「あっ・・あっ・・あっ・・・ゆ、雄太・・・お姉ちゃん・・も、イクっっ!!」
「お、俺も・・・っっ・・・うっ!・・・」
予想はしていたが、男ってのは・・・嫌、俺って奴はどうしようもない奴だ。
ついに、姉と愛美の両方とSEXする関係になってしまった僕は殆ど毎日彼女達とSEXをするようになっていた。
本当は一日おきとか、間を置いてでも良かったのだろうが、愛美とSEXをした後で僕は「姉の事が好きな僕の気持ち」を確かめたくて必ず姉の部屋へ寄って彼女を抱き、姉との行為の後では、何だか愛美に悪いような気がして必ず彼女の部屋へ寄った。
「じゃ、俺・・・部屋戻って寝るわ・・・」
「うん・・・雄太・・・何か顔色悪いけど・・・大丈夫?」
「ああ、何でもないよ・・・」
今日は、僕の部屋へやってきた愛美と先にSEXをした。
今日こそは、愛美が部屋へ戻ったら眠ろうと思っていたのだが、愛美の可愛らしい仕草やいじらしい言葉を聞いていると、何だか自分が誰を好きなのか解らなくなる・・・。
そうして今日も結局は、愛美との行為の後で深夜になって姉の部屋へ来てこうなったと言う訳だ。
身体が自分の身体でないように重い・・・さすがに毎日の部活動の後で2人の女性・・・と言っても両方とも僕の肉親な訳だが・・・その2人を相手にすると疲労がどんどん蓄積しているようだ。
――ドサっ
僕は自分の部屋へ戻ると、そのままベッドに倒れ込み、あっと言う間に眠りの世界に落ちて行った。
※※※
――ピピピピっ、ピピピピっ
体温計の電子音が鳴った。
「ああ、これはダメね・・・雄太、今日は学校お休みしなさい。お母さん電話しておくから」
疲労が蓄積した僕の身体は簡単に風邪のウイルスに敗北したようで、次の日の朝から僕は熱を出した。
そんなに高い熱ではなかったが、朝になっても溜まった疲労は抜けきらずに身体は鉛のように重かった。
「じゃ、愛美、学校終わったら急いで帰ってくるから、ちゃんと寝ててねっ」
愛美はそう言って学校へ出かけて行った。
その後で母と姉も僕の部屋へ寄って何かを言ってから出かけて行ったようだったけど、僕はボンヤリとして、何を言われているのか理解しないまま再び眠りに落ちてしまった。
「・・・ちゃんっ・・・お兄ちゃんっ・・」
次に目を開けた時、僕の目の前には愛美の顔のアップがあった。
「お昼ご飯も食べてないじゃない・・・お母さんが準備していったのに、ここに置きっぱなしだよ・・・お薬も飲んでないんじゃないの?・・」
どうやら僕はあれからずっと眠っていたらしい。
「ん・・・ああ・・・」
僕は身体を起こした。
一日中眠っていたからか背中が痛かったが、体力は随分と回復していて、今朝のような重さを感じない。
普段の鍛えっぷりが功を奏したようだ。
「あ、なんか俺ずっと寝てたみたい・・・」
「朝からずっと?」
「うん・・・」
「じゃあ、やっぱり食べないとだめだよ。愛美、チンしてきてあげるっ」
愛美は枕元に母が準備していってくれた昼食を温め直してきてやると言って階下へ降りて行った。
僕の机の上に愛美の学校カバンが置いてあって持ち手の所に可愛らしいストラップがつけてある・・・ここにカバンがあると言う事は、愛美は玄関から自分の部屋にも寄らずに僕の部屋へ直行してきたのだろう。
僕が姉の事を好きなのは間違いないのだが、愛美のこういう所も僕の心を捉えて離さない。
授業中も僕の事が心配でソワソワして過ごす愛美の姿が目に浮かぶようだ。
「はい。お兄ちゃんっ・・・ちゃんと食べないとダメよっ」
開けっ放しになっていた僕の部屋に制服姿の愛美がお盆に乗せた食事を持って入ってきた。
「ああ、少し身体も楽になったんだ。ちゃんと食べるよ」
「起き上れる?」
「大丈夫だって、そんな重病人じゃあるまいし」
僕は笑いながらそう言って起き上る。
「良かった・・・じゃ、愛美、ちょっと着替えてくるから食べててね」
「風邪が感染(うつ)るからもう来なくていいぞ・・・」
「お兄ちゃん・・・何か汗臭いよ。愛美、後で身体拭いてあげるよっ・・ねっ!?」
「いらねぇ~って・・・」
「いいから、いいからっ!」
愛美は元気良く僕の部屋を出て自分の部屋に戻って行った。
僕は母が出勤前の忙しい最中に準備してくれたに違いない、作り置きの昼食を・・・とは言ってももう夕方なのだが、ありがたく食べる事にした。
※※※
「ふ~っ・・・」
お腹が一杯になると、昨日までの体調不良が嘘のように身体が軽い。
昼食が乗っていたお盆の上には風邪薬も一緒に乗っていたが、それを内服しようかどうかと迷うほどだった。
――ガチャっ
戸が開いて愛美が入ってきた。
その手には少し湯気の立ち上る洗面器を持っている。
「もう食べ終わったでしょ?・・・身体拭いて・・・あ~っ、お薬飲まなきゃだめじゃないっ」
「いや、でも・・・結構、調子良いし飲まなくっても良いかなって」
「ダメだよ~・・・もうっ。はい、あ~んして・・・」
「い、いいって・・・」
「ダメっ!あ~んっ!」
「わ、解った・・じゃあ、自分で飲むから・・・なっ!?」
僕は愛美の手から風邪薬を奪い取って言った。
「なに~!?恥ずかしがってるの?」
「あ、いや・・・そうじゃないけどさ」
錠剤ならともかく、この風邪薬は散剤だ。
粉の薬は苦い。
それを自分のタイミング以外で口の中に放り込まれるのが単純に嫌だった。
「恥ずかしがっても仕方ないでしょ?・・・はいっ、じゃあシャツ脱いでっ」
「へ?」
「お兄ちゃん汗臭いから拭いてあげるって言ったでしょ」
やはり、その洗面器はそう言う理由だったか。
薄々解ってはいたけど、それこそ何だか恥ずかしい。
「い、いいよ・・・自分で拭くから」
「背中とかどうすんのよ?」
「それは・・・こう・・・乾布摩擦の要領で拭けば何とか・・・」
「せっかく人手があるんだから、そんな事しなくても良いじゃない?」
「まぁ・・・そうか」
こうして僕は愛美に身体を拭かれる事になった。
昨晩は愛美とも姉ともSEXをした・・・にも関わらず、その後からシャワーすらしていない僕の身体は確かに汗臭い。
ふと、愛美の足元を見ると、いつの間に準備したのか僕の替えのシャツとトランクス、パジャマがきちんと畳んで置いてある。
(お~お~・・・甲斐甲斐しいこと。いい嫁さんになるな愛美は・・・)
そんな風に何となく思いながら愛美に温かいタオルで拭かれる背中は気持ち良い。
「はいっ。上半身は終りっ・・・早くTシャツとパジャマ着ちゃってね。またお熱上がっちゃうよ」
「あ~、はいはい」
愛美は良い嫁にはなりそうだが、子供が出来たら「うるさい母」にもなりそうだ。
「じゃあ、ズボン脱いで」
「え?」
「だから、次は下半身を拭くからズボンを脱いでって言ってるの」
「そ、そこまでは良いって・・マジで」
「恥ずかしがらなくても良いから・・・早くっ」
別に恥ずかしがっている訳でもないのだが、僕は愛美に引っぺがされるようにズボンとトランクスを脱がされた。
愛美の前でトランクスを下げる時には、いつも僕は勃起状態だった。
こんな風に元気のない男根を彼女の前に晒すのは初めてだ。
「元気の無い時はこんななんだねっ」
愛美はそう言いながら、僕のモノを握ってその周囲と男根そのものをタオルで清潔にしていく。
下半身ったって、足の先から大腿、膝と色々あるのによりによって何故そこから開始するのかと思いながらも、サッパリとして気持ちが良い。
――ガチャっ
呑気にそんな事を考えていると、何の前触れもなく不意に僕の部屋の戸が開いた。
「あ、な~んだ・・愛美も帰ってた・・・の・・・ちょっと!!何してんのよっ!」
姉だった。
彼女は愛美が帰宅している事を知らずに、僕がまだ眠っているかもしれないと思ってそ~っと静かに足音を忍ばせて僕の部屋まで来たらしかった。
(い、言い逃れできない・・・)
何しろ、今まさに愛美の手は僕のモノを握って、もう一方の手に持ったタオルでそこを拭いている。
おまけに、愛美に他意はないのだろうが、そうやって握られている事で僕のモノは少しだけ硬度を増しつつあったのだ。
「ゆ、雄太っ!愛美に何て事させてんのよっ」
「あ、いや・・・これは・・・その・・・させた訳では・・・」
「どうしても拭いて欲しければお姉ちゃんが拭いてあげるから、愛美にそんな事させるんじゃないわよっ!」
「う、うん・・・ごめん」
僕は何故僕が謝らなければいけないのか理解できないままでそう詫びた。
「違うの・・・お姉ちゃん・・・私が拭いてあげるって言ったの」
「そ、それにしたって、あんたっ、そ、そんな所まで拭く!?ふつう・・・」
確かに・・・百歩譲って、世の中のものすごく仲の良い兄妹が風邪をひいた兄の身体を拭く事はあるとしよう・・・しかし、その場合でも、まさか陰部までも拭く事はないだろう。
姉の言う事は正しい。
「拭くよ・・・」
「え?・・・」
「別に変じゃないよ・・・変じゃないよっ、だって愛美とお兄ちゃんは付き合ってるんだからっ」
愛美がハッキリと姉に向かってそう言った。
「・・・」
「・・・」
「・・・」
誰も何も言えないまま、沈黙の時間が過ぎていく。
「つ、付き合ってるって・・・何言ってんのよ・・・愛美・・・」
重苦しい空気を姉が破った。
「本当だよ・・・愛美、お兄ちゃんと付き合ってるんだもんっ。ねっ、お兄ちゃん?」
「あ、いや・・・それはだな・・・何と言うか・・・その・・・」
「兄妹で付き合うって・・・何よ?」
「だから・・・その・・・仲の良い兄妹の延長線上にあると言うか・・・その・・・」
「兄妹だけど、ちゃんと付き合ってるんだもんっ。エッチだってしてるんだからっ・・・ねっ?お兄ちゃんっ」
サーッと顔から血の気が引いて行く音が聞こえるような気がする。
何か言わなければと口をパクパクさせるが、何の言葉も出てこない。
「え、エッチって・・・雄太・・・まさか・・・ホントに?」
「あ、あの・・・それは・・・その・・・」
「お兄ちゃんっ!!」
「ほ、ホントです・・・」
愛美の迫力に気圧されて、僕はそう言うしかなかった。
「だからもうお姉ちゃんとはエッチな事しないの・・・愛美はお兄ちゃんの彼女だから」
「そう・・・言う・・・事だったんだ・・・なるほどね」
いつも合理的で飄々としている姉にしては珍しく動揺が顔に表れている。
普段見慣れていない彼女のその表情がショックの大きさを物語る。
「あんた・・・愛美ともエッチして、その上、私の部屋にも来てたって訳?」
「そ、それは・・・」
僕は愛美の顔を見る。
愛美は何のことか解らずにキョトっとしている。
「お兄ちゃん・・・どういう事・・・?」
――ガバっ
僕は下半身丸裸の恥ずかしい格好のままで土下座状態になった。
「す、すまんっ!!2人ともっ!!」
「お兄ちゃん・・・何?・・・どうしたの?」
愛美の顔をまともに直視できない。
「お、俺・・・自分でも良く解んないんだけど、姉ちゃんと一緒にいるとすごく安心できて・・・でも、愛美もすごく可愛くて・・・それで、2人とも兄妹なんだけれども・・・その・・・どっちか選ぶってのが出来なくて・・・それで・・・その・・・」
「愛美・・・お姉ちゃんも雄太とエッチしてんのよ・・・」
姉が今一つ状況を飲み込めない顔をしている愛美にそう言った。
全く遠回りもせずに、ズバリと言うのが合理主義者の姉らしい。
「うそ・・・なんで・・・?・・・」
「ご、ごめんな・・・愛美・・・」
愛美の目に涙が溜まってきた。
普段なら何とか彼女を泣かせないように取り繕うのだが、今日は無理だ。
どうしようもない。
「お兄ちゃん・・・愛美の事好きじゃなかったの?・・エッチな事がしたいだけだったの?」
「そ、それは違うっ!断じて違うっ。愛美の事が心の底から可愛くて手放せなかったんだ。エッチなんかしなくても・・・いや、その・・・結局しちゃったんだけど・・・でも、絶対にそれだけじゃないんだ・・・信じてくれっ!」
「と言う事は、私に甘えてたのも演技だったって訳ね・・・そうやって上手く私を性欲処理の道具にしてた訳だ・・・」
今度は姉がそう言った。
「そ、それも違うっ!姉ちゃんは優しくて素敵で・・・ずっと一緒に居たかったんだ。エッチな事なんてしなくても良かった・・・あ、最終的にはしてしまった訳だけれども・・・」
「「結局どういう事なの!?」」
2人が声を重ねてそう言った。
「け、結局・・・俺は2人とも好きで・・・大切なんだ・・・だからどっちかだけなんて選べなくて・・・ごめん」
「呆れたね・・・愛美っ・・・行こっ・・・」
「うん・・・」
姉は愛美を促して部屋を出て行こうとしたが、出て行く前に言った。
「一つだけ聞くけどさ・・・あんた毎日のように私の部屋に来てたでしょ?・・・愛美の部屋にも毎日行ってたの?」
「うん・・・絶対にどっちか片方だけって事は出来なくて・・・姉ちゃんの部屋に行くときには愛美の部屋にも行ったし、姉ちゃんの部屋に行かない日は愛美の部屋にも行かなかった・・・」
「ふ~ん・・・そう・・・か・・・」
姉は短くそう言っただけで部屋から出ていった。
愛美は、その姉の後ろを泣きながら出て行く。
出て行く時に少しだけ振り返って僕を見る目に悲しみが溢れていた。
僕は結局どちらも傷つけまいとして、2人とも傷つけてしまった事を深く深く後悔したけれど、今更それをどうする事も出来ないと言う事だって十分解っていた。
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