夢だったマイホームをようやく手に入れた井川 大輔(いがわ だいすけ)は、少し離れた場所から感慨深げにそのマイホームを眺めていた。
この家を買う為に、下げたくもない頭を一生懸命下げて働いた・・・そう思うと感慨深かったのだ。
大輔は今年で35歳になる普通のサラリーマンだ。
ここから会社までは電車で1時間以上かかるが、昨年2人目の子供が出来たのを機についにこの新興住宅地に一軒家を建てたのだ。
一しきり自宅を眺めると、大輔はゆっくりと玄関を入った。
それから、お気に入りの部屋へと向かう。
――ガタン・・・
2階の寝室前のレバーを軽く引くと、さらに天井の上から簡易なつくりのハシゴが降りてきた。
大輔はそのハシゴを上がっていく・・・。
上がりきった所で天井の扉を押し開くと、そこには4畳半あるかないか・・・狭くて天井の低い小部屋が現れる。
忍者の隠し部屋みたいだが、今はこうした隠し部屋的な書斎がお父さんたちには大人気だそうで、大輔もこの家を建てるにあたり、そうした「自分だけのスペース」を欲しいと妻に頼み込んだのだった。
最初、この天井上の小部屋には窓も付かない予定だった。
面倒な説明の一切を聞き流し、殆どを妻に任せていた大輔には良く解らないが、建築法上窓の無い部屋は居室とは認められず、何だか色々手続きが変わってくるのだそうだ。
だが、大輔はこの部屋に小さくても良いから窓をつけてくれと頼みこんだ。
彼は愛煙家だ。
せっかく手に入れた自分だけのスペースが禁煙では不便この上ない。
この小さな小部屋に小さな窓を付けて採光できるようになると、それだけでここは「居室」となるそうで、良く物件表示に○LDK等と表示されるが、その○の数字にこの部屋も数えられるようになるのだそうだ。
妻はあまり良い顔はしなかった。
しかし、この先長く住み続ける我が家だ。
大輔としても譲る訳にはいかず、長い攻防の末、彼は子供がようやく通り抜けられるかどうか程度の小さな小窓を勝ち取った。
そうして勝ち取った小部屋は、大輔には無くてはならない場所だった。
1人になりたい・・・そう思っても小さな子供が2人もいるとそうはいかない。
そんな時に疲れたサラリーマンにとって、このスペースは自宅の中のオアシスとなっていたのだ。
それに・・・最近気が付いたのだがこの部屋には一つ大きな特権がオマケで付いていた。
それを説明するにはまだ少しばかり時間が早いようだ。
「あなた~・・・夕飯よ~・・・」
1階から大きな声で妻がそう叫んでいるのが耳に入った。
大輔は簡易ハシゴを降りて、1階へ降りて行った。
※※※
「あら、あなた・・・また上へ行くの?」
妻は呆れたようにそう言った。
「あぁ・・・少し上でゆっくりしてから寝るよ。先に寝てても良いから」
夕食を済ませ、子供を入浴させて寝かしつけた後で、大輔は夫婦の会話もそこそこに再び自分だけのスペースへ上がってきた。
ポケットから煙草を取り出し火を点ける。
それから、例の小窓を開けて、狭い部屋の中に煙が充満しないように、外へ向かって煙を吐く・・・。
「今日は・・・まだみたいだな・・・」
大輔は1人呟いた。
大輔は煙草を吸いながら、窓から少しだけ頭を出した。
窓を開けると、すぐ隣、頑張れば何とか手が届くんじゃないかと言うほど近くに隣家が迫っている。
「あっ・・・!」
大輔は思わず声を上げた。
隠し部屋から見下ろす隣家には、小窓のすぐ下に大きな窓があった。
この部屋は3階の高さに位置しているから、隣家の2階の窓だ。
この窓にはきちんとブラインドが下ろされていたが、ブラインドというのは羽の角度次第で上から見下ろすと、全く目隠しにならない・・・毎日・・・と言う訳ではなかったが、ブラインドの羽根の角度が甘いと大輔の居る小部屋から、隣家のその部屋は丸見えになるのだった。
おまけに、2階のその部屋は隣家の住人の寝室だった。
もう解っただろう・・・。
この部屋の「もう一つのおまけ」・・・。
それは「隣家の寝室が覗ける」というオマケだ。
大輔も最初から覗きをするつもりだった訳ではない。
引っ越してすぐに、この部屋が気に入った大輔は、眠れない時などはここで窓を開けて一服するのが常だった。
初めて、そこから隣家の寝室が覗けると知った時も、他意はなくただ煙草を吸っていただけだった。
ふぅ~っと軽く煙を吐いて何気なく下を覗き見た時、隣家のブラインドはきちんとしまっては居るのだろうが、上から角度をつけて見ると中が丸見えになるような羽の角度だった。
そして、さらに悪い事に、隣家の住人が寝室として使っているその部屋には窓際にベッドが置かれているらしかった。
大輔は隣家へお邪魔した事がある訳ではない。
にも関わらず、そこにベッドがあると解ったのは、その時に隣家の窓から覗き見た光景が、まさに「夫婦の秘め事」だったからだ。
大輔の小部屋の窓は小さいが、隣家の寝室の窓は大きい・・・。
彼の目には隣家の夫婦が絡み合う光景の殆どが見えていた。
大輔が思わず声をあげたのは、今まさにこの部屋に薄明かりが点灯したからだった。
(せめて真っ暗にして行為に及べば見えないものを・・・)
どう考えても覗き見る方が悪いのは明らかなのに、自分の行為をそう正当化してみる大輔・・・。
ブラインドの角度・・・寝室のダウンライト・・・そして夫婦がSEXをするかどうか・・・この3点がピタリと一致した時、大輔には堪らない時間が始まった・・・。
「早く・・・早く・・・」
大輔は待ちきれない衝動に駆られながら、その時を待つ。
――ドサっ
大輔の小部屋から隣家の様子は見えても音までは聞こえない。
しかし、隣家の窓越しにはそんな音でも聞こえてきそうな勢いで、女性がベッドに押し倒される様が見えていた。
大輔は、隣家のご主人には会ったことが無いが、引っ越しのご挨拶に回った時にこの奥さんには1度会っている。
小柄な女性で、引っ越しのご挨拶に来たとインターホン越しに告げるとにこやかな笑顔で玄関を開けてくれた。
笑った口元から少しだけ見える八重歯が可愛らしくて、どう見ても大輔よりも年下・・・それどころか幼さすら感じさせるその人妻は、しかし二つの胸の膨らみは衣服の上からもきちんと解るほどに大きくて、幼さすら感じさせる顔つきとのギャップが男を惑わせるに違いなかった。
その人妻が今、まさに大輔の目の前で一枚、また一枚と衣服を脱がされていく・・・。
そしてあの時衣服越しに感じた、乳房がブラインドの隙間を通してハッキリと見える。
(やっぱり大きいな・・・)
白くて大きな乳房は、この距離から見ても大きさが判別できてしまう程だ。
後頭部しか見えない隣家のご主人が、その乳房をイヤらしい手つきで揉みしだく。
声は聞こえないが、彼女の口元が少し緩んで、特徴的な八重歯が覗く様までもがハッキリと大輔には見える。
(可愛い声で啼くんだろうな・・・)
そんな妄想が大輔を興奮させる。
やがて、彼女は夫にされるままにショーツも脱がされた。
脱がした夫はそのまま彼女の股間に顔を伏せる・・・。
時折、彼の顔が激しく左右に動くのに合わせて、彼女の腰がクネクネと左右に動いているのが目に入り、尚更大輔は興奮した。
大輔の吸っていた煙草はとっくにすべて灰になっていた。
燻んでいた煙草の煙も小部屋からはすっかり消えていたから、もう窓は閉めても構わないはずだったが、大輔はむしろもっと身体を窓から乗り出すようにして隣家の夫婦の性行為を覗く・・・。
妻の股間で顔を左右に振っていた夫が、やおらそれを止めてゴロリと寝転がった。
それを合図にして、人妻は自らの身体を起こし、今度は夫の股間に顔を伏せる。
この位置関係では彼女の口元は全く見えないが、その動きから見て、あの幼さすら感じさせる人妻が夫にフェラチオをしているのは間違いなかった。
(まぁ、夫婦なんだから当然か・・・)
大輔はそう思ったが、あの時見た幼い八重歯の笑顔と、今眼前で繰り広げられている彼女のフェラチオ姿が一致しない。
それほどまでに、隣家の人妻は性行為すらしないのではないかと言う位に幼く見えたのだ。
大輔はそれでも小窓からの光景を楽しんでいた。
彼女の顔が、夫の股間で右に左に動き回る。
そうやって色々な角度から夫のモノに舌を這わせているのだろう。
(あんな幼い顔して・・・テクニックはなかなかのものってことか・・・)
大輔は尚も、幼い顔とのギャップをそうやって楽しむ。
そのうち、左右に忙しなく動いていた人妻の顔がピタリと動きを止めた。
と、思うと今度は激しく上下に髪を振り乱しながら動く彼女の後頭部が見える。
――ジュッポ、ジュッポ・・・
全く音の聞こえない小部屋の中に、隣家の人妻のフェラチオする音が聞こえてくるようだ。
夫は妻のそんなフェラチオを受けながら、時折身体をビクつかせる・・・その姿が、隣家の幼な妻の口淫が上手だと言う事を思わせる。
どうやら隣のご主人はフェラチオが好きなようだった。
大輔は殆ど毎日のように隣家をこの小部屋から覗いている。
すると、今日のように夫婦が全裸で行為に及ぶ日以外にも、一方的に妻が夫へ口で奉仕するだけで終わる日が以外とある事に気が付いた。
隣のご主人がどんな仕事をしているのか知らない。
おそらく大輔よりも若いだろうその男は、SEXはだいたい週1回の週末と決めているようだったが、それ以外にも性欲を持て余すと、お手軽に妻に口で処理させているようで、大輔はそんな夫婦の姿も何度か覗き見ていた。
(やっぱり裸でフェラチオする姿の方が興奮するな・・・)
隣のご主人が、妻にフェラチオだけで抜かせる時には、彼女は可愛らしいピンクのパジャマ姿で夫の股間に顔を伏せる事が多かった。
しかし、今は全裸で夫の股間に顔を這わせている。
触るとスベスベとしそうな白い背中や、幼い顔通りの可愛らしいまぁるいお尻・・・それらを晒した姿でイヤらしく頭を上下させる姿は大輔のお気に入りだった。
(ちくしょう・・・たまんね~な・・・)
大輔は自らの股間が硬くなるのを感じながらそう思う。
そのうちに、彼女は夫の股間で激しく上下させていた頭の動きを止める・・・。
それから、何事か短く夫と言葉を交わすと、今度は夫の股間の上に跨った。
(今日は騎乗位からか・・・)
大輔はそう思いながら片時も目を離さずにその行為を覗く。
隣家の夫婦のSEXは、時に正常位、時に後背位、そして今日のように妻が上に乗る騎乗位・・・様々なバリエーションに富んでいた。
隣家の人妻は、大輔が覗いている事も知らずに恥ずかしい程に貪欲に快感を求めて腰を前後に振り始める。
その動きは、自らのクリトリスを夫に擦りつけるような動きだ。
声は聞こえないが、時折大きく天を見上げるようにして口を開ける彼女の姿が、その快感の深さを物語っている。
自分の上に乗って、卑猥に腰を振る妻の乳房を夫が鷲掴みにしているのが見える。
男性の大きな手でもってしても、すべてを掴みきれないその乳房は、彼女が腰をクネらせる度にベッドのスプリングの揺り返しを受けて、ユサユサと上下に形を変えながら揺れる。
夫が妻の腰を両手で抑えた。
そうしてから、妻の腰を固定して、彼は思い切り妻を下から突き上げる。
一際大きく身体を反らせて大きな口を開ける隣家の人妻・・・。
その喘ぎ声が聞こえないのが心から残念だ。
そのうち彼女は大きく身体を反らせたかと思うと、そのまま前のめりに夫に抱きついて動かなくなった。
(イッたのかな・・・?!・・・)
真偽のほどは解らないが、隣家のSEXはまだ終わらない。
グッタリと抱きつく自らの妻を力任せに今度は夫が組み伏せる。
されるままに仰向けになる彼女。
夫はそんな妻に向けて、容赦なく再び自分のイチモツを捻じ込んだようだ。
チラリと見える彼女の表情が歪んで見えた。
顎が外れるのではないかと心配になるくらいに一瞬大きく開かれた口・・・。
おそらく隣家の寝室には彼女の猥褻な喘ぎ声が絶叫のように響き渡っているのであろう。
それから夫は妻の両膝を掴むと、大輔に見られているのも知らないで、恥ずかしいほど大きく妻の両脚を左右に拡げる。
(丸見えだぜ・・・旦那さん・・・)
大輔に覗かれている事を知らない隣のご主人は、自分のそんな行動が自分の妻の恥ずかしい部分を隣に住む大輔に尚更晒す結果になっている事など知る由もない。
ハッキリと見える訳ではないが、チラッチラッと隣家の人妻の恥ずかしい部分に怒張した男根が出入りする様が見える。
最初は大きなストライドで大きく・・・時間とともにそのストライドはやや小さくなるものの、その代りに出し入れの速度が飛躍的に早くなっていくのが見える。
(そろそろかな・・・)
大輔がそう思った時、隣家のご主人の腰の動きが一際激しくなった。
チラリチラリと見える人妻の表情は、今にも泣き出しそうな顔だ。
それがほんの1分程度続いた後で、2人は突然動きを止めた。
いや、正確には彼女の上に被さる男の腰が少しばかりビクビクと動いていただろうか・・・。
そのまま訪れる静寂・・・近所で啼く鈴虫の声が急に大きく大輔の耳に入る・・・。
そうして、繋がったままでしばらく動きを止めた後で、2人は身体を離した。
上に被さっていた夫が、自分の上から離れるや否や、人妻は夫の股間に顔を伏せ、自分の愛液と夫の精液に塗れたそれを、口でキレイに舐め取っているようだった。
(幼い顔に似合わず、なかなかの淫乱ぶりで・・・)
大輔は舌なめずりをしながら、自分の部屋の小窓を閉めた。
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