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凛 騎 応 変!

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□ 伝染する欲望~ブログのみで公開中(完結) □

第13話 …元カノ…

「おはよう…」
「あぁ…おはよう…」

竜一(りゅういち)は寝癖頭を掻きながら先に起きていた妻に朝の挨拶をした。
そして、昨夜のことを思い出す…。

昨夜、竜一は一週間ぶりに妻の和美を抱いた。
和美は昨日、職場の同僚との飲み会に参加して帰宅したが、思いのほか酒に酔った様子もなく帰宅したのだ。

竜一は、妻の帰宅時間が特別遅いような事がなければ、今日の夜はSEXに誘おうと決めていた。

「…これから、しない?」

竜一は、いつもと同じように軽い調子で妻を誘った。
妻は、決してSEXに積極的な女ではなかったが、かといって竜一の誘いを断る事も殆どなかった。

「…え…今日…?…うん…いいよ…」

和美は一瞬の躊躇いを見せたが、次には竜一の誘いを承諾して、いそいそと来ている服を脱ぎだした。

「シャワーとか…いいの?…」
「え…?…」
「シャワーしなくていいの?…夕べからしてないでしょ?…俺は全然そのままでも気にならないけど、和美いつも気にするじゃん…」

着ているものを脱ぎ始める和美に竜一はそう言った。
妻が丸々一日以上もシャワーせずに、そのまま竜一に抱かれようとする事など、普段はなかったのだ。

「…そうね…今…シャワーしようと思ってた所…なの…」

別に慌てるような事でもないと思うが、和美は少し吃(ども)るように焦った口調でそう言うと、サッサと浴室へ消えて行った。

(何でもなさそうに見えるけど…酔ってるのかな?…)

最初、竜一はそう思った。

だが、何かがおかしい。
上手く言えないが「抱かれ方」が少し違うような気がする。
本当はそんな気分じゃないところを自分に付き合ってくれている為だろうか…。

それに…さっき妻の秘部を舐めようと彼女の股間に顔を埋めた時に一瞬、鼻についたあの匂い…浴室に置く石鹸の種類を変えたんだったかな…いつも妻の控えめな陰毛から匂う石鹸の香りと少し違うような気がする。

しかし、SEXも半ばに差し掛かると和美は十分に濡れ、喘いだ…。

「…竜一…っ…気持ち…いい…」

彼女は竜一の名を呼びながら喘ぎ声をあげた。
やはり何かがおかしい…自分の名を呼びながら喘ぐ姿など、ここ最近は見たことがない。

数えきれないほど身体を重ねてきた妻の事だからこそ解る違和感…それが何なのかは解らないが、1週間ぶりに妻を抱いた竜一は、その答えを見つける事なく妻とともに果てた…。



※※※



妻の和美は控えめな性格で、滅多に繁華街に出歩く事など無かったが、竜一は違った。
用事がないのにブラつく程暇でもないが、何かがあればそこへ行く事を面倒だと思う事もない。

それに、楽しみもあった。

時々、街中で見かける元カノ…結婚して子供まで居る自分としては、彼女とヨリを戻すと言う事はあり得ないが…男の性(さが)とでも言おうか…当時とあまり変わらない彼女の姿を目の当たりにすると、あらぬ妄想をしてしまう。

元々、彼女のことが嫌いで別れた訳でもなかった。
互いに若くて、許容量が足りなかった…ただそれだけが原因だった。
思い返せば楽しい思い出の方が圧倒的に多かったし…彼女との身体の相性も悪くはなかった。

当時、彼女とは飽きる程SEXしたのに…それでも膨らむ妄想。
竜一は本気で声をかけようかと迷うこともあったが

(いやいや…今更、声をかけて何を話すと言うのか…)

そう思いとどまっていた。



※※※



ドンっ…

今日も所用で街へ出かけていた竜一は、先日の妻とのSEXで感じた違和感をボンヤリと考えていた為に反対方向へ歩く女性にブツかってしまった。

ブツかりそうな瞬間、身体を反らせてかわしたと思ったのだが…自分も歳をとり反射神経が鈍くなったのか…と寂しくなった。

「す、すいません。大丈夫ですか?」
そんなに強くブツかった訳でもないし、それに互いに反対方向に向かって歩いていたのだからブツかったのは同罪だとも思うが、相手が若い女性だと思うと自然に謝っていた。

「いたた…大丈夫…すいませ…」
顔をあげて、竜一に向かって謝ろうとする女性…。

「あっ!」
「…あっ…」

殆ど2人同時に声をあげた。

こんな事もあるのか…ブツかった相手は竜一の元カノだった…。

途端にドキドキと高鳴る竜一の胸。

「あ、久しぶり~…元気~!?」
「あぁ…そっちは…」
「ごめんね~…今ちょっと急いでて…またね~」
話し出そうとする竜一を遮って彼女はそう言った。相変わらずだ…。

小さく手を振って離れていく彼女。

(そんな…上手い話はないよな…)

心の片隅で、少しだけ妙な展開を期待していた竜一は、然程落ち込みもせずにそう思った。

だが、彼女は一旦竜一から離れかけて再び振り返った。

「そうだ…あたし、携帯変わったんだよね…メルアドも…」
そう言いながら今時のスマートフォンを手にする彼女…。

竜一は、今現在の彼女の携帯の番号とメルアドを赤外線で交換して、その日は別れた。



※※※



「ブ~ン…ブ~ン」

一際耳につく音で竜一の携帯が震えた。
メールのようだ。

竜一は努めて平静に…だが速やかに携帯を手に取ると誰からのメールなのか確認した。

あれから、竜一は彼女…いや、元カノと頻繁にメールのやり取りをするようになっていた。
最初にメールを送ってきたのは彼女のほうだった。

他愛もない、近況を問う内容のメールだった。

互いの近況をやり取りするうち、内容は楽しかった頃の思い出に触れるようになった。

竜一自身、今の生活に不満がある訳でもないし、働きながら子育てや家事をこなす妻の事を大切に思っていた。

だが、元カノから時折届くメールは、若かった頃の楽しい思い出を鮮明に思い出させてくれる。それに…もしかしたらと言う下心…男性であれば皆(みな)同じだろう。

2人が、待ち合わせて会う事になったのは、街角でブツかったあの日から1か月程度後の事だった…。

しかし、会うことになっても竜一の下心が大きくなる事はなかった。
彼女が指定してきた時間が日曜の昼間だったからだ。
それでも竜一は友人と遊びに行くと言って、自宅を出て行った…。



※※※



「でさ、でさ…」
本当に自分があの頃にタイムスリップしたのではないかと思うほど、彼女と過ごす時間は違和感がなかった。

会話の三分の二以上を彼女がしゃべり、残り三分の一程度、竜一が口を挟む…あの頃と寸分たがわぬ時間が過ぎていく。

しまいには、せっかく2人で食事に来たと言うのに、テーブルの上の料理は冷めてしまった。

「いや…久しぶりに話せて良かったよ…」
竜一は楽しい時間が終わってしまうのを惜しむように彼女に言った。

「これから…どうする?…家族サービス?…」
まだ未婚の彼女は皮肉めいた目で竜一にそう言う。

「あ、いや…今日は子供達も勝手に遊んでると思うし…」
「ふ~ん…」
何か言いたい事があるのか、セットメニューに付いてきた、とっくに冷めきったコーヒーを彼女は口にした。

「私さ~…たまに竜一の事見かけてたんだよね~…実は…」
竜一はドキリとした。
それは、彼も同じだったからだ。

「なんだよ…声かけてくれれば良かったのに…」
だが、ドキリとした気持ちを抑えつけて竜一はそう言い返した。

「だって…何て声かける?…」
彼女は言った。
その気持ちは良く解る。
竜一自身も全く同じ理由で彼女を見かけても声をかける事ができずにいたからだ。

「そっか…そうだな…」
竜一はそれ以上何も言えなかった。


「この間ブツかった時さ~…」
短い沈黙の後で彼女は再び話し出す。

「この間ブツかった時さ~…何でブツかったか解る?…」
「何でって…ちょっと俺、考え事しててさ…」
竜一は正直に言った。

「さて問題ですっ…」
突然彼女は言う。
何のことやら訳が分からないと言う表情でそれを見ている竜一。

「私たちはなぜブツかったので、しょぉうかっ!…1番、竜一がおっさんになったので避けきれなかった…2番、竜一がおっさんなので避けきれなかった…」

どうやら三択クイズのようだ…だが、選択肢が実質一つではないか…。
歳をとったのはお互いさまだと抗議しようと思った竜一だったが、最後の選択肢を聞いてそれを止めた。

「…3番…私がわざとブツかったから…」
彼女は真っ直ぐに竜一を見つめて言った。
その瞳の中に、イタズラな輝きを宿している…。

(あぁ…こいつ…こんな良い女だったっけかな…)

隣の花は赤いとか…隣の芝生は青い等という言葉がある…他人のものは何でも良く見えるものだと言う諺(ことわざ)だ。
竜一は彼女とのメールのやり取りで、未婚ではあるものの彼女に彼氏が居る事を知っていた…だから…と言う訳でもないのだろうが、やたらと彼女を失った事が惜(お)しい…。

「あ~あ…竜一と別れなきゃ良かったよ~」
彼女の真意を計り兼ねて黙り込む竜一に向かって、さらに畳み掛けるように彼女は言った。

「なに言ってんだよ…」
竜一はそう絞り出すのがやっとだ…。

「私さ~…今の彼氏とあんまり上手くいってないんだよね…」

もう間違いない。
彼女は竜一を誘っている。

今の彼氏と喧嘩でもしたのか…それとも竜一を寂しさの穴埋めに利用すると言うのか…竜一が結婚していて子供が居る事はメールのやり取りで彼女も知っているはずだ。
まさか、元サヤを狙っている訳でもあるまい…。

だが、いずれにしても竜一を誘っているのは間違いなかった。

竜一は、妻や家族の事を思うと少し心が痛んだが、彼の「男」の部分が目の前の元カノを抱く事を止めると言う選択を許さなかった。
彼の妻がそうであったように…。



※※※



「なんか…照れるな…」
昼間からラブホテルに入った竜一は、シャワー上がりの裸体の腰にタオルを巻いた姿で言った。

「そうだね…久しぶりだもんね…」
同じようにシャワー上がりの身体に…こちらは胸と前の部分を隠すように大きくバスタオルを巻いた姿で彼女が応じた。

「いいのか…?…ホントに…」
何を今更…と自分でも思いながら竜一が彼女に尋ねた。

「うん…W不倫…あ、私は結婚してないから…えっと…W浮気?…だね…」
彼女はそう言った。

(そうだ…こいつにも彼氏がいるんだもんな…)

竜一は自分が浮気をするのだ…と言う事ばかりを考えていたが、彼女にも彼氏がいる…今は他人の女となった元カノ…それを今から抱こうと言うのだ。

「じゃ…始める…?…」
彼女はそう言って自分からベッドによじ登った。

竜一の妻は、どちらかと言うとSEXに消極的なほうだと思う。
だが、彼女は違った。
自由で…奔放で…痛い事や苦しいこと以外であれば、何でも試してみようと言うそんな女だった。

竜一はベッドに横たわる彼女の身体からバスタオルを捲り取ると、右手を彼女の乳房に当てた…と同時にキスをする…恋人同士だったあの頃と同じ…甘く優しいキスの後で、激しく舌を絡ませる…。

そうしている間にも彼女の乳房の上にチョンと乗っている乳首は硬度を増してくる。

股間に心地よい快感が走った。
竜一に愛撫されながら、彼女が空いている右手で彼のモノを握り…シゴき始めたのだ。

竜一は、彼女へのキスを止め、顔を下にずらしてもう一方の乳房を舐め始めた。

盛り上がった乳房の最下層から円を描くように頂点を目指す竜一の舌…。
やがて、それは乳房の頂点に達して、硬くなり始めた先端をチロチロと刺激する。

「…あっ…」
小さな喘ぎ声が漏れた。

一しきり彼女の乳房を愛した竜一の右手は、そのまま彼女の臍を素通りして、もっとも敏感な部分に向かう。

それから、かつて何度となく竜一のモノを飲み込んだ穴に到達する前に、彼の右手は彼女の蕾(つぼみ)へ寄り道した。

大きく一つ、ビクンッと身体を震わせる彼女…。
「はぁっ…」
と吐息にも似た喘ぎ声が漏れた。

彼女の蕾を刺激する為に指に湿り気が欲しいと思った竜一は、蕾から少しだけ指を下方へ移動して彼女の割れ目をなぞった。

(濡れてる…)

彼女は、まだ乳房への愛撫をほんの数分受けただけだと言うのに、すっかり竜一を受け入れる準備が出来ているようだった。

しかし、まだこの時間を終わらせたくない。
竜一は中指に、彼女の蜜をたっぷりと付けて蕾へ引き返した。

「あぁっ…あっ…」
ぬめり気を帯びてヌルヌルとした中指が彼女の蕾を刺激すると、彼女の口からはハッキリとした喘ぎ声が出た。

「ここ…好きだもんな…」
竜一は、かつて彼女を毎日のように抱いていた頃を思い出しながら言った。

「…うん…そこ…気持ちいい…」
彼女は素直だ。

竜一は、口にこそ出さないものの、彼女がすでにもっと強い刺激を求めている事を感じ取っていた。

その希望を叶える為に、顔を股間へ移す…自然と竜一のモノが彼女の顔の位置付近まで接近した。

「ピチャピチャ」
既に十分に濡れている彼女のそこを、それでも唾液でさらにベチャベチャにしながら舐める竜一。

「あっ!あぁっ!」
大きく喘ぐ彼女。

喘いだ後で、少し身体を横に向けて、目の前にある竜一のモノを彼女は頬張った。

数年ぶりに味わう彼女の口内の感覚…。
視線を向けなくとも、彼女が興奮した様子で竜一のモノを貪るように激しく舌を這わせているのが解る。

そのまま、シックスナインの体制を横にしたような形で互いの性器を口で刺激し合う2人…。

「あぁぁぁ!…あっ…んっ…」
しかし、竜一の攻めに彼女は彼のモノを口から吐き出して時折大きく喘ぐ。

元々、舐められるのが嫌いな女ではないが、この感じよう…竜一は彼女の秘部に舌を這わせながら、途切れ途切れに尋ねてみた。

「彼氏とは…しないの…」
「するよ…エッチ…でも…」

今の彼氏はあまり彼女を愛撫する事なく、乱暴に挿入して自らの欲望を果たすか、もしくは彼女自身も自信があると言うフェラチオで口内に欲望を吐き出すのみだと言う。愛情のある…こんな舐められ方は久しく経験していないと彼女は言った。

途端に竜一の脳裏に、彼女が派手な風体の男に乱暴に犯される姿が浮かんだ。

今はもう自分の彼女ではないと言うのに、竜一は見た事もないその男に嫉妬していた。

やがて、互いの愛撫に十分に満足した頃、竜一は身体を起こした。

「入れるよ…」
そう言いながら枕元のコンドームを手に取る。

「着けなくてもいいよ…」
当たり前のようにそう言う彼女。

聞けば、今の彼氏は一度も避妊をしてくれた事がないと言う。

「でも…外に出してくれるから大丈夫だよ…お腹とか…顔とか…」
避妊もしない彼氏の事をそう言って擁護する彼女。

愛撫らしい愛撫もせずに挿入された上に、避妊もせずに挿入する彼…そしてその欲望を彼女の顔に吐き出す事もあると言う…。

それを当然の事のように竜一に話す彼女の姿が悲しい…実際には不可能でも、守ってあげなければと言う気持ちになってしまう。

「ダメだよ…避妊はする…」
竜一は言った。
万一の時に彼には責任を取る術もなかったから…。

「いいのに…別に…」
そう言う彼女の膣口へ、コンドームを纏った彼のモノが触れた。

竜一は、彼女の今の彼氏への怒りをぶつけるように一気にそれを彼女の中に捻じ込んだ。

「あぁあっ…!…」
大きく身を捩って快感の声をあげる彼女。

2人が繋がった部分から聞こえる卑猥な音が竜一を興奮させる。

コンドームを着けていると言うのに、まるでSEXを覚えたばかりの高校生のように、あっと言う間に射精感が竜一に襲い掛かった。

物理的な快感だけがそうさせている訳でない事を竜一は良く解っていた。

自分と別れた後で、彼女がそんなに乱暴な男と付き合って、好き放題に弄ばれているなんて思わなかった。
さっきまで、昔と微塵も変わらないと思っていた彼女が、今は全く別の女に見える。
変わってしまった彼女に興奮する。
付き合う男が変わるだけで、こうもSEXに対する姿勢が変わってしまうものなのか…。

(SEXに対する…姿勢…?…)

竜一は先日妻を抱いたときに感じた違和感を思い出した。
途端に遠のく射精感…。

(そうだ…あの時の違和感…妻のSEXに対する姿勢が…いつもと違っていた…)

踏む手順や刺激する場所…その方法…何もかもいつものSEXと変わらなかったが、快感の中で竜一の名を呼んでみたり、手を握ったり…それにどちらかと言うと奉仕好きな妻が、あの時は全身で「愛されたい」と言っていた。

竜一だって、妻を愛していない訳ではない。
ただ、結婚して月日が経つと自分の妻に対してドキドキする感情が薄れる。
自然と目に見える態度で愛情を示す事もなくなる。

あの時、妻はその愛情を目に見える形で示そうと懸命だった。
全身で竜一に愛情を示していたのに、それを違和感…とすら受け取っていた。

(だけど…なんで突然…?…)

感じた違和感の原因は解った。
だが、何故妻が突然そんなふうに竜一に愛情を示そうとしたのかが解らない。
単なる気分の問題とも到底思えなかったし、恥ずかしがりの妻は意味もなくそんな事が出来る女でもない。

「あっ…あっ…あっ…いい…気持ちいいよ…っ…」
彼女が一層激しく喘いで竜一の首に両手を廻した。

自然と抱き合う形になる2人…竜一は流れに身を任せ、彼女に抱きしめられるまま、その首筋に顔を埋めた。

ついさっきシャワーを浴びたばかりの彼女の首筋から香る石鹸の匂いが竜一を快楽の世界に引き戻す…だが…

(石鹸の匂い…)

竜一は激しく彼女へ腰を打ち付けながら、その首筋、胸元、脇…彼女の身体の隅々へ舌を這わせた。

それから、彼女にバレないようにそっと自分の二の腕の匂いを嗅いでみる。

彼女の身体から仄(ほの)かに匂う石鹸の匂いと同じ匂いが竜一の二の腕からも香ってくる…。

当然だが、我が家の石鹸とは違う匂いがした。

(まさか…)

我が家の石鹸とは違う香り…あの日、妻も自宅ではないどこかでシャワーを浴びたのではないか…そう考えれば我が家の石鹸と違う匂いが妻の身体から香ったのも合点がいく。

それにあの日…夫である竜一がSEXに誘った時、彼女は竜一に促されるまでシャワーをしようと思っていなかった…。
あれは、帰宅する前にシャワーを浴びたばかりだったから、つい失念したのではないか…。

そして彼がSEXに誘った時に見せた、一瞬の躊躇い…あれは、今…他の男とSEXをしてきばかりだと言う事実…それが竜一とも立て続けにSEXをする事を躊躇わせたのではないか…。

さらに何よりも、竜一が感じていた違和感…それは他人に抱かれた後に見せる、夫への愛情確認の行為ではなかったか…。

(妻が…浮気を…?…あの恥ずかしがりでSEXに消極的な妻が…?…)

いや、SEXに消極的だと思っているのは自分だけかもしれない。
あり得ないなんて事はあり得ない。
現にこうして、自分も今まさに、他人の彼女の奥深くに肉棒を突き入れているのだから…。

(でも…一体誰と…)

竜一の頭の中に、見慣れた妻の裸体が浮かび上がる…そして同時に顔の見えない男が後ろから妻を抱きしめて乳房を揉みしだく…妻は目を閉じて天を仰ぐように顎を浮かせて快感に身を委ね始める…。


「…うっ…んっ…」
竜一は呻いた。
妻の淫らな姿を想像すると、途端に射精感が襲ってきた。
まだ正常位のままだ…他の体位に一度も変えていないのに…。


「あぁっ…!」
だが、目の前の彼女も快感の真っ只中のようだ。

「…も…出るかも…」
竜一は彼女にそう告げた。

「うん…うん…いいよ…私も…イキ…そ…」
脚を大きく開いて自分もイキそうだと喘ぎながら告げる彼女に甘えて、竜一はこのまま果てる事にした。

「イク…イク…イクゥ…っ!…」
彼女が大きく声を上げてビクビクっと身体を痙攣させた。

それを合図のように
「…んっ…う…」
と呻きながら竜一は湧き上がってくるマグマのような快楽の塊を吐き出した。

(…浮気…か…)

彼が欲望を吐き出した時、頭の中に目の前の彼女の事は微塵もなかった。
彼女とこうして身体を重ねる事も2度とないだろう。

今、彼の頭の中を支配しているのは、信じがたい…だが、おそらく真実であろう一つの事実、

(…妻が他の男に抱かれている…)

ただそれだけだった…。


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Date:2011/12/01
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