「先生も…寝てください…」
和美は言った。
「先生にフェラチオをしてあげます」と言う意思表示だったが、いくら開き直った和美でも、それをそのまま彼に伝える事は出来なかったし…あまりにも恥ずかしかった。
和美は先ほどまでと体制を入れ替えると、今度は彼の足元に座る形になった。
目の前にある彼のモノは、これから起こる事に対する期待感で屹立していた。
和美は右手を伸ばして、小さく細い指で彼のモノを握った。
それからゆっくりと上下に動かして、チラリと彼の表情を見た。
硬く目を閉じた表情が、快感を物語っている。
夫にすら感じたことのない感情が湧き上がってくる…。
(咥えたい…)
和美は普段、夫にお願いされて口で奉仕する事はあっても、自ら咥えたいと願い出るような事はなかった…それが、今は彼に口でしてあげたい…そう思う。
彼女は静かに彼のモノに顔を寄せると、彼の亀頭部だけをパクリと咥えた。
咥えたままで音も立てずに舌を使ってあげる。
「和美さん…」
彼が気持ち良さそうに和美の名を呼んだ。
それも、彼女にとっては新鮮だった。
結婚したばかりの頃は、夫も自分の名をよく呼んで快感に浸っていた。
最近はそれがない…。
「…先生…気持ち良い…れすか…」
和美は、なるべく彼のモノを口から離さないようにしながら解りきった事を尋ねた。
「はい…すごく…気持ちいい…です…」
当然の返答をする彼。
外からは見えないが、和美の舌は彼のモノを咥えたまま口内で激しく回転している…これが気持ち良くない訳はない…夫ですら腰をビクつかせる事があるのだから…。
和美は彼の満足そうな表情を時折チラリと覗きながらフェラチオを続けた。
上目使いに彼を見る可愛らしい表情と裏腹に、男根をパクリと咥えて頬をヘコませる口元がいやらしい…そのギャップが時折、チラチラと和美のフェラチオ姿を見る彼を興奮させる。
「ジュポッ…」
1回だけ大きな音を立てて、和美は彼のモノを亀頭部だけでなく可能な部分まで含んだ。
「う…あぁぁ…」
途端に快感の溜息をもらす彼。
「ジュポッ、ジュプッ、ジュルッ」
卑猥な音が徐々に増えていき、そのペースも早くなる。
「ジュッポ、ジュッポ、ジュッポ…」
一定の早いリズムを刻みながら彼の股間で上下する和美の頭…だが彼にはその様子を見る余裕がもうない。
「か、和美さん…もう…出ちゃうから…その辺で…」
出てしまうからフェラチオを中止してくれと言う彼。
和美はこのまま口中に彼の精を受けても良いと思ったが、それ以上に願っている事があった。
(入れて欲しい…)
だが、自分から「入れて欲しい…」等とは恥ずかしくて口が裂けても言えない。
しかし、それは無用の心配だった。
彼も同じ思いだったからだ。
彼は身体を起こすと、今の今まで彼のモノを咥えて激しく頭を上下させ、額にうっすらと汗を滲ませている彼女の身体をそうっと寝かせてから、枕もとに常備されているコンドームを手に取った。
仰向けに寝転がったままで、彼がコンドームを装着し終わるのを待つ和美…。
ドキドキと胸が高鳴った…。
(この気持ち…この感覚…)
今、和美が感じているドキドキ感…それは長い結婚生活の中で夫婦から失われたものだった…この気持ちを終わらせたくない…いつまでも…。
それは夫を愛しているとか、子供が可愛いといった気持ちとは全く異種の感情だった。
彼女の本能に働きかける部分…妻でも母でもなく、いつまでも「女」でありたいと言う気持ち…彼と過ごすドキドキした時間は、それを十分に満たしてくれる。
「あっ…あぁぁぁ…」
コンドームを装着した彼は、待ちきれないと言った様子で彼女の両脚を開いて、露わになった蜜壺へそれを突き刺した。
静寂が一気に破れて、和美の喘ぎ声と彼が腰を打ち付ける度に響く肉体同士がブツかる音…それにベッドの軋む音が部屋中に充満する。
「あぁ、あぁ、あぁ…」
引っ切り無しに口から漏れる喘ぎ声。
正直な所、夫と比較して、特別に彼のほうがSEXが上手だと言う事はない。
しかし、専ら自宅で営む事の多い夫婦の夜は、子供達を起こさぬよう、多少は声を我慢する必要があった。
今日はそれがない…ここはラブホテルだ…多少の喘ぎ声は聞こえないだろうし、聞こえたとしても、ここにいる者は皆、同じ目的の為に来ている…それに顔を合わせる事もないのだから、我慢する理由は一つもない…いや、一つあるか…。
和美に挿入して腰を動かし続ける彼…彼がすべてを聞いている。
おそらく、こんなに遠慮のない和美の喘ぎ声は夫である竜一ですら最近耳にしていないはずだ…。
「あっ…いい…あっ…!…」
その遠慮のない喘ぎ声を特等席で堪能する彼。
普段は白衣に身を包み患者に向かい合っている姿…その白衣の下に隠されていた裸体が彼の目を楽しませ…いつも患者にブラッシング指導をしている凛とした声からは想像も出来ないような乱れた喘ぎ声が彼の耳を楽しませる…そして、裸体のその中…彼女の体内に入ったモノで触感を楽しむ彼…これが他人の妻だと思うと堪らなく嫉妬する。
彼は嫉妬心をぶつけるように、少しだけ乱暴に和美の身体を裏返した。
何も言っていないのにノロノロと四肢で身体を持ち上げて四つ這いで尻を突き出す和美…そこへさらに嫉妬心と一緒に自分のモノをブチ込む。
「あぁ…ん…っ…!」
一瞬、背伸びでもするように身体を反らせて一際甲高く喘ぐ和美。
「パンパンパン」
よ言う腰を打ち付ける音が喘ぎ声を掻き消す。
ズンズンと突かれる度に、両手で自分の体重を支え切れなくなり、両肘を着いて突かれる姿勢になってしまう和美。
やがて、それも出来なくなって、両手をバンザイでもするように頭の上にあげて上半身が潰れてしまう…。
ムニュっとベッドに押し付けられる和美の胸…。
それでも尚、嫉妬心をこめて和美を後ろから動物のように突き続ける彼。
さっきまでの優しい表情は消えて、快感と嫉妬の入り混じった複雑な表情だ。
「あぁぁぁあ…」
和美の泣き声にも似た喘ぎ声でハタと我に返る彼。
少し乱暴にしすぎたのかと、和美の表情を後ろから覗き込む。
だが、その表情は泣いている訳ではなく、快感に歪んでいる。
「上に…なってくれますか…?…」
彼は和美の中から自分の怒張したモノを引き抜きながら言った。
「良いですよ…寝てください…」
和美は彼の額や胸元に光る大量の汗を見て、少し休ませてやろうと思ったのだ。
ただゴロンと仰向けになる彼の股間の部分を跨ぎ、右手で彼のモノを固定して照準を合わせるように少し腰の位置を微調整する和美。
それが済むと一気に腰を沈めて、和美の蜜壺は彼のモノを根本まで呑み込んだ。
「あぁっ…」
「う…あぁ…」
殆ど同時に吐息のような喘ぎ声を漏らす2人…。
だが挿入の感触をゆっくりと楽しむ暇はなかった。
挿入と同時に和美が腰を前後に激しく振り始めてしまったからだ。
普段、和美は夫との夜の営みでも、自分から積極的に上に乗って腰を振るような事はしなかった…騎乗位そのものは勿論したことはあるが、こんな風に快感を貪るような激しい腰使いは恥ずかしくてとても出来ない…。
だが、今日は腰が勝手に動いてしまう…彼の胸に両手を着き、クリトリスを擦りつけるように前後に…そう勝手に腰が動くのだ…。
「ああっ、あっあっあっあっあっ…」
自らの腰の動きに合わせて大きく天を仰ぎながら喘ぐ和美。
「う…わ…すごい…よ…和美さん…」
普段の控えめな性格からは想像も出来ない、その激しい腰の動きに思わず声をあげる彼。
しかし、和美の激しい腰使いですでに彼は限界に近づきつつあった。
「和美さん…」
名前を呼びながら身体を起こして、そのまま上に乗っている和美を向こう側に優しく倒す。
それから再び正常位になると、彼はゆっくりと、今度は和美の秘肉の感触を楽しむように腰を動かす。
2人が結合している部分からは、もはや一突き毎に
「ヌチャ、ヌチャ…」
と言う粘り気のある液体が摩擦される音が聞こえる。
だが迫りくる快感に、勝手に腰の動きが早くなってしまうのは彼も同じだった。
どんどんと早くなる彼の腰の動きに合わせて
「あっ、あっ、あっあっ…」
と引っ切り無しに喘ぎ声をあげる和美。
さらに激しく、深く、和美を突き上げる彼。
「あっ…先生…私…また…イッちゃう…やだ…恥ずかしい…」
「なんで…恥ずかしいの…」
はぁはぁと息を切らしながら尋ねる彼。
「だって…私ばっかり…」
どうやら、自分ばかりがイッてしまう事が恥ずかしい様子の和美。
先ほど彼の指で一度イッているので、これが2回目だ。
彼が一度もその欲望を吐き出していないのに、自分ばかりが2回も果ててしまう…その事が恥ずかしいと訴えているのだ。
「大丈夫…僕も…もう…」
自分もイキそうだと告げる彼。
「あっ…あっ…あぁぁっ…先生…イッて…先生…」
それを聞いて安心したのか、再び喘ぎ始める和美。
夫にも「イッて」なんてことを口走った事はない…今日の自分は以上に興奮しているようだ。
「あぁ…イク…僕も…もう…出るよ…」
振り絞るような声でそういう彼。
「イッてぇ…先生…イッて、イッて…あっ…あっ…あぁあっ…私…も…イクぅ…っ…」
殆ど2人同時にビクッと身体を震わせた。
彼はそれから、和美に覆いかぶさり体重を預けた…和美のほうはそれでも小さくピクッピクッとイキ続けている…。
「すごく…良かった…」
彼は和美に優しくキスをしながら言った。
「私も…先生…でも…恥ずかしいな…」
コトが終わって冷静さを取り戻した和美は、今更ながら大変な事をしてしまったと言う気持ちが湧いてきた。
だが、今はそれ以上に目の前にいる若い歯科医に自分の乱れた姿を見られた事が恥ずかしい。
「そう?…何で?…」
彼は、そんなに恥ずかしがる事はないだろうと言う調子で言った。
「だって…あんな大きな声出たの…久しぶりだから…声大きかったでしょ?…」
和美は尚も恥ずかしそうに言った。
「ふふ…そうだね…声も大きかったけど、大きな口を開けてたよ…上顎第三大臼歯…上顎8番までしっかり見えるくらい…」
彼は歯科医師らしく和美をおちょくって笑った…。
≪
前へ /
次へ ≫
Information