行為の最中に僕と電話で繋がる事を渋々了解した妻。
モニターの中では、それを機に、坂井君が妻に覆いかぶさる。
静かな室内。
スエットの中に手を差し込まれた彼の手がモゾモゾと動いて、妻の乳房を弄っている。
(そろそろかな・・・)
僕はモニターを見ながらそう思う。
何が「そろそろ」なのか・・・それは電話である。
この時点で、既に時間は日付が変わろうかと言うくらいに遅かった。
僕だって良い大人なんだから「待つ」と言うことくらい出来る。
しかし、僕はセッカチな性格だ。
――キラキラキラリン・・・
聞き慣れた電子音がモニター越しに聞こえた。
妻のスマホの着信音だ。
ベッドの上で、絡まり合っていた2人の動きがピタリと止まった。
賢明な方には想像できていると思うが、この時の電話の相手は僕だ。
僕は、日付も変わろうかと言う時間になっても、一向に鳴らない自分のスマホに我慢できず、自ら妻へ電話をしてしまったのだ。
「メール・・・ですか?」
キラキラと可愛らしく鳴り響くスマホの方へ目を向けて、坂井君が言った。
「電話の音・・・」
「孝介さんっすかね?」
「たぶん・・・」
「出なくて良いんすか?」
「あ・・・」
ベッドの上で乱れた着衣のまま会話する2人。
妻は、坂井君に促されて、ノソノソとスマホが入っているバッグの方へ移動し、モニターから外れた。
「はい・・・」
それから声だけが聞こえる。
「うん・・・たぶん・・・えっ・・・ヤダ・・・よ」
ベッドの上では、坂井君が1人で綾乃の様子を窺っている。
「でも・・・そんなの・・・恥ずかしいもん」
僕はこの時、妻にセックスは終ったのかと訊ねた。それに対する妻の返答が最初の「うん」だ。次にこれから、もう1回セックスするんだろう?と訊ねた。それに対する返答が次の「たぶん・・・」だ。
それを聞いた僕は、妻にこの電話を繋ぎっぱなしにするように伝えた。さらに、行為の最中でも会話できるように、スマホをスピーカーモードにして枕元に置くように指示したのだ。それに対する妻の返答が「えっ・・・」から後の部分である。
「うん・・・ちょっと待って」
ここで時間を使っても仕方がないと思った僕は、恥ずかしがる綾乃に「坂井君と変わってくれ」と伝えた。それには素直に従う彼女。
「あ、坂井っす」
坂井君が電話に出る。
モニターには誰もいないベッドだけが撮影され続けている。
「いや、今はじめたばっかの所に孝介さんから電話あったんで、まだっす」
綾乃はもう全裸で電話に出ているのか?と訊ねた僕に対する坂井君の返答だ。
「了解っす」
綾乃に伝えたように、スマホをスピーカーにして枕元に置くように話すと、彼はあっさりとそれを了承した。
「コレかな?」
それから、綾乃のスマホを操作しているらしい彼の声。
「孝介さん、聞こえますか?」
「あぁ、聞こえるよ」
モニター越しに、さらにスマホ越しに、少しくぐもった自分の声が聞こえた。あの日、あの時の自分の声・・・少し不思議な感じがする。
「綾乃、綾乃も聞こえる?」
「・・・聞こえる」
これから、何が行われるか、すべてを察した様子の綾乃は、緊張した声でそう言った。
「じゃあ、2人ともさっそく初めてよ」
僕の声が2人をそう促している。
「奥さん・・・」
モニターには、坂井君に手を引かれて、半ば強引にベッドに上げられる綾乃の姿が映った。
それから、言われた通りに枕元にスマホを置く坂井君の姿も。
「孝介さん、携帯、枕元に置いたんすけど、コレで聞こえますか?」
「あぁ、結構ハッキリ聞こえるよ、大丈夫」
「じゃあ、いいっすか?初めても・・・」
「あぁ、頼むよ・・・」
興奮を抑えきれない様子の自分の声。
モニターの中では、再び坂井君の手が妻の胸元を弄り始めた。
「坂井君、黙ってたら解らないから、実況しながら頼むよ」
「実況っすか?」
「そう、時々、今、綾乃にどんな事してるとか伝えてくれれば良いからさ」
「了解っす、とりあえず、今は奥さんの胸を触ってます」
「そうか・・・で、どうだ?綾乃の胸は・・・」
「超柔らかいっす・・・それに、服着てる時には、こんなに大きいと思わなかったっすけど、結構・・・ありますよね」
電話越しに、自分の乳房の批評を交わす、夫と若い男。
カメラと反対の方向を向いてしまっている妻の表情は全く解らないが、おそらくこの上ないくらい恥ずかしい表情をしているに違いない。
「そんなに大きいか?」
「思ってたより、ずっと大きいっす」
「着やせするのかなぁ、俺はあんまり思った事ないけど」
「そうっすかね」
「綾乃、坂井君に胸のサイズを教えて上げなよ」
「えっ!?」
僕と坂井君の会話を無言で聞きながら、されるままに胸を揉ませていた綾乃。
その綾乃を会話に引きずり込む僕。
「坂井君に胸のサイズ教えてあげてって言ったの」
「・・・・・」
「何カップだっけ?」
勿論、僕は妻の胸のサイズを知っている。
だが、それをわざわざ、坂井君の前で自分の口で言わせたいのだ。
「C・・・とか」
「とかって何だよ~」
「だって・・・下着のメーカーとかによって・・・違うんだもん」
「あ、そう言うもんなの?」
「うん・・・」
「だってさ、坂井君」
僕は坂井君に会話を振る。
「BとかCとかよく解んないっすけど、よく80とか90とか数字で言うじゃないっすか」
「あぁ、それはどうなの?綾乃?」
「それも、下着によって違うもん」
ベッドに横たわり、若い男に胸を揉ませながら、自分のバストサイズについて語る妻の姿がモニターに映っている。
「ふ~ん、じゃあ、70とかの下着も持ってるの?」
「76くらいのはあったと思う」
あからさまにセックスの話題を振られるよりは応えやすいのか、比較的スラスラと答える妻。
「小さくないの?」
「Dカップのやつだから・・・」
「え、Cじゃないの?」
「だからメーカーによるの・・・」
「へぇ、じゃあ、逆にBのやつも持ってるの?」
「あったと思う・・・」
「それは小さくないの?」
「Bだと86とか88とか買うから・・・」
結構、適当らしい女性のバストサイズ。
「綾乃が一番たくさん持ってるサイズは何さ?」
僕はそろそろ、この会話を終わらせたくてそう訊ねる。
「Cのやつ・・・」
「Cの?」
「Cの82とか84とかが多い・・・と思う」
「ふ~ん」
あらためて、こんな会話をすると、知っていたつもりでも案外と知らなかった妻のバストサイズ。想像しやすく言うと、妻の胸はパイズリをするのにギリギリ・・・と言った程度の大きさだ。片手だと少し余るだろうが、見た感じ、そう巨乳と言う訳でもない。
「坂井君、今、何してる?」
「あ、2人の話聞きながら、まだ胸触ってたっす」
「そうか、邪魔して済まないね、少し大人しくするから、先へ進めてよ」
「了解っす」
バストサイズについての会話が終わり、僕が彼にそう言うと、モニターの中で彼は綾乃の服を脱がし始めた。
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