チラリと眼を向けると、そこには既にズボンの中に手を入れてモゾモゾとしている野本さんが居た。
(少し計画より早くないっすか?)
僕達の計画では、僕が妻の上にガバっと覆いかぶさって視界を塞いでいる間に、野本さんがズボンを下げてオナニーを開始する事になっていた。
(もう我慢できないってことですか)
確かに、思った以上に妻は素直に痴態を晒している。僕はもう少し抵抗があったり、恥ずかしがって、いつものように乱れないかもしれないと思っていたから、これは嬉しい誤算だ。
しかし、その分、野本さんも早く興奮状態に陥ってしまったと言う事なのだろう。
「綾乃・・・」
「あっ・・・あぁぁ」
僕は妻の両脚から手を離すとガバっと彼女を抱きしめた。そうしてそのまま、彼女の視界を奪いつつ腰を振り続ける。
これを合図にして、野本さんは下半身の衣類を全部脱ぎ捨ててTシャツのみになる事になっていたから、もう少し彼女の視界を奪っておく必要があった。
――カチャカチャ・・・
少し離れた所でベルトのバックルの音がした。野本さんが予定通りにズボンを脱いでいるのだろうが、目の前の妻は気持ち良さそうに喘いでいて、その事に全く気が付いている様子はなかった。
「あっ、あっ、あっ・・・」
密着して汗だくの僕達・・・その傍らで、やがてベルトのバックルの音は聞こえなくなった。
(そろそろ良いかな・・・)
僕は身体を起こした。そのまま中へ男根を出し入れしながら、そっと視線を野本さんへ向ける。
(予定通りだ・・・)
そこには完全に勃起した男根を右手で握りしめる野本さんの姿があった。さすがに友人である僕の見ている前と言う事もあって、右手は激しく上下してはいなかったけれど、それでも屹立した男根を握りしめる彼の手は、ゆっくりながら動いていた。
(気が付くかな・・・)
出来れば、野本さんがオナニーしている事に自然に妻が気が付いてくれると良いと思っている。
(無理かな~)
でも、それは難しい事だと思う。
彼女は行為の最中、殆ど目を瞑っているからだ。これは今日に限った事ではなくって、夫婦二人だけでコトに及ぶ時にも同じだ。
「綾乃・・・」
結局僕は妻に声をかけて、野本さんがオナニーに耽っている事に気が付かせなければいけなかった。
「あっ・・・あっあっ・・・んっ・・・は・・い?」
「野本さん・・・見てごらん」
僕はワザと彼女の耳元に顔を寄せて、小さく囁くように言った。
反射的に彼の方へ頭を向ける妻。
そしてすぐに「ハッ」として視線を僕に戻す。
「何してた?野本さん・・・」
「な、な、何って・・アレは・・・アレ・・・でしょ?」
「アレって?」
「だから、自分で・・・あっ・・」
こうしている間も僕はゆっくりと彼女の中を男根で掻きまわす。
「自分でどうしてた?」
「・・・・・」
「解らないの?」
「わ、解る・・よ」
「じゃあ、何してた?」
「・・・じ、自分で・・して・・・た」
「綾乃のエッチな姿みて興奮しちゃったんだね・・・野本さん」
「そ、そんな・・・あぁ」
僕からも顔を背けて目を瞑る妻。
僕はそれを確認すると、野本さんを手招きして、近くに呼び寄せた。
男根を握ったままで近づいてくる野本さん。
「・・・っ」
ゴソゴソとした物音と人の気配で、彼が近づいてきた事が解ったらしい妻は、またも反射的に野本さんの方へ視線を向ける。
「ちょっ・・な・・んで?」
1メートルも離れていない距離で自分の性交姿を眺めながらオナニーに耽る男性。
それを見て「何で?」と言う妻。
「奥さん、あんまりキレイだから我慢できなくなっちゃって」
野本さんがそう言った。
僕は構わずに腰を振る。
――グッチュ、グッチュ・・・
「あっあっあっ・・・やっ・・・ち、近い・・近・・すぎる・・よぉ」
「いいから、良く見てごらん?男の人がオナニーする所なんて、そうそう見れるもんじゃないよ?」
「そ、そんなの・・あっ・・あっ・・・み、見なくて・・も・・いいもん」
「本当?でも、ほら・・・綾乃を見て、あんなになっちゃってるよ・・・野本さん」
僕は軽く手を沿えて、妻の顔を野本さんへ向けた。本当に軽くしか力を入れていないから、拒否しようと思えば出来たはずだけど、妻は僕の言う通りに野本さんの方へ視線を向ける。
普段の行為では、ずっと目を瞑っているのに、今は野本さんを・・・野本さんの股間を凝視している妻。
妻に見られる事に変な興奮を感じたらしく、手の動きが激しくなっていく野本さん。
「あぁ、奥さん・・・サイコーだよ・・・あぁ」
野本さんが呻く。
――グッチュ、グチュグチュ・・・
僕も段々と腰の動きが激しくなってきた。そうしようと思った訳じゃないけど、勝手にそうなるのだ。それほどに、場の空気は淫靡なものになっていた。
「野本さん・・・綾乃のおっぱいばっか見てますね」
僕は言った。
「突かれる度に揺れるのがエロくてさ・・・」
「・・・や・・だ・・あぁ」
揺れる胸がイヤらしいと野本さんに指摘されて、両手を前で組むようにして隠す妻。
「おぉ・・・それも良いわ~」
ところが、そうする事で左右の胸が寄せられて、深い谷間を形成した事で尚更彼を興奮させてしまう。
「ちょっと、奥さんの胸・・・触らせて・・・」
予定通りに野本さんが妻に触ろうとしてきた。
それは予定の行動であって、これを僕が拒否する事になっているのだが、彼の興奮に塗れた顔を見ていると、本当に妻に触りたがっているように見えて、本当に予定通りに引き下がってくれるのか心配になる。
「・・・え、だって・・・それは・・・孝介ぇ・・あっ」
困ったように僕を見ながら名を呼ぶ妻。
「野本さん・・今日は触らせないって綾乃と約束したから・・・」
「あっ・・・あぁ・・あっ」
僕がそう言うと、妻は喘ぎながらも意外そうな表情を見せた。それから安心したように目を瞑って快感に再び身を預ける。
「そっかぁ、残念だなぁ」
若干、棒読みくさいセリフだったけれど、予定通りに僕の言う事を聞いて引き下がる野本さん。
「じゃ、俺は奥さんに触らないから、代わりに奥さんに手でしてもらっても良いかな?」
「あっ・・・あっ・・・え・・・そ、それも・・・ちょっ・・と・・あっ」
さらに予定通りに近づきながらそう言う野本さん。再び困ったように僕を見る妻。
「う~ん、綾乃に触んないですか?」
「触らないよ、約束は守る」
「絶対ですよ?俺、綾乃と約束してるんですから、野本さんには触らせないって」
「大丈夫だって、絶対触らない」
「目の前で野本さんの大好きなおっぱいが揺れてますけど、我慢できます?」
「出来る、出来る、絶対に触らない、見てるだけで我慢するから」
「解りました」
僕はワザとらしく、やれやれといったゼスチャーを見せながら綾乃を見る。不安げに僕を見上げる綾乃の表情。でも、この間も僕は腰の動きを止めないから、不安と快感の入り混じった何とも言えない表情だ。
「綾乃・・野本さんの握ってあげて」
「え・・・?・・・だ、だって・・・約束・・・は?」
「大丈夫、野本さんには絶対触れさせないから、俺が見張ってる」
「い・・・あっ・・・だ、だって・・・それじゃ・・・あぁ」
それじゃあ「3Pみたいだ」そう言いたかったのだろう。しかし妻は最後までそれを言い切る事は出来なかった。
言葉の途中で、野本さんが、すでにギンギンになった男根を彼女の手をとって押し付けたのだ。
「野本さんの・・・どんな風になってる?」
「・・・あっ・・・あっ」
「ねぇ・・・綾乃・・・野本さんのチ○ポ・・・どんなんなってる?」
僕はわざと卑猥な言葉を使って彼女へ問いかける。
「あっ・・・あっ・・・か、硬・・・く・・なって・・る」
喘ぎ喘ぎそう答える妻。
カチッと音でもしそうなくらいにハッキリと、僕の中のスイッチが切り替わった。
目の前には、僕に突かれて乳房を揺らしながら喘ぐ妻の姿。その妻は左手に友人の勃起したモノをしっかりと握っている。しかも、ハッキリとではないが、反射的に握った手を小刻みに動かしているようにも見える。
(軽い3Pだと思って良いよな、コレ)
そう思うと興奮が止まらなくなってしまったのだ。
「あぁ・・・綾乃・・・綾乃ぉ・・・綾乃ぉ」
――グッチュ、グッチュ、グチュグチュグチュ・・・
僕は妻の名を呼びながら激しく腰を振った。
「あっあっあっ・・あっぁぁぁあっ」
それに反応して激しくなる妻の喘ぎ声。それでも妻は左手に握った野本さんの男根を離しはしなかった。
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