「綾乃・・・そろそろ口でしてよ」
僕は少し離れた居間から、彼女にそう指示を出す。若い男の足元に跪いて、ギンギンになった男根を手で握っている妻の姿は刺激的だったけれど、僕はその先が見たい。
「・・・・・」
「ほら、坂井君だって、そうして欲しいだろ?」
「・・・・・はい」
恥ずかしげに、しかし、はっきりとフェラチオを望む彼。
その返事を聞いた後で、覚悟を決めたようにゆっくりと男根に顔を寄せて行く妻。
(ああぁ・・・綾乃が、また、俺以外の男のモノを舐めるんだ)
――チュッ
と、小さな音がして、綾乃の可愛い唇が坂井君のモノの裏筋に触れた。
彼のモノは若者らしく、ものすごい角度で勃起しているから、自然と裏筋側が綾乃の顔の前に来てしまう。
(スゴい事になってるな、坂井君)
あんな角度で勃起している男根は久しぶりに見る。
僕や野本さんの年齢では望む事の出来ないモノだ。
それに・・・
(ちょっと、俺よりも大きいな)
大きさも僕や野本さんよりは一回り大きく見える。
複雑な心境だけど、なぜだか、その事実がさらに僕を興奮させる。
――チロチロっ
綾乃の唇からは、赤い舌が少しだけ、出たり入ったりしながら、彼の裏筋を刺激している。
「おっ」
小さく呻く彼。
そう言えば、今日の妻は「電気を消せ」と一言も言わなかった。いつもは僕と行為に及ぶ時でも、必ずそう望むのに。
(僕に見られる事が解っていたのかな)
理由は解らないけど、そのおかげで、これだけ離れていても彼女の口元がハッキリ見えるのだからありがたい。
僕は居間から少しずつ2人の元へ近づく。
いきなり近くに行くと綾乃が怒ると思ったから、少しずつ少しずつ・・・。
――チュッ・・チロチロっ
まだ遠慮がちに坂井君の裏筋に舌を這わせる綾乃は、僕が1歩、また1歩と近づいている事に、まだ気が付かない。
「もう少し大胆に舐めてあげて」
「っ!ち、近いっ、近いよ」
声をかけて初めて、僕が手を延ばせば2人に届きそうな距離にいる事に気が付いた綾乃は、もの凄く驚いて、彼のモノから口を離す。
「やめないで!ほら、早く舐めてっ」
その彼女を、再び急かせる僕。
――チロチロっ
素直に再び舐め始める妻。
「ほら、俺にする時みたいに、レロレロ~って舐め上げてみてよ」
「・・・そんなこと」
「出来ない?」
黙って坂井君のモノを握ったまま、僕に視線を向ける綾乃。その表情はこれ以上ないくらいに困った顔をしている。
「出来るね?」
そんな妻に優しくそう言う僕。
――レロっ、レロレロっ
さっきよりも幾分か大胆に坂井君のモノを舐めあげる妻。
「おっ・・・う」
堪らず呻く坂井君。
――レロっ・・レロレロっ
僕は壁を背にして床に座った、すぐ目の前では、自分の妻が若い男のモノを口にしている。僕にとっては至福の時だ。
――レロッ・・・レロっ・・・ピチャっ
そんな僕に視線は一度も向けないまま、少しずつ激しさを増していく綾乃のフェラチオ。まだ「いつものフェラチオ」には程遠いけれど、彼女なりに少しずつ本気を出そうと努力しているのが伝わってくる。
「坂井君、どう?」
僕は妻の口元を見たり、宙に視線を彷徨わせたりしている彼に話しかける。
「気持ち・・・いいっす」
ここまで来ては、彼ももう「本当にいいんですか?」なんて野暮な事は訊かない。ただ、大人しく食卓の椅子に座って、綾乃の舌技を楽しむ。
「まだ大丈夫だろ?」
「大丈夫って・・・」
「つまり・・・まだ射精しないよね?」
「も、もうちょっと大丈夫そうっすけど、このままじゃ、マズいっす」
「マジ!?もう少し頑張ってよ」
僕は笑いながら、そう言って彼を励ました。そんな彼の足元では自分の妻が、黙々と若者の硬いモノへ舌を這わせて奉仕している。
「綾乃、咥えてあげて」
「・・・・・」
「綾乃・・・」
――チュるっ
少し卑猥な水音をさせて、綾乃が遠慮がちに彼のモノの亀頭を咥えた。
「そう、そのまま、いつもみたいに激しくして・・・」
「・・・・・」
「綾乃?」
「・・・・・」
「出来ない?」
「・・・・・恥ずかしい」
「どうして?」
「だって、孝介が見てるし・・・」
「どうしたらいい?」
「孝介が・・・あっちに行ってくれたら・・・頑張る」
「う~ん・・・」
せっかく、こんなに近くで妻が坂井君にフェラチオする所を拝めていると言うのに、再び遠ざかるのは悔しい。
「じゃあさ、電気消そうか」
「・・・・・」
「ね?ダウンライトなら、ハッキリと見えないし、それなら良いでしょ?」
「ホント?」
「何が?」
「ホントに見えない?」
「見えない、見えない、近くに居れば雰囲気だけ伝わるから、今日はそれで満足するからさ」
前に言ったかどうか忘れたけど、ウチの妻は視力が悪い。コンタクト無しでは日常生活もままならないレベルで、視力検査では、必ず一歩前に出されるほどの視力だ。
外出時にはコンタクトを使う事が多いけど、自宅に居る時はメガネを使う。
でも、当然、今はフェラチオの邪魔になるからメガネもしていない。
つまり、妻には、既に周囲がハッキリ見えていないのだ。
「いくら俺だって、ダウンライト程度の灯りがあっても、この距離じゃ殆ど影くらいしか見えないさ」
嘘である。
確かに、今ほどクッキリと妻の口元は見えないと思うけど、ダウンライト程度の灯りがあって、これだけ近い距離で見る事が出来れば、妻の舌使いまでハッキリと見えるだろう。
「・・・・・じゃあ・・・いいよ」
しかし、物心ついた時から「視力の悪い世界」しか知らない妻には、それがよく解らないらしい事は十分に承知していた。
――カチっ
素早く立ち上がると、僕は電灯を消した。消したとはいっても、オレンジ色のダウンライトは薄暗く辺りを照らしている。
「さ、これで良いね?いつもみたいに出来るでしょ?」
「いつもって・・・」
「俺にするみたいにって事」
「・・・・・頑張る」
あまり話しかけるのも興覚めだろう。僕は、もうなるべく話しかけないようにしようと心に決めて、再び2人の近くの床へ腰を下ろした。
※※※
――んっ・・・んっ
明かりを消した効果はすぐに表れた。
妻は、再び坂井君のモノへ向き直るや否や、迷わずに彼のモノをパクリと咥えたのだ。
座ったままでは、垂直になるくらいギンギンに勃起した彼のモノを口におさめるのは難しかったようで、立ち膝の姿勢になっている。
――ヌロっ、ヌロっ、ヌロっ
ゆっくりと、一定のリズムで、硬い男根を口から出し入れする妻。坂井君の太ももに両手を付くような姿勢で、少し苦しそうだ。
(場所を変えた方が良いかなぁ)
フェラチオし難そうな彼女の姿を見て、僕は一瞬そう思ったけど、すぐにそれは止めた方が良さそうだと思い直した。
電気を消した効果は綾乃にだけ現れた訳ではないようで、チラリと坂井君を見ると、彼もさっきまでとは比較にならない恍惚の表情で綾乃の口淫を楽しんでいたのだ。
(ここで止めない方が良いよな)
それが僕の結論だった。
――ヌロっ、ヌロっ、ヌロっ
尚も、目の前では妻の口から坂井君のモノが出たり入ったりしている。最初は亀頭部だけ・・・それから男根の半分程度まで・・・綾乃は両手を坂井君の太ももに着いて自分の体重を支えているから、手でシゴく事が出来ないようだ。
僕や野本さんにフェラチオする時は、苦しげな顔をしながらも、殆ど根本近くまで男根を飲みこんでしまう。
坂井君にそれをしないのは、まだ照れがあるからなのか、それとも、彼のモノのサイズが我々よりも少し大きくて、根本まで口におさめる事が難しいのか・・・。
(もう少し盛り上がってきたら、根本まで咥えるのかな)
そんな事を考えながら、妻のフェラチオ姿を薄暗い中で眺める。
しかし、その答えを知る事は出来なかった。
「やばいっす、もう、出そうっす」
薄暗がりの中で、坂井君がそう苦しげに呻いたのだ。
(溜まってたみたいだし、仕方ないか)
正直、もう少し頑張って欲しかったけど、彼は彼で彼女無しの時期が長かったようだから、まぁやむを得ないだろうとも思う。
「んっ・・はぁ・・・え?え?どうしよ?」
坂井君のセリフを聞き、慌てて、口から彼のモノを出す妻。
慌てて出したせいで、彼のモノがビンっと反り返り、妻の口元を叩く。
「どうしようって・・・出してあげてよ」
僕は事もなげに言う。
「それは・・・そうだけど・・その」
「ほら、早くしないと、その辺に精液が飛び散っちゃうよ」
綾乃の言いたい事は解っていた。「このまま口の中に出されちゃうの?」そう言いたかったのだ。だけど、僕の中では最初から、最後は綾乃の口内へ精液をブチまけてもらう事に決めていた。
彼女が渋ったら「食卓が精液塗れになってしまう」そう言って口内で射精させるように仕向けようと決めていたのだ。
「あ、あ、そっか・・・いや・・・でも・・・」
「やばいって、綾乃の服とか、その辺の床とか、精液まみれになっちゃうって」
「あ・・・・は、はいっ」
――クポっ
僕に急かされて、再び坂井君のモノを半分程度まで咥える妻。そのまま動きが停止している。
「ほら、もっと動いて、坂井君をいかせてあげなきゃ」
――クポっ、クポっ、クポっ・・・
言われるまま、立ち膝の姿勢で、頭を上下させる妻。いつもと比較にならないくらいゆっくりとした上下運動だけど、坂井君にはそれで十分だったようだ。
「う・・・あ・・・で、出る・・出ます」
――クポっ、クポっ・・・っ
「お、んんっ」
坂井君が一瞬ビクッと動いた。
上下に頭を動かしていた綾乃が、ピタリと動きを止める。
僕はその口元を凝視する。
今、この瞬間に、夫である僕以外の男・・・それもこんなに若い男の精液を口内に放出されている。
妻がどんな顔で、口内に精液を受け止めているのか見たかったのだ。
「んっ・・・んぅぅぅっ」
しかし、それはお世辞にも色っぽい表情とは言えなかった。
目をギュッと硬く閉じ、酸っぱい梅干しでも大量に口内に突っ込まれたような、そんな顔で・・・それでも、坂井君のモノからは口を離さない妻。
辺りが精液塗れになると言う、僕の言葉を素直に聞いての事だろう。
「綾乃・・・そのまま飲んで」
「んんぅっ!」
綾乃は坂井君のモノから口を離すと、僕の方を向いて、首をフルフルと左右に振る。
頬が少しプクっとなっているのが可愛い・・・とは言っても、あの頬の中には大量に僕ではない男の精液を溜めこんでいるのだと思うと、可愛さが一瞬にして興奮に変わる。
「いいから、飲んで」
「んんぅっ・・・ぅぅぅ」
再び、大きく左右に首を振った綾乃は、そのまま立ち上がると洗面台へと大急ぎで走っていった。
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