若さ・・・だろうか。
それとも、経験の問題か・・・。
或いは性格?
綾乃は、僕の指示に従って、セックスを中断してフェラチオに戻った。
坂井君のモノは、綾乃にフェラチオされている間は、挿入に問題なさそうな硬度になったけれど、コンドームを装着して挿入すると、すぐに硬度を失ってしまった。
その度に綾乃は再び彼の股間に顔を伏せ、柔らかくなった彼のモノを咥えた。
しかし、何度やっても結果は同じで、綾乃は3度も坂井君のモノを口で勃起させ直して挿入されたけれど、その都度小さくなってしまう。
コンドームも4個ほど無駄にしてしまった。
「今日はやめておこうか」
焦るような仕草を見せ始めた坂井君の前で、僕は彼にそう声をかけるしかなかった。
※※※
(坂井君のほうがダメになるって言うのは予想外だったなぁ)
彼が帰宅した後で、僕は煙草を燻らせながら考え込んだ。
綾乃は、せっかく子供がいないから・・・と、普段ごちゃごちゃになっている子供部屋の掃除を始めたから、僕は1人で手持無沙汰だったのだ。
(綾乃が嫌がった場合については色々考えてたけどなぁ)
正直いって、全く予想もしていない事態だった。綾乃が坂井君に犯される事を嫌がる事はあっても、まさか彼が勃起しなくて困るなんて事は想像していなかったのだ。
(坂井君ほど若いと、あんなもんなのかなぁ、それともやっぱり歳の差がありすぎて綾乃に魅力を感じないんだろうか)
僕は1人、脳内で今日の反省会だ。
(いや、でもなぁ、この話を持ちかけた時は、結構ノリノリだったし、嫌々付き合ってくれてるようにも見えないんだよなぁ)
となると、やはり理由は一つ。
(俺が目の前で堂々と見てたからだよなぁ、やっぱり)
簡単に予想できそうなものだけど、僕はそれを簡単に認める訳にはいかなかった。
何故なら、これを解決する術は一つだけ。
僕が坂井君と綾乃のセックスを「見ない」と言う手しかないのだ。しかし、それを簡単に認める訳にはいかない。
僕の見る事ができない所で、綾乃と坂井君が激しいセックスをしたとしても、それでは興奮は半減・・・いや、それ以下だからだ。
(俺が楽しむ事が出来て、かつ、坂井君が緊張しなくても済むような方法かぁ)
煙草はもう3本目に突入していた。
言うのは簡単でも、なかなか「これだ!」と言う良い方法がなかったのだ。自力で解決策を見つけられない僕は、久しぶりに・・・本当に久しぶりに、僕が妻を他人に寝取らせるきっかけにもなったサイトを覗いてみた。
(おぉ、相変わらずだなぁ)
サイトは以前と変わらずに盛り上がっていた。
自分の妻とのハメ撮りを貼りつけている者。浮気相手の人妻の痴態を貼りつけている者。おそらく脱衣場にでもカメラを隠したのだろうか、妻の承諾を得ずにその裸体を隠し撮りして晒している者。
色々な人がサイトで活躍していたけれど、僕はその中の1人のコメントに眼を止めた。
(妻を貸し出しました)
そこにはそう書き込まれていた。
何でもそう言う相手を募集するサイトで出会った他人に、カメラだけ渡して、妻を貸し出したのだそうだ。
貸し出された男は、渡されたカメラで人妻の痴態を撮影する事を条件に、彼女を好きにできる・・・そんな趣旨のプレイのようだった。
サイトには、見知らぬ他人に犯されて身を捩る人妻の画像が添付されてあった。
(もしも、これが綾乃だったら興奮するなぁ)
僕はそんな風に考えながら、サイトにアップされている、その人妻の画像を次々と見続ける。
彼女が、こうした行為に慣れているのかどうかは解らないけれど、画像に写る彼女は、男の股間に顔を伏せてフェラチオする姿や、アナルまで丸見えの態勢でバックから犯される尻のアップ画像まで撮らせていて、とても相手が見知らぬ他人とは思えないほどだ。
(貸出し・・・か)
僕はおぼろげにではあるけれど、次のプレイ内容が頭に浮かんでくるのを感じていた。
※※※
その日の夜、我が家ではちょっとした事件が起こった。とは言っても、普通のお宅では事件でもなんでもない事なんだろうとは思う。
発端は、子供が眠った後に、妻が僕に言った一言だった。
「あのね・・・」
妻はモジモジとした、言い難そうな様子で僕に話しかける。
「ん?どうしたの?」
「もう、寝ちゃう?」
「ん、あぁ、明日から仕事だし、ちょっとだけビールでも飲んで寝ようかなと思ってたけど」
「そっか・・・」
「どうして?」
「えっと・・・今日は・・・いいのかな・・・って思って」
「何が?」
「だから・・・今日・・・その・・・エッチ・・しないのかなって・・・思って」
「え?エッチ?何も考えてなかったよ、する?ってかしたいの?」
「い、いやっ・・・したいって・・訳じゃ・・・その・・・」
前にも言ったかもしれないけれど、ウチの妻は恥ずかしがりで、自分から僕をセックスに誘うなんて事は皆無だ。
結婚して随分なるけれど、その間、僕は一度も妻に「セックスがしたい」と誘われた事などない。いつだって誘うのは僕なのだ。
「別に慌てなくても良いじゃん、エッチがしたいのは普通のことだよ」
「だ、だから・・・別に・・・したいって・・・ほどでも・・・」
「したいんじゃないの?それとももう寝る?」
そんな気は毛頭なかった。僕はすでに、あの恥ずかしがりの妻が自ら・・遠回しではあるけれども、僕をセックスに誘ってきたと言う事実だけで興奮していたのだ。
「ね、眠たいなら良いの・・・私も・・・もう寝る」
「全然眠くなんてないよ、ただ、綾乃がエッチしたいなら、きちんとそう言ってほしいなと思ってさ」
「・・・・・」
「どうなの?したいの?したくないの?」
考えてみれば、昼間の坂井君との卑猥な遊びは不発に終わったけれど、綾乃はいいだけ坂井君に秘部を指で刺激され、舐めまわされている。
しかもその後で、ほんの少しだけ挿入されては口で彼のモノを起たせ、また少しだけ挿入されてはフェラチオする・・・と言う事を繰り返し、最後にはそのままお開きになっている。
(ちょっとした焦らし効果があったんだな)
今の今まで、今後のことばかり考えていて気が付かなかったけれど、綾乃はそれが焦らし効果になって、彼女なりに性欲に火が点いたままになっていたに違いない。
(でも、だからと言って・・・)
だからと言って、こんな風に僕にセックスを求めるような事は一度もなかったし、これまでの彼女なら、例え「セックスがしたい」と思っていても、僕が寝支度をしていれば、黙って自分も床についていただろう。
(性欲を抑える事が出来ない?それとも、綾乃のセックスに対する姿勢が変わった?)
もしかすると、その両方かもしれない。
「どうなの?したいの?したくないの?」
「・・・・・」
「どっちなの?」
「・・・したい・・・かも」
「かもって何さ、どっちなの?」
「・・・したい・・・です」
僕は、何故だか敬語で「セックスがしたい」と認めた彼女を、少し乱暴に引き寄せて彼女の衣服を脱がせ始めた。
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