カメラはベッドを横から撮り続ける。
そのベッドの上に、下半身だけ裸のまま横たわる坂井君。
ベッドの端にチョコンと座る妻。
「あの・・・」
さすがに下半身丸出しで放置はキツかったのか、坂井君が妻に声をかける。そんな彼のモノは既に、あの日見たのと同じようにカチカチになって屹立している。
ノソノソと鈍い動きでベッドに上がる妻。
それでも、その行為がし易いように、きちんと坂井君の足の間に位置取る。
「・・・・・」
「・・・・・」
2人とも無言。
妻が、右手を延ばした。
そのまま、屹立した坂井君のモノを握る。
彼女の格好は普段着のスエットのままだから、色気も何もあったものじゃないが、それでも僕以外の男のモノを握っている姿を見るだけで興奮ものだ。
やがて、無言のままで坂井君のモノを上下にシゴき始める妻。
やはり無言で、されるがままの坂井君。
画面には延々と妻が坂井君のモノを手でシゴき続ける映像。
それでも無言のままの坂井君。
(早くっ、早く舐めろっ)
じれったい気持ちで画面を食い入るように見続ける僕。
僕の想いが通じた訳ではないだろうが、妻は急に右手の動きを止めた。
それから、意を決するように徐々に前屈みになって、坂井君のモノに顔を近づける。
――ペロっ
控えめにひと舐め。
――ペロっ、ペロっ
同じように控えめな舌の動きで、たて続けに二舐め。
――レロっ、レロレロっ
そこから、堰を切ったように舌をチロチロと動かしながら、坂井君のモノの先端を・・・さらに顔を傾けて茎の側面を舐め始める妻。
「ふぅ~っ」
大きく息を吐く坂井君の様子も見える。
いつも、あの場所で、そんな風にされているのは僕だ。
だけど、今日は僕じゃない。
僕よりずっと若い坂井君・・・その彼が、僕らの寝室で、綾乃の口奉仕を受けている。
画面には延々と同じように、舌で坂井君のモノを刺激し続ける妻の姿。
しかし、いくら坂井君が若くても、あんな可愛らしく舐め続けるだけでは果てる事はないと思ったのか、ついに妻はカポッと、怒張した坂井君のモノの亀頭部を咥える。
――ヌロロロっ
そして、咥えたかと思うと、躊躇う事なく、口内に彼のモノを収めて行いく妻の横顔がハッキリと画面に映る。
声こそ出さないが、グイッと腰を延ばすような仕草を見せる坂井君。
それが合図のように、少しずつ、激しさを増す綾乃の頭の上下運動。
画面には、その度に、妻の口内に出たり入ったりする男根がハッキリと見て取れる。
(根本まで咥えないのは、やっぱりサイズの問題なのかな)
彼のモノの3分の2程度の所までしか咥えない綾乃。その理由は解らないけど、勝手にそう推察する。
――クポッ・・ヌポっ
やがて、徐々にイヤらしい音が画面越しに聞こえてくる。
ずっと同じリズムで頭を上下させる綾乃。
それでも、聞こえてくる音と、画面越しにやっと確認できる、彼女の頬の凹みを見て、彼のモノへの吸い付きが強くなっているのだと理解する。
――クッポっ、クッポっ・・・
ひっきりなしに聞こえるようになるフェラチオの音。
頭を動かすスピードは、いつもと比較するとまだ控えめだ。
彼女が僕を果てさせようとするときには、首がどうにかなってしまうんじゃないかと言うくらいに激しく上下運動するのだ。
「お、奥さん、やっぱ最後までヤッちゃダメですか?」
久しぶりに坂井君が口を開いた。
――クッポ、クッポ、クッポ
それを無視して、幾分か激しくなる彼女の頭の上下運動。
「孝介さんは、最後までヤレって・・・言ってたんすけど」
――クポっ、クポっ、クポっ・・・
それを聞いて、また一段と激しさを増す綾乃のフェラチオ・・・。
「あぁ・・・」
呻く坂井君。
彼女が今、何を考えて夫以外の男のモノを咥えているのかは解らないが、この段々激しくなる口淫が、彼女なりの返答なんだろうと思う。
(口で終わらせちゃおうと思ってんだろうな)
つまり、口を使って、一度射精させてしまえば落ち着くはず・・・それが、妻の考えだったのだろうと予測する。
――クッポっ、クッポ、クッポっ・・・
さらに速さを増した妻の上下運動。
黙って、フェラチオする妻の頭部を眺めている坂井君。
やがて妻は、右手を坂井君のモノに沿えて、手を上下に動かしながら、頭も上下に動かす。いつも思うのだが、器用なものだと感心する。
僕は楽器が弾けないから、ピアノなんかを弾いているのを見ると、よく右手と左手で別な動きが出来るなぁと感心する。ピアノを愛する人は怒るかもしれないが、ちょうどそれと同じように感心するのだ。
――クっ、クッ、クッ、クッ・・・
妻の口元から発する卑猥な音が小さくなった。わずかに聞こえるのは、男根を吸い上げる音だけだ。
見た目には、さっきまでの派手な音が出ている時の方がいやらしい。
しかし、受ける刺激は、派手な音が消えてからの方が強い事を僕は知っている。
「うっ・・・すげっ」
それを証明するように呟く坂井君。余裕がなくなったようだ。
「んっ、んっ・・・んはぁっ」
時折、呼吸のために彼のモノを口から離すけれど、それは水泳の息継ぎみたいなもので、ほんの一瞬だ。
――クポっ、クッ、クッ、クッ・・・
すぐに彼のモノを咥え直して、頬が凹むほど、それに吸い付く。
なんだかんだ言っても人妻だから、男を口で果てさせる為には、間を置いてはいけない事を知っている。
「あぁ・・奥さん、もうヤバいっす・・・」
苦しげに呻く坂井君。
――クックックックッ・・・
僕に見せるのと同じ、激しい頭の上下運動。
この動きは、そう長い事続けられるものじゃないから、いよいよ坂井君を果てさせようと言うことだろう。
「出そうっす・・・出ます・・・」
――クックックックッ・・・
「う・・・んっ」
坂井君がほんの少しだけ腰をビクつかせた。
と、あれほど激しく動いていた綾乃の頭はピタリと動きを止め、代わりに右手だけが忙しなく上下に彼のモノをシゴきたてる。
「・・・・・」
無言のままで、坂井君の亀頭部を咥える妻。
静かに目を瞑って、口内に精液を受け入れる様は、先日、彼へ同じ行為をした時よりは落ち着いているように見える。
そうして、もう坂井君の精液が出尽くしたのではないかと思うほどに長く、彼のモノを咥えていた妻は、ようやくそこから口を離す。
(どうする!?)
僕は、彼女が口内に溜まっているであろう、夫以外の精液をどうするのか凝視する。
――シュッ、シュッ
しかし、今日も期待は外れた。
勝手知ったる我が家である。
綾乃は手を延ばすとティッシュを手に取り、そこへ彼の精液を吐き出した。
それから、激しい口淫で、やや乱れた着衣を直す。
彼らの行為は、終わりを迎えたように見えたけれど、僕は少しも慌てていなかった。先日、自宅へ戻った僕の質問に、坂井君は「普通にヤった」と答えた。
この後、2人はセックスをしているのだ。
それを知っている僕は、野本さんの時のように、画面の中の2人の行動に一喜一憂する事はなかった。
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