薄々思っていた事ではあるが、前回の妻とのセックスで、一つだけハッキリした事がある。
それは、僕が思っている以上に妻は「女として開発されている」と言う事だ。
もう30台も半ばだし、当然と言えば当然なのだが、僕と結婚するまでの妻はフェラチオは異常なほどに経験豊富だったが、セックスそのものの体験数は豊富でなかった。その事は、これまでに書き続けてきたお話を読んでくれている方であればご存じのことと思う。
だから、結婚しても、やれ「明るい所でエッチするのは嫌だ」とか「そんな事(卑猥なこと)は言えない」とか「自分からエッチしたいなんて言えない」とか、まるで女子高生のような事を言っていた。
それが、野本さんや坂井君と「異常な性関係」を強制的に持たされる事で、心の内はともかく、身体だけは着々と開発されていたに違いない。
それが、前回の行為で爆発したのだろうと思う。
そうでなければ、綾乃が自分から、例え遠回しにでもセックスに誘ったり、あんな風に動物のようにイヤらしく腰をグラインドさせたりはしないはずだし、何より僕の性癖に積極的に付き合おうなんて発想には絶対に至らないはずだ。
つまり、一言で言うなら「エロい女」になった妻。
そんな妻に僕の思いは複雑だった。
(言葉では俺以外とのセックスを拒否しながらも、実は他の男とのセックスを望むようになったのではないか)
そんな思いが頭から離れない。
僕は複雑な思いを抱えたまま、それでも、自分の性癖をどうする事も出来ずに、最初の予定通り、次の週末に坂井君へ綾乃を貸し出した。
「じゃあ、行ってきます・・・」
決して積極的にではなかったけれど、綾乃は全く拒否する事なく、土曜日の午前中に出かけて行った。そこから最寄の駅で坂井君と待ち合わせて、明日の午後、ウチに帰宅するまでの間、綾乃は彼のモノになる。
僕も仕事は休みだったから、車で坂井君の部屋まで送ってやる事も出来たけど、あえてそれをしなかった。
最初から最後まで、僕は全く介入しないまま、ただ綾乃が持ち替えるビデオ映像を見る方が興奮するに違いないと考えたからだった。
左手に簡単な着替えなどが入ったバッグを持つ綾乃を見送る僕。そのバッグの中には、ビデオカメラと替えのバッテリーも入っている。
(あぁ、早く帰ってこないかな)
段々小さくなる妻の後ろ姿を、子供と2人で見送りながら、早くも僕は待ちきれない気持ちになってくる。
綾乃を貸し出すにあたって、坂井君にはいくつかの条件を伝えていた。
まずは「顔射」だ。
これは、既に綾乃の了承を得ているから、坂井君が失敗さえしなければ容易に実現できるだろう。
それから「1回だけでも良いから、ベッド以外で行為に及んでほしい」と言う注文もつけた。ベッドの上で撮影する映像なんて、あまり変わり映えしないものだ。僕は綾乃を「貸し出した」のだと言う実感を得るために、決して普段の彼女が裸になるはずもない場所で卑猥な行為に及んでほしいと願った。
そして、最後のお願いは「セックスの最中に俺の携帯に電話させて欲しい」と言う事だ。直に見ていると坂井君が勃起しなくなってしまうけれど、犯されている最中に妻と僕が電話で話すくらいのことなら大丈夫だろうと思ったのだ。
僕はコレに「綾乃が痛がったり、苦しがる事はしない」「綾乃が本気で嫌がる事は無理強いしない」の2点を付け足した。
「綾乃には良く言っておくから、一晩好きに楽しんでよ」
それから、そう彼に伝えた。
「ただいま・・・」
綾乃が小さな声でそう言いながら帰宅したのは、予定通りに日曜の昼過ぎだった。
※※※
「あのねぇ、昨日の夜はパパと焼肉屋さんに行った!」
綾乃が一晩家を空けることなんてないから、彼女が帰宅した時、子供は待ち構えていたように色々と話しはじめた。
「そうなの?ママも食べたかったなぁ」
「今度は一緒に行こうね!」
そんな子供を相手にしている妻を見ていると、とても俺以外の男に遊ばれて帰ってきた直後とは思えない。
優しく母の顔を見せて子供に接する綾乃。
それを見ながら、脳裏には坂井君に弄ばれて嬉声をあげる綾乃の姿を浮かべる。
そのギャップが、僕の異常性欲をかきたてる。
「綾乃、カメラ・・・ちょうだい」
僕は子供とじゃれ合っている彼女にそう声をかけた。
「うん・・・」
素直に、持っていったバッグに手を延ばす彼女。
「どうだった?」
子供の前で言える事などないのかもしれないが、そう訊ねずにはいられない僕。
「うん・・・」
「予定通り?」
「・・・だと・・・思う」
「そっか」
「ちゃんと撮れてるかな」
「わかんない、見てないもん・・・そんなの」
「そうだよね、ちょっと確認してくるよ」
僕はそう言い残すと、カメラを持って自室に入った。
早速、カメラとパソコンを接続して、この一晩の綾乃の姿を確認しようとした時、自分の携帯にメールが届いている事に気が付いた。
坂井君からだった。
《奥さん、今、無事に帰りました。たぶん、奥さんが嫌がるような事はしてないと思うんですけど、もし怒っているようならごめんなさい》
そんな内容だった。
《怒らせるようなことしたの?》
僕は短くそう返信する。
答えはすぐに戻ってきた。
《そんなつもりなかったんですけど、帰るときにめちゃくちゃ暗い表情だったんで、何か怒らせるようなことしちゃったかもと思って》
《あぁ、それなら大丈夫。綾乃はこういう時、終わった後で自己嫌悪に陥るんだよ。別に坂井君に怒ってる訳じゃないから気にしないで》
心配する坂井君を安心させようと、そう返信する。
《そうですか。良かったです。奥さん、僕の部屋片付けてくれたんで、むしろ逆にキレイすぎて今、落ち着かないです(顔文字)》
(へぇ、坂井君の部屋、片づけてきたんだ)
セックスの事ばかり考えていたけど、僕以外の男の世話を甲斐甲斐しく焼く妻を想像すると、それはそれで嫉妬する。
《片付けだけ?》
おそらく妻が坂井君の部屋を片付けたりする姿は映像には映っていないだろう。僕はそんな映っていない綾乃の姿を彼に訊ねてから、彼らの卑猥な映像を見ることにした。その方が、ただ見るよりも興奮するかもしれないと思ってのことだった。
《昨日の晩飯も、今日の朝飯も作ってくれました。感動しましたよ》
1人暮らしの長い彼には、そんな事だけでも感動ものらしい。僕ももう少しその辺を有り難いと思わなければなるまい。それよりも、朝食はともかく、夕飯が作れるほどの食材が1人暮らしの冷蔵庫にあった事に驚きだ。僕が独身の頃は、冷蔵庫にはビールくらいしか入ってなかった。
《僕は、どっか外で飯食おうって言ったんですけど、奥さんが作ってくれるって言うんで、2人で近所のスーパーに買い物に行きました。》
僕の疑問にそう返答する坂井君。
脳裏には、まるで夫婦のように買い物する2人の姿。
綾乃にしてみれば、そう親しくもない坂井君と2人の時間を持て余して、掃除や料理をしたのかもしれないが、結果的にそれが僕の興奮につながる。
《他には?》
僕はもっと僕を嫉妬させて欲しくて、坂井君にメールを送りつづける。
《風呂で背中も洗ってくれましたよ》
どうやら綾乃は、坂井君の背中まで流してやったらしい。すごいサービスだ。
《一緒に風呂入ったの?》
すかさずそうメールする僕。
《いや、一緒に入ろうって誘ったんですけど断られちゃって、代わりに背中流してもらっちゃいました。すいません。》
なるほど、それなら納得できる。綾乃は僕と風呂に入るのも恥ずかしがるから、坂井君と簡単に風呂に入る訳がない。
《背中だけか?(笑)》
フザケながら、そんなメールを返信してみる。
《いや、ちょっとだけ、前も洗ってもらっちゃいました。すいません。》
《前ってチ○ポってこと?》
《そうです。すいません。》
《謝ることないけど、それ、ビデオに撮ってある?》
《風呂場に持っていったらカメラ壊れるかもしれないんで、そこは撮れてないです。》
すると、撮影していないにも関わらず、綾乃は坂井君のモノを洗ってあげた訳だ。
《撮影してないんなら、もう少し詳しく教えてよ!》
撮影していないところで綾乃が何をしたのかが気になる。
《背中流してもらってる時に、ちょっとフザけて「奥さん、こっちも」って言ったら、洗ってくれたんです。ほんと、ちょっとだけですよ。》
《立っちゃったろ(笑)》
《背中の時点で、とっくに勃起状態です(笑)》
《よく洗ってもらうだけで我慢したな。俺ならその場で襲い掛かるかも(笑)》
《いや、もうソッコーで風呂から出て・・・そっから後は撮影してあるんで見てください》
どうやら、石鹸のついた手で綾乃に男根を洗ってもらった坂井君は我慢しきれずに綾乃を犯したらしい。その様子は撮影してあると彼は言う。
《了解。》
僕は短くそう返信して、早速、カメラとパソコンを接続した。
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