大人しく、坂井君の希望に従って、彼の上に跨った妻だったが、さすがに、先日僕との行為で見せたように激しい腰の振りを最初から見せる事はなかった。
それでも、若い男の上に跨って、前後に腰を振る妻の姿を見ていると、大変な興奮を覚える。
どうしても、SEXは女性が受け身になりがちだと思うが、騎乗位だけは、女性が積極的に快楽を求めているのがありありと解るからだ。
今、坂井君に跨っている妻は、腰の動きをピタリと止めてしまう事だって出来るのだ。
それをしないと言うのは、取りも直さず、腰を動かす事で快感を得たいと思っているからに違いない。
その事実だけで十分に興奮できる。
そんな変態的思考に陥っている僕を他所に、モニターの中で、その行為は着々と進んでいく。
「あっ・・・あっ・・・」
正常位の時と比較すると控えめではあるが、自分の腰の動きに合わせて喘ぐ妻の姿。
残念ながら、坂井君のモノが妻の中に収まっている様まで見えるほど鮮明な映像ではないけれど、まさかここまで来て「挿入しているフリ」なんてする訳もないし、第一、それでは妻の気持ち良さそうな表情に説明がつかない。
――ギッ・・・ギッ・・・
坂井君の部屋の小さなベッドが軋み始めた。
妻の腰の動きは、最初よりも少し激しさを増している。
「あっ・・・あっ・・・あっ・・・」
黙って見ていると、その動きは段々と激しさを増しているのが解る。
鮮明ではないけれど、恥じらいと快感の入り混じった表情が時折モニター越しに確認できる。
「はぁーっ」
と、大きく、坂井君が息を付いた。
それから、彼はすぐに妻の腰を両手で掴む。
――ギッ、ギッ、ギッ・・・
「あっ・・・あぁっ・・あぁっ」
坂井君は両手で妻の腰をつかむと、強制的にさらに激しく、彼女の腰を前後させ始めた。
堪らず、大きく喘ぎながら、坂井君の胸に置いた両手に体重をかける妻。
それでも、腰だけは彼の力によって前後に激しく動かされ続ける。
――ギッ、ギッ、ギッ・・・
「あぁっ・・あっあっ」
それからしばらくして、坂井君は両手を妻の腰から離して大の字になった。もう強制的に腰を前後させられている訳ではない。
――ギッ、ギッギッ・・・
「あっあっ・・・あっ」
しかし、妻の腰の動きは激しさを失わなかった。
坂井君に強制的に腰を掴まれて前後させられている時と同じくらい・・・ひょっとするとそれ以上に激しく腰を前後させる妻。
「あっあっあっあっあっ」
腰の動きに合わせてひっきりなしに漏れる喘ぎ声。
――ギッギッギッ・・・
壊れてしまうのではないかと心配になるほど軋むベッド。
「あぁ・・・奥さん・・・スゴいっす」
呟くような坂井君の声。
「あっ・・・あぁっ・・んっ」
それに答える事もなく喘ぎ続ける妻。
腰の動きは、単なる前後運動から、少しクネるような動きも交えるようになっている。
綾乃は、僕との行為でもそうだが、騎乗位に夢中になってくると、秘穴には男根を咥え込んで「中」を刺激しつつ、ああして腰をクネらせるようにして、クリトリスを擦りつけるような仕草を見せる。
そうやって「中」も「外」も同時に気持ち良くなろうとする動きを見せるのだ。だけど、その事を、僕が指摘すると「それは自分の意思ではない。勝手にそのように動くのだ」と言い訳する。
(そんな訳ないだろう)
僕は今日までそう思っていたけれど、今、モニターの中でイヤらしく腰をクネらせる妻の姿を見ていると、あながち嘘ではないような気がしてくる。
つまり「勝手に腰が快感を求めて動く」と言う現象が起こっているのではないかと思うのだ。
そんな漫画みたいな事・・・と思うかもしれない。実際に僕もそう思っていた。けれど、その考えを改めさせるのに十分なほど、モニター内の妻は、普段の彼女からは想像できない程、貪欲に快感を求めて腰を振っているのだ。
「あ・・ダメ・・・あ・・・ダメ・・・」
小さな声で、妻がそう言った。そう言いつつも腰の動きは激しいままだ。
「イキそうっすか?奥さん・・・イキそうっすか?」
妻の小声を聞いて、坂井君がすかさずそう確認する。
「ダメ・・・あ・・・や・・やぁ・・・っ」
ダメと言いながらも腰を振って快感を得続ける妻。ダメなら腰の動きを止めれば良いものだが、それが出来ないらしい。
「イッていいですよ、奥さん。イッて・・・イッて」
そう言いながら、クイッと少し腰を突き上げるような動きを見せる坂井君。
「あっ・・・あぁぁぁっ」
その少しの突き上げで、彼女にはトドメになったようで、一際激しく声をあげる。
「ダ・・あ・・ダメ・・・も・・・イク・・・イッちゃう・・・イク・・・あぁぁっ・・・っ・・んっ・・・あっ・・・あぁぁ・・・」
イク・・・と最後に小さく呟くと、大きな喘ぎ声をあげながら、妻の身体は坂井君の上で反り返った。
その後「んっ」とお腹に力を入れた時に漏れるような声をあげながら、大きく彼の上で跳ねる妻の身体。
最後に「あぁぁ・・・」と尻すぼみな喘ぎ声をあげながら、彼女はパッタリと坂井君の胸元に倒れて動かなくなった。
「奥さん・・・イッちゃいました?」
その耳元で坂井君が意地悪く訊ねる。妻の姿を見ていれば、それは一目瞭然なのだから、確認する必要なんてないのだ。
「奥さん・・・イッたんすか?」
それでも、耳元でそう確認する坂井君。
しばらく、はぁはぁと乱れた呼吸のまま、坂井君の上に倒れ込むようにして動かなかった妻は、坂井君が3回同じことを訊ねた時、小さく頷いた。
妻が騎乗位で果ててしまう事は、比較的珍しい事でもあった。
全くないと言う訳でもないけれど、4~5回のセックスにつき1回あるかどうかと言った程度だ。
妻に言わせると「気持ち良いんだけど、恥ずかしいから集中できない」のが、その理由だそうだ。
(じゃあ、これはどういう事だ?)
坂井君の上で、激しく腰を動かす行為が、彼女にとって「恥ずかしくない」はずはない。
(恥ずかしさを上回るほどの快感だったってことか?)
モニター越しに、騎乗位で激しく果てる妻を見て、それをどう受け止めたら良いのか考える僕。
しかし、モニターの中では、そんな僕にはお構いなしに、坂井君が力の抜けた妻を裏返して仰向けにすると、すぐさま、彼女の秘穴に自分のモノを捻じ込んだ。
「あっ・・・あっ」
モニターの中の妻の心理状態を把握できないでいる僕の耳に、再び妻の淫靡な喘ぎ声が聞こえ始めた。
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