少し前に浮かんでいた姉の事など、すでに心の中からキレイさっぱりと消え失せるほどに・・・。
「だ、ダメだ・・・もうっ・・・で、出るっ」
僕がそう言うと愛美は遊んでいた右手を僕の男根に添えて上下させながら、先端をペロペロと舐めだした。
「う、う・・・おっ・・・あ」
大きな声を出せば姉に聞こえてしまう僕は、なるべく声を抑えようとする・・・そうすると口から発する声はこんな呻き声みたいになっていた。
――ビュッ・・・ビュルッ
僕は手でされるのとは比較にならない程の快感と共に溜まっていた精液を放出する。
「きゃ・・・っ」
愛美が小さく悲鳴をあげたから、僕は視線を股間に・・・愛美へ移した。
愛美は運動神経の良いほうではない。
勢いよく発射される僕の精液を避けそこなったのか、彼女の口元には少し僕の精液が付着していた。
「いっぱい出たねっ」
愛美は口元に付く精液を拭こうともせずににっこり笑ってそう言ったが、射精して急速に冷静さを取り戻した僕の脳裏には、また姉の顔が浮かんでいた。
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