「んっ・・・」
綾乃はゆっくりと坂井君のトランクスを脱がせると、とっくに怒張している彼のモノに、やはりゆっくりと舌を這わせ始めた。
しかし、そのゆっくりとしたフェラチオは、僕に対する恥ずかしさと言うのとは違って、どうやら「休憩」を兼ねているように見える。
まぁ、ほんの数分前に、目の前の若者の指と舌で果てたばかりだし、それは仕方がない事だろう。
「・・・・・」
そんなゆっくりとした舌の動きにも関わらず、坂井君は天井を見上げるようにして、快感に耐えるような表情を見せる。
(今日はもうちょっと頑張ってくれよ)
あんまり早くに射精しては勿体ない。これまでは仕方がないにしても、今回は妻のフェラチオを受けるのも3回目だし、頑張ってもらいたいと思う。
――レロっ・・レロっ
妻は妻で、休憩も兼ねているから、激しいフェラチオは見せないけれど、それでも万遍なく彼のモノを舐めまわすあたり、かなり恥じらいも薄くなってきているようだ。
(今日は俺も居るし、セックスする覚悟は出来てるんだろうな)
そんな風に思う。
前回、カメラ越しに見た綾乃は、比較的ハイペースで彼のモノを口で奉仕していたように思う。そうやって、口で彼を果てさせる事が出来れば、もしかするとセックスまではしなくても良いかもしれないと思っての事だろうと予測できる。まぁ、結果的にはそれもむなしく、口で奉仕した上に身体も弄ばれた訳だが。
ところが、今日は眼前に興奮しきった僕がいる。
どうあがいても、最終的にセックスしなければならなくなる事は綾乃も予想しているはずだ。
その差が、このフェラチオのペース配分にも表れているような気がする。
「気持ち良いっす、奥さん」
そんなスローペースのフェラチオでも、若い彼には効果があるようで、妻に向かってそう言う坂井君。
――レロっ・・・チロチロっ
坂井君の反応には興味も示さずに、ひたすら彼のモノをペロペロと舐め続ける妻。時には舌先を硬く尖らせて、亀頭の敏感な部分を素早い舌の動きで刺激したりもしている様がハッキリ見て取れる。
――ビクッ
と、坂井君が腰を震わせる。
僕には慣れ親しんだ舌技でも、彼にとっては新鮮な快感なのだろう。
「んっ・・・ふぅ」
ややもすると、妻のフェラチオは勝手に次のステップに進んだ。パクリと坂井君の亀頭部を咥えこんだのだ。
何の指示もしていないのに、当たり前のように少しずつ彼に強い刺激を与えて行く妻の姿に興奮する。
(本当は坂井君にヤラれたいのかなぁ)
黙々と彼にフェラチオを続ける妻を見ていると、そんな風にすら思う。
(野本さんのモノを咥えさせるまで、あんなに苦労したのに、坂井君の時にはこんなに簡単に咥えるんだな)
別に野本さんが悪い訳ではない。男性としての魅力は、そりゃあ若い分、坂井君には敵わないかもしれないが、彼には妻と元々顔見知りだったと言うアドバンテージがあったし、何よりも優しい。
そう考えると、妻が坂井君のモノを比較的簡単に口にしたのは、単に坂井君が魅力的だから・・・とも思えない。
(綾乃自身の変化だろうな、きっと)
嫌々とは言え、何度も僕の変態的な嗜好に付き合わされているうちに、若干ではあるけれど「夫以外のモノを咥える」と言う事に対するハードルが下がったのではないだろうか。
前回は、盗撮だったとは言え、まだ2回しか会った事のない坂井君とセックスまで済ませている。
しかも、初めて野本さんと交わった時のように、回復に時間を要するほどの落ち込みは見せず、2、3日の間、少し表情が暗いなぁと思う程度だった。
それに、説得も以前ほどの労力を必要としなくなった。野本さんの時には、彼女の機嫌を伺いながら、そして何度も説得についてのシミュレーションをしながら、やっとの想いで卑猥な行為にもっていったものだ。
さすがに、今でも二つ返事でOKと言う訳にはいかないけれど、それでも少し粘って説得していれば、OKさせる事が出来るようになっている。
(やっぱり、多少慣れたんだろうな)
――ンポッ・・・ンポッ・・・
そんな事を考えているうちに、綾乃は坂井君のモノを半分程度まで咥え込み、リズミカルに頭を上下させるようになった。
「う・・・あ・・・」
まだまだ、射精を狙った本気のフェラチオではなかったけれど、坂井君はまるで苦しむような表情で上半身を起こして肘を着く。
――ンポッ・・・ンポッ・・・
そんな坂井君の動きに気が付いていないのか、妻は尚も同じリズムで頭を上下させる。頬は少しだけ凹んでいるから、坂井君はやや強めの刺激を受けているのだろうか。
「やばいっす、奥さん・・・ちょっ・・・待って」
妻の頭を抑えて、上下運動を制止させる坂井君。
頭の動きは止められてしまっても、そのまま彼のモノを咥えたままで、じっと動きを止める妻。
「すごい気持ち良いっす、このままじゃ出ちゃうんで、そろそろ・・・」
そう言いながら、妻の上体を強引に起こす。
僕は予め準備してあったコンドームを、坂井君へ手渡した。
「・・・・・」
それを黙って受け取る彼。
手渡されたものを見て、次に何が起こるのか悟った妻は、軽く坂井君が押しただけで、コロリとベッドに仰向けになる。
「・・・・・」
「・・・・・」
無言のままコンドームの封を切って装着する坂井君。
そんな彼に視線は向けようともせずに、大人しく仰向けで「その時」を待つ妻。
――ゴソっ
坂井君が、足元に丸まっていた毛布を避けた。これから行う行為にそう邪魔になるものとも思えなかったが、まぁ深い意味はないのかもしれない。
――ぬちっ
少し離れた僕の耳に、ネチっこい音が届いた。
「あっ・・・」
妻の口から漏れる小さな喘ぎ声。
――ギッ・・・ギッ
ベッドがゆっくりと軋みだす。
「あっ・・あっ・・・あっ」
途切れ途切れに声をあげる妻。
僕が見ていると言うのに、もはや手で口を抑えようともせずに、かわいい喘ぎ声をあげる。
ただ、その口元は、声をあげる時以外はギュッと硬く結ばれているから、なんとか嬉声をあげるのを我慢しようと言う気持ちはあるようだ。
「・・・あっ・・・・あっ」
それでも、控えめな声が時折漏れてしまう。
夫の目の前で、若い男に貫かれる妻。せめて、それで喜んでいる姿を夫に見せまいと言う努力だろうが、快感の前では、それもどうやら困難なようだ。
――ギッ、ギッ、ギッ・・・
突然、ベッドが激しく軋みだした。
「あっ・・・あっあっ」
呼応して、妻の口から、喘ぎ声がもれる頻度も上がる。
我慢しようにも、我慢しきれない・・・そんな様子で両脚を開いたまま、若い男を迎え入れている妻の姿に僕の興奮は絶頂だった。
――ギッギッ・・・
「あっあっ・・・・・」
これから興奮も右肩上がり・・・そんな折に、突然、坂井君は腰の動きを止めた。やはり、それに呼応して、妻の声も止まってしまう。
「・・・・・」
(どうしたのかな・・・)
いくらなんでも、童貞じゃあるまいし、もう発射してしまいそうと言う訳でもあるまい。
僕は坂井君の真意が解らなかったけれど、それでも黙って繋がっている2人を見ていた。
「すんません・・・」
坂井君が綾乃の身体から離れながらそう言った。
「・・・・・」
綾乃は、坂井君が離れると、今まで大きく開いて彼を迎え入れていた両脚をピタリと閉じた。
「どうしたの?」
僕はそう訊ねたけど、何気なく彼の股間に視線を移して、行動の意味を悟った。
「何か、緊張しちゃったみたいで・・・」
僕の視界に入る、彼のモノは、ダラリと元気を失ってコンドームが先端部でクルクルと丸まってしまっていた。
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