「あっ・・・あっあっあっ」
妻の喘ぎ声が段々と悦に入ってきた。
それでも左手に握った野本さんの男根は離さない事に興奮する。
(もう少し・・・いけるかも)
妻のそんな姿は、僕にそう思わせるのに十分だった。
僕には、兼ねてから3Pが実現したら是非ともやってみたいと思っていた事が二つあった。
一つは「ダブルフェラ」と言うやつだ。両方の手で2本の男根を握りながら、左右交互に或いは2本同時にフェラチオする。その姿を見下ろしたいと思っていた。
もう一つは、片方の男性にバックで突かれながら、上の口にもう1人の男性の男根を突っ込まれる、アダルトDVDなんかでお馴染みの態勢だ。バックでの行為は、ただそれだけで「犯されている」と言う印象を受けるのに加えて、さらに上の口にも男根を突っ込まれる姿はネトラレ好きにはたまらないのだ。
(ダブルフェラは無理そうだな・・・)
もう僕は彼女に挿入している。ここから、自分のモノを引き抜いてコンドームを外し、野本さんと2人、フェラチオしてもらうのは不自然だ。
第一そんな事をしたら、妻が興奮状態から醒めてしまって、元も子もなくなるかもしれない。
だが・・・。
もう一つの方はいけるかもしれない。夫婦の行為でも後ろからの挿入はするし、妻を自然に四つ這いにする事は簡単だ。
四つ這いになった妻は、両手を今ほど自由に使えなくなるから、野本さんのモノを握り難くなるに違いない。
それに、今の雰囲気なら、このままなし崩し的に、目の前に野本さんのモノを持っていけば咥えるかもしれない。
「あっあっあっ・・・あぁっ」
そんな事を僕が考えているなんて全く思っていない妻は、言われた通り素直に野本さんのモノを握ったままで気持ち良さそうに喘いでいる。
僕はその妻をクルっと横へ向けた。
いわゆる側臥位の形で少しだけ彼女を突く。自然と目の前に野本さんのモノが来る形になったけれど、妻がそれを咥える様子はない。
そんな妻を眺めながら、僕はさらにクルリと妻をひっくり返し、完全に俯せの状態にした。
「お尻・・・上げて」
一言だけ短く言うと、妻はゆっくりと尻を持ち上げて「後ろから突かれる態勢」になった。いつも夫婦でする時と全く同じ流れだ。
その動きの中で一時的に野本さんのモノが手から離れた。
――パンっ、パンっ、パンッ・・・
部屋の中には妻の尻を打ち付ける音が響く。
「あっあっあっ・・・あっぁ」
こんなに恥ずかしい姿勢になっているにも関わらず、もはや諦めたのが「恥ずかしい」とも言わずにされるがままに後ろから突かれる妻。その両手はシーツをギュッっと掴んでいるから、とてもじゃないけど野本さんのモノを握る事なんて出来そうにない。
「野本さん」
僕はボーッと成り行きを眺めていた彼に声をかけて、妻の顔の前へ回り込むようにゼスチャーで指示した。一瞬「え?」と言う表情を見せる彼。
その彼に向かって、僕は自分の唇を指差した。「口でしてもらえ」と言うメッセージのつもりだった。
そこまでして、ようやくどういう態勢になれば良いのか察した野本さん。
静かに妻の前に回り込む。そして膝立ちになって、ちょうど妻の顔の前に勃起した男根が来る形になった。
「奥さん・・・手が無理だったら口で・・お願い」
野本さんがそう声をかけるまで、妻はただ俯いて突かれていたから、彼がそんな位置にいると思わなかったのだろう。顔を上げた時に頬に男根の先端が当たったようだった。
「・・・きゃ」
小さく驚きの声をあげる妻。
「奥さん・・・咥えて・・・お願い」
その妻の口元へ男根を突きだす野本さん。
一瞬、顔を背けるような仕草をみせる妻。今日は野本さんにフェラチオしないで良いと思っていたのに・・・そんな心境だろうか。
「あっ・・・あっ・・だ、だって・・・約・・・束・・・あっあっ」
きっと困った表情をしているのだろうが、この態勢では僕には妻の表情は見えない。
「大丈夫・・・野本さんが綾乃の身体に触れないように見張ってるから、俺」
僕は彼女を突きながら言った。
見られるだけで良いと言う約束はとっくに破られている訳だけど、綾乃の身体に触れないと言う約束を守り通す事でウヤムヤにしてしまおうと言う考えだった。
「奥さん・・・俺、もう・・・我慢できないよ」
「・・あっ・・・・あ・・・で、・・・でもぉ・・・こ、これじゃあ・・・」
これじゃあ「まるで3P」だと言いたいのだろう。
当然だ。僕らはその3Pを目指しているのだから。
僕は野本さんのモノから顔を背け続けている妻の後頭部を軽く持って、彼の股間へ向けた。こんな事をしたら彼女を怒らせるかもしれなかったが、僕は僕で興奮の最高潮にいて、ああでもない、こうでもないと言うやり取りを静かに待てるような心理状態ではなかったのだ。
「奥さん・・いいよね・・お願いね・・ね?ね?」
ね?と猫なで声を出しながら、自分のモノの根本を持って、妻の口元へ持っていく野本さん。
「ん~っ」
この後に及んで口を開けないらしい妻は、そんな声をあげて抵抗している。
(協力するか・・・)
ここまで来たら簡単だと思っていたけれど、なかなかどうして、最後まで思い通りにはならないものだ。
――パンパンパンっ・・・
僕は更に腰の動きを加速して、妻の尻へ打ち付けた。
「あっあっ・・・あっあっあっ」
それに呼応して激しくなる妻の喘ぎ声。そして・・・。
「あっあっあっ・・・あん・・む・・むぅ・・んぅっ」
喘ぎの合間になし崩し的に、妻の口内に男根を捻じ込む事に野本さんが成功する。
――パンパンパンッ・・・
「んぅ・・・んぅ・・んぅ」
口に男根を咥えて、くぐもった喘ぎ声を上げる妻。下には僕のモノを咥え込み、上の口には野本さんのモノを咥え込んで、まさに「上下の口で咥え込む」と言う状態の妻。
「おぉ・・・ぉぉぉ」
僕は呻いた。
物理的な快感も去ることながら、これはもう完全に3Pだ。念願だった3Pを、今、僕は体験している。しかも、その相手は妻だ。
感動にも似た興奮。歪んだ性癖が一気に満たされる。
――パンパンパンッ・・・
「んぅんぅ・・むぅ・・んぐぅ」
野本さんは野本さんで、ものすごい興奮状態にあるらしく、いつもは妻が苦しくないように配慮してくれるのに、今は妻が苦しそうな呻き声をあげているから、喉の奥まで男根を突っ込んでいるのだろう。
そのうち、野本さんは軽く妻の頭に手を沿えて、まるで口が性器であるかのように軽く前後に腰を振り始めた。
(くっ・・・そ)
この景色をもっと見ていたい。もっと卑猥な事をしたい。もっと、もっと・・・そう思ってはいても、僕には容赦なく射精感が近づいてきた。本当は野本さんが妻に挿入し、僕が口に突っ込む側も経験したかったのだが、その余裕はなさそうだ。
――パンパンパンッ・・・
「んっ、んっ、んっ・・・んはぁ・・んっ」
時折、野本さんのモノを口から出して大きく息を吸う妻。吸うや否や、野本さんはすぐに再びガチガチになった男根を妻の口内へ捻じ込む。
「奥さん、ごめんね?ごめんね?俺、我慢できなくて・・ごめんね」
そう謝りながら、妻の口内へ男根を出し入れする野本さん。
(でも、これじゃレイプみたいかも・・・)
僕がそう思った時だった。
「んぅ・・・んむぅぅぅぅっ」
妻が野本さんの男根を咥えたままで、大きな呻き声を上げた。それから、持ち上げた尻をビクっビクッと震わせる。
(え?・・・イッた・・・の?)
意外だった。
こんな上下の口を犯されるような形は、妻は勿論望んでいないし、だいたい息苦しさもあるから、あまり気持ち良くないのではないかと思っていた。
それに加えて、妻は夫婦で行為に及ぶ時にも、なかなかバックで果てる事はなかった。全く無い訳でもないけれど、正常位で果てる事の方が圧倒的だったのだ。
それが、まだバックからは数分しか突いていないのに・・・。
元々、妻にMっ気があるのは知っていたけれど、まさか、この状況に興奮しているのか?
(いや、まさか・・・そんな、綾乃に限って・・・そんな)
グルグルと色々な考えが頭を過る。僕は変態だけど、綾乃は違う・・・はずだ。
複数プレイなんて変態だと言って僕を怒ったし、だいたい超恥ずかしがりで人見知りだし・・・彼女は「普通」が大好きな、どこにでもいる「普通」の人妻のはずだ。
(まさか、コレに興奮している訳ないよな)
僕は視線をあげて、妻の口を狂ったように犯す野本さんを見ながら思った。いくらMっ気があっても、これを喜ぶはずはない・・・そう思い直す。
「こ、孝介・・俺、も、出そう」
野本さんがそう言ったのを聞いて、僕は我に返った。
「あ、ああ、そうですか・・そうですね、綾乃・・野本さん、出そうだって・・・口の中に出しても良いかい?」
当然、拒否されるだろうと思って僕はそう言った。拒否する綾乃をなだめて何とか口内発射で終えようと思ったのだ。
「んぅ・・んぅ・・・んっんっ」
ところが、僕がそう訊ねると、妻はすぐに頷いた。
「え?口の中にだして良いの?」
不意を突かれて、僕はおかしな事を聞きかえす。
「んぅ・・・んぅ・・・んっ」
再び頷く妻。
(綾乃・・・やっぱり・・・)
妻は、この状況に興奮している・・・もうそう思うしかなかった。あれほど嫌がっていた口内射精を簡単に許す姿・・・。普段あまりイク事のない態勢での派手なイキっぷり・・・。
「綾乃・・・おまえ・・・綾乃ぉ」
――パンパンパンっ
僕は嫉妬、悲しさ、驚き・・・色々な感情がない交ぜになったまま、がむしゃらに腰を振った。
――パンッパンッパンっパンっパンっ・・・
「んっ、んっ、んっ・・・んぅ」
「ああ、奥さん・・イク・・・イクっ・・・うっ」
野本さんが妻の頭を抱きかかえるようにして先に果てた。
「んぅ・・・んぐぅぅ・・んぅ・・えっ・・んくっ」
喉深くに吐き出された野本さんの精液を途中でオエっとなりながらも受け止める妻の姿。それを見ていると、僕にも射精感が一気に湧き上がってきた。
「あっあっあっあっあっあっ」
野本さんが妻の口から男根を引き抜いた。男根を咥えたままのくぐもった喘ぎ声から、普段の妻の喘ぎ声に変わる。その口内には何も溜めている様子はないから、出された精液は僕に突かれながら飲みこんだに違いない。
その事実に再び興奮が湧き上がる。
「あっ・・・あぁ・・・す、すごいぃぃっ」
妻が一言、そう叫んだ。今までに聞いた事のない喘ぎ声の大きさだ。
「何がすごいんだ?ん?ん?」
僕は射精感を堪えながら訊ねる。
「き、気持ちいい・・・すごい・・すごい・・・また・・・あぁ・・またイク・・イキそう・・あぁ」
「おぉ・・綾乃・・いつもよりすごい乱れようだよ?野本さんと俺に2人でされて興奮したんだろ?違うの?」
「あっぁぁぁぁっ・・・・あっあっあっ」
返答がない。
「俺たちに同時に犯されて興奮したんだろ?違うのか?」
「あっあっあっ・・・あぁぁあっ・・・あっ」
「違うのかっ?!」
返答がない事にイラつきながら・・・いや、違う・・・こんな変態的な扱われ方をしているのに妻が興奮してしまっている事にイラつきながら、僕は言った。
「あっぁぁぁ・・・こ、興奮・・し、した・・・興奮した・・・かも・・ぉ」
妻がそう答えた。
「こうやって、2人に同時に犯されるのが好きなんだろ?違うのか?」
段々と言葉が乱暴になってしまう。
「あぁぁ・・・ぁ、ち、違っ・・・違ぁぁぁ・・・」
「違うのか?じゃあ、何で興奮しているんだ?ん?ん」
「あぁぁぁぁ・・・あっ」
「2人に犯される事に興奮したに決まってる、そうだろ?正直に言って見ろ!」
「あっあっあっ・・・あぁぁぁっ・・・そ、そう・・・そう・・ですぅ・・・あっ、あっ、あっ・・すごいぃ・・・イク・・またイク・・あっ・・イクイクイクっ・・あぁぁっ」
(くっ!!)
四つ這いで背中を反らせてピンっとなったまま身体をビクつかせる妻。その妻と一つになったまま、僕は無言のうちに射精する。
「あぁぁ・・・はぁはぁはぁ・・・」
やがて一しきりビクついた妻は全裸のまま、恥ずかしい部分を野本さんから隠そうともせずにコロリと横になって荒い呼吸をしていた。
眼は虚ろでどこを見ているのか解らない。
口元から胸元にかけては唾液でベタベタに汚れたまま。
その口角からは飲みきれなかったのか、快感のために零してしまったのか、少し野本さんの精液と思しき液体が垂れている。
予想もしなかったような、綾乃の今日のこの痴態をどう考えたら良いのか・・・。
僕は最後に、太ももまで流れ出している妻の愛液を眺めながらそう思った。
≪
前へ /
次へ ≫
Information