モジモジと小さく、不規則に左右に蠢く妻の尻。
この動きが何を意味するのかを、坂井君は勿論知らない。
それに、ごく小さな動きだから、ちょっと見ただけでは妻の尻がそんな風に動いている事には気が付かないかもしれない。
だけど、今は、彼が妻の尻を抱えるようにして愛撫している。
蠢く妻の尻は、彼の顔を跨いでいるのだ。
さすがに、これだけ近くで見れば、最初は黙って自分の顔を跨いでいた妻が、今は小さく腰を動かしている事に気が付いたはずだ。
――ゴソゴソ・・・
案の定、彼は上半身を起こすと、妻の尻を避けるようにして、シックスナインの終了を妻に告げた。
それから、やおら枕元に手を延ばすと、小さな包みを手に取る。コンドームだ。
彼はその包みの封を切る。それから中身を取りだして、股間に屹立する自分のモノに両手を沿え、コンドームを装着する。
そう長い時間ではなかったけれど、その間に妻は、コロリと仰向けに寝転がり、両膝をピタリと閉じたままで動かない。
何を考えて、どこを見ているのか・・・ただカメラとは反対を向いて、全裸のままで寝転ぶ妻の姿がモニターには映り続ける。
――ギッ
やがて、コンドームを装着し終えた坂井君は、ピタリと閉じた妻の両膝を持ち、左右に開いた。スッと抵抗なく開かれる妻の両膝。
「あっ・・・はぁっ・・・ぅ」
グイッと坂井君が腰を前へ進めると、妻の口から切無げな声が漏れた。快感でもないし・・・勿論、苦痛でもない・・・僕の耳には「待ち望んだモノ」がようやく侵入してきた時の声に聞こえた。
――ギッ・・・ギッ・・・
簡易な造りの狭いベッドは、彼が腰を動かすと容易に軋む。
「あっ・・・あっ・・・」
それを控えめな妻の声がかき消す。
――ギッ、ギッ、ギッ・・・ギシィっ
「あっ、あっ、あっ・・・あぁ」
時折、激しく動いてベッドを軋ませては、ゆっくりとした動きを織り交ぜる坂井君。隣家に気を配りながらのSEXと言うのも大変なものだ。僕だって同じような経験はあるけど、もう結婚して久しい。こんな感覚は忘れ去ってしまっていた。
「んぅ・・・んむぅ」
やがて、妻の声が悦に入ってくると、坂井君は自らの唇で妻の唇を塞いだ。それでも、漏れる苦しげな声が、彼女の快感を伝える。
――ゴトゴトっ
急に、大きな音がして画面が乱れた。坂井君がカメラを手に取ったらしい。
それからすぐに、目の前にはユサユサと揺れる妻の乳房が映った。
「ぃ・・やぁ」
これまでは枕元に置いてあったカメラが、目の前に来て、声にならない声で恥ずかしがる妻。
「・・あっ・・・あっ」
それでも、坂井君が腰を動かすと、グイッと背を伸ばすようにして喘ぐ。
――ギッギッ・・・
画面には、目を硬く閉じて、まるで苦痛に耐えるような表情を見せながらユサユサと揺れ続ける妻の姿が延々と映される。
「あ~、奥さん、気持ち良いっす」
その光景にも飽きてきた頃、坂井君の声が入った。
「奥さんはどうっすか?」
「あっ・・・あっあっ」
「気持ち良いっすか?」
「あっ・・・あっ・・・・」
「気持ち良くないっすか?」
「あっ・・・きっ・・・気持ちいい・・・」
短い会話でも、何だか生々しさが伝わってくる。
――ギッギッギッ・・・
「あっあっあっ・・・あぁっ」
綾乃の口から「気持ち良い」と言うセリフを聞くや否や、激しく動き出す坂井君。映像はブレブレだけど、激しく揺れる妻の乳房が何とか見て取れる。
「あっあっあっあっあっ・・・」
腰の動きに合わせて、規則正しく喘ぐ妻。
「奥さん、後ろから・・・いいっすか?」
やがて、激しく動く事に疲れたのか、坂井君がそう言いながら、秘部から自分のモノを抜いた。
何も言わず・・・無言のままで、ノロノロと身体の向きをかえて、妻が四つ這いになった。本当に・・・何の拒否も見せずに。
モニターには、坂井君に向けて突き出された妻の白い尻。
左手を自分のモノに沿えて、その尻の中心部に狙いを定める坂井君。
――ヌチッ
いやらしい音とともに、彼の屹立したモノが綾乃の中へ一気に飲みこまれる様が映った。
「あっ!」
同時に、一つ大きく声を上げる妻。
「あっ、あっ・・・あっ」
モニターには、四つ這いになって若者に突かれる妻の姿。坂井君が手にカメラを持って撮影していて、比較的近距離の撮影だから、ネチャネチャとした卑猥な音までハッキリ聞こえる。
(綾乃・・・綾乃ぉ・・・尻の穴まで丸見えじゃやないか・・・)
自分で差し出しておきながら、若者に尻の穴まで見える恥ずかしい格好で突かれる妻を見て嫉妬が止まらない。
――ゴトゴトっ
SEXに集中できないのか、再び、元の枕元にカメラを据える坂井君。今度は後ろから突かれる妻の姿を斜め前から見る構図になる。
「あっあっ・・・あっ」
それに気が付いて、カメラと反対方向に顔を向ける妻。感じている表情を撮られまいとしているのかもしれないが、表情など見えなくても、その声を聞いていれば、妻が感じていることなどお見通しだ。
――パン、パン、パンッ・・・
隣家に聞こえそうな大きな音が聞こえた。坂井君が、妻の尻に自分の腰を打ち付ける音だ。
「あんっ・・・あっ・・・あんっ」
これも、隣家に聞こえそうな声で喘ぐ妻。もう隣家の事など気にも留めていないようだ。
――パン、パンッ・・・
「あっ・・・あんっ」
両手で妻の尻をガッチリと持った坂井君は、そこに向けて狂ったように腰を打ち付ける。
四つ這いになって、それを甘んじて受ける妻は、両手をベッドに付き、何とか自分の体重を支えている。
「あっあっ・・・あんっ」
そして嬉声をあげながら、身体の下で自らの乳房を揺らす。
しばらくこの構図は続いたが、やがて、激しく動くことに疲れた坂井君は、再び綾乃の身体から離れた。
「はぁはぁ・・・」
肩で呼吸をしながら、ペタリと俯せになる妻。ベッドに押しつぶされてムニュリと形を崩している乳房がイヤらしい。
「奥さん、上になってもらって良いっすか」
そんな彼女に、坂井君は容赦なくそう言う。
「はぁはぁ・・・」
それでも、乱れたままの呼吸で、健気に身体を起こす妻。
入れ替わりに、仰向けに寝転ぶ坂井君。
ゆっくりと、その彼に跨る妻。
右手で彼のモノを手に取り、自分の秘穴に誘う・・・。
「あっ・・・はぁ・・んっ」
それを、ゆっくりでなく、一気に自分の体内に収めた綾乃は、天井を仰ぎ見るような仕草を見せた後で、彼の胸元に両手を置き、ゆっくりと腰を前後に動かし始めた。
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