(やばっ)
あまりにしつこく言い過ぎて、妻を怒らせてしまったのかと、一瞬、そう思ったけれど、そうではなかった事はすぐに理解できた。
――ヌルっ
次の瞬間には、妻が勢いよく、一気に僕の怒張した男根を咥えたからだ。
――クップ、クッポっ・・・ジュポっ
それから、咥えたままで、思い切り激しく頭を上下させ、卑猥な音とともに僕のモノに快感を与え始める。
「ちょっ・・・」
不意を突かれて驚く僕。しかし、快感には抗いがたく、股間で上下する妻の頭を見下ろしたまま何も言えない。
――クッポクッポクッポ・・・
いつもは徐々に激しさを増す妻のフェラチオ。
それが、今日は咥えるや否やこの激しさ。
しかも、髪を振り乱し、狂ったように激しく頭を上下させるものだからたまらない。
(こ、このままじゃ・・・)
遠くから、薄らと射精感が近づいてきたのを感じた時、妻は頭の上下を止め、右手で男根を握ったまま、僕を見上げる。
「コレ・・・入れて?」
そして、小さな声でそう言った。
――ヌリュっ・・・グチュっっ
戦いは完全に僕の敗北だった。
妻のその行動で、一気にテンションの上がった僕は、襲い掛かるように妻を押し倒すと、無言のままでヌルヌルになっている妻の秘穴に、自分のモノを捻じ込んだのだ。
「あっ・・・あっぁぁぁっ」
大きな喘ぎ声をあげながら、両手を広げて僕に抱きつこうとする妻。
僕はその妻を思い切り抱きしめて、無言のままで腰を激しく動かした。
「あぁっ・・・あっ・・・あっぁっ」
「きっ・・・気持ちっ・・・いいかっ」
「きっ・・・気持ちっ・・・いいっ」
――グッチュ、グッチュ、グッチュ・・・
「あっあっあっ・・・あぁっ」
「さっ・・・坂井君と・・・どっちが・・・いい?」
「こ、孝介っ・・・孝介の方が・・・っ」
「坂井君のチンポの方が気持ち良いんじゃないのかっ?」
「あっ・・・あっ・・・こ、孝介・・・孝介・・・のおチンチンの方が・・・あっぁぁっ」
「俺?俺の何?」
「孝介の・・おチンチンの方が・・・いいっ・・・気持ちいいっ」
――ギシッ・・・
僕は妻に抱きついたままで、彼女の身体を持ち上げた。勢いに任せて、激しく腰を振りまくっていたから、少し疲れてきた。
騎乗位で少しだけ休ませてもらおうと思ったのだが、そんな考えは甘かった。
――ギシッ・・・ギシッ、ギシッ、ギシギシギシギシっ
綾乃は上になるや否や、僕も驚くほどの勢いで腰を前後に振り始めた。いつもは僕に腰を掴まれて、前後に動かすように促されて、ようやく激しさを増してくるのに、今日はいきなりこの激しさだ。
「あっあっあっあっ・・・」
狂ったように腰を前後にグラインドしながら、両手は僕の胸に置き、顔は天井を見上げるようにして喘ぐ妻。
ここまで激しい騎乗位は、最近ではちょっと記憶にない。
「おっ・・・お、綾乃っ・・・は、激しい・・・」
「あっあっあっ・・・・あっあっあっ」
「こ、興奮してんだろ?」
「あっあっあっ・・・きっ・・・気持ちいいからっ・・・あっ」
「そんな風に激しく腰を振る綾乃の姿を坂井君が見たらどう思うかな?」
「あっあっ・・・あっ・・・」
「今度坂井君にも見せてあげようよ、綾乃のそのイヤらしい姿・・・」
「あっ・・・あっあっ・・・・やっ・・・やだぁっ・・・あっ」
――ギシッ
妻の腰の動きは、まだまだ激しかったけれど、僕はセックスの主導権を握り返すために、再び彼女を押し倒し上から覆いかぶさった。
――クチュクチュクッチュ・・・
それから、間髪入れずに腰の動きを開始する。
「あっ・・・あっあっあっ」
「あぁ・・・綾乃ぉ・・・気持ちいい・・・気持ちいいよ」
「あっあっ・・・わたっ・・・私っ・・・もっ」
「綾乃ぉ、綾乃ぉ・・・愛してるよ」
「私もっ・・・あ、愛して・・・愛してるっ」
――グッチュ、グッチュ、グッチュ・・・
股間からは、尚一層激しく粘着音が聞こえる。
「綾乃が他の男とセックスするたびに、もっともっと好きになっていくよ」
「あっあっあっ・・・あっあっ」
「おかしいだろ?でも、自分でもどうしようもないんだよ」
それは正直な気持ちだった。目の前の妻を僕は間違いなく愛している。普通なら、他の誰にも取られたくないと言うのが当たり前なんだと言うのも十分承知している。
でも、この性癖はどうする事もできないのだ。
自分の大切な妻が、自分以外の男に弄ばれる。或いは、僕以外の男に性的な喜びを妻が与えられる。その姿を見て「誰にも渡したくない」と言う気持ちがなお一層強固なものになる・・・それもまた正直な気持ちだった。
「おかしな性癖でごめんな、綾乃・・・ごめんな」
快感のためなのか、何なのか解らないが、無性に妻に申し訳ない気持ちになってきたから、僕はその気持ちを伝えながら妻を抱き続ける。
「あっあっあっ・・・・」
聞こえていないはずはないけれど、僕の言葉には何も反応せずに、ただただ喘ぎ続ける妻。
そんな妻の胸に顔を埋めて、乳房に顔を挟まれるようにしながら、腰を振り続ける僕。
僕の頭を優しく抱きしめてくれる妻。
「綾乃、綾乃、愛してるよ・・・ごめんな」
「あっ・・・あっぁ・・・だ、大丈夫・・・だからっ」
「・・・・・」
「私っ・・・・あっあっあっ・・・大丈夫・・だからっ」
「他の男とエッチするの・・・嫌だろ?」
「あっ・・・あっ・・・そ、それは・・・そうだけど・・・っ」
「ごめんな・・・っ」
「そ、それでっ・・・こ、孝介がっ・・・ま、満足するんだったら・・・私っ・・・頑張るからっ・・・」
「ほ、ホントに?」
「あっあぁ・・・で、出来ないっ・・・こともっ・・・あるかもしれないけど・・・っ・・・頑張るからっ」
「俺以外にフェラチオするのは?」
「がっ・・・頑張るっ・・・っ」
「俺以外に入れられるのは?」
「頑張るっ」
「綾乃~、ありがとう・・・綾乃~」
――パンッ、パンッ、パンッ・・・
腰の動きはさらに激しさを増した。
「あっん・・・んっ」
ハッキリと、妻が僕の性癖に理解を示してくれたのはこれが初めてだと思う。それまでは理解できないまま、いやいや付き合わされていたのだ。
勿論、今だって、きちんと納得できた訳ではないだろうが、少なくともこんなおかしな性癖を僕自身がどうする事も出来ないのだと言う事は理解しただろう。
そして、それに付き合う覚悟も、今、決めてくれたに違いない。
(そう言えば・・・)
この時の僕は、決して冷静ではなかったけれど、こんな場面で何だが、ふと、坂井君との約束を思い出した。
「坂井君が、綾乃に顔射してみたいって言ってたことがあるんだけど、出来る?」
「あっあっあっ・・・が・・・顔・・・え?」
「顔射・・・前に教えたことあったでしょ?顔に射精するんだ」
「それをすると・・・孝介・・・興奮するの?」
「・・・たぶん」
「・・・あっ・・・じゃ・・・じゃあ・・・・が、頑張る・・・っ」
「いいんだね?いいんだね?顔中、坂井君の精液塗れにされて・・・いいんだね?」
「あっあっあっ・・・あっ・・・が、頑張・・・るっ」
「じ、じゃあ・・・来週末に1泊で綾乃を坂井君に貸し出すよ?いいね?」
僕は勢いに任せてそう言った。
これは今思いついたことではない。
どうにか坂井君を緊張させずに、僕も楽しめる方法を考えている時に、既に思いついていたことだ。
ビデオカメラと綾乃を坂井君に一定期間預け、坂井君には十分に楽しんでもらう。ただし、その様は逐一、カメラに記録してもらう・・・それが、今度の趣向だった。
「貸し・・・出す?」
だが、綾乃はそんな事は全く知らないから、具体的に何をすれば良いのか解らずに、快感に悶えながら、訊ね返す。
そんな彼女に、僕は腰の動きは止めないままで、簡単に趣旨を説明した。
「あっ・・・と、泊まるの・・・?坂井君のお部屋に?」
「そう・・・」
「こ、孝介は・・・?・・・あっ・・・あっ」
「後で撮影した映像を見せてもらうよ・・・だから・・・」
「あっ・・・あっ・・・あっ・・・だ、だかっ・・・ら?」
「いっぱい、イヤらしい姿を坂井君に撮影してもらってきてくれるね?」
「あっ・・・・あっ・・・・あっ・・・・・あっ・・・」
「坂井君のおチンチンを咥えてるところ・・・撮影してもらえるね?」
「あっ・・・あっ・・・が、頑張るっ」
「坂井君に入れてもらうところも・・頑張れるね?」
「あっ・・・うっ・・うんっ・・・うんっ」
「坂井君に後ろから入れられてる姿も・・・撮影してきてね?」
「うんっ・・・うんっ・・・あ・・・イク・・・イキそう・・・」
「さっきみたいに、坂井君の上で激しく腰を動かす姿も・・・撮影できるでしょ?」
「あっ・・・それっ・・・はっ・・・あっ」
「できるよね?」
「あっ・・・あぁ・・・イク・・・イク・・・」
「どうなの?」
「が、頑張るっ・・・頑張るぅ・・・」
「それから、最後は顔に思い切り精液をかけてもらうんだ。出来るね?」
「うんっ・・・うんっ・・・頑張るぅ」
「顔射される時は、綾乃のほうから坂井君にお願いするんだよ?」
「あっ・・・え?・・・・どう?・・・」
「綾乃のお顔にかけてって言うんだ」
「あっ・・・そんな・・・」
「今、言ってごらん?」
「あっ・・・イク・・・イキそうだよぅ」
「じゃあ、ほら、早くっ」
「か、顔に・・・」
「綾乃の顔にかけてっ!って!言ってごらん!」
「あっ・・・あっ・・・あっ・・・イク・・イク・・・」
「早くっ!」
「あ、綾乃・・・の・・・お顔に・・・かけて」
「もっと!」
「あぁぁっ・・・綾乃のお顔に・・かけてっ」
「もっと!」
「綾乃のお顔にっ・・・・あぁ・・・イクっ・・・イクっ」
「っ!」
綾乃がビクビクっと身体を痙攣させるのを見届けると、僕は自分のモノを彼女の中から引き抜いた。
それから、躊躇う事なく、自分のモノを握りしめたままで妻の顔へ移動する。
「う・・・イクっ」
それから、一言短くそう呻きながら、湧き上がってきた精液を思い切り綾乃の顔に吐き出した。
(来週も、こんな風に顔中精液塗れにされるんだな・・・坂井君に)
僕は自分の精液に塗れてドロドロになった、最愛の妻の顔を見下ろしながら、そう思った。
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