「こんばんは~」
今日も僕は閉店間際の銭湯へやってきた。
正直言って、今時こんな銭湯は流行らないし、少し車を走らせれば、ずっと設備の整ったスーパー銭湯だってある。
だけど、僕は折に触れてここへやって来る。
妻を連れて・・・。
ここには僕にとって世界中のどの銭湯よりも魅力的なものがあったからだ。
それはこの閉店間際の時間しか味わえない魅力だ。
「おじさん、今日もいいかな、こいつと2人で」
「あ、ああ、どうぞ。私は男湯の方から片づけているからね」
「ありがとう、いつもすいませんね」
「いやいや・・・」
そう言って男湯へブラシを持って消えて行く彼。
だけど、彼は男湯の掃除などしていない。
女湯に夫婦で入る僕達の事をじっと覗くために裏の扉からまたコチラへ戻って来るのだ。
僕がその事に気が付いたのは、自宅のボイラー修理が思いのほか長引いて、この銭湯へ通う事になって3日目の事だった。
仕事を終え、食事も済ませてからここへ来ると、どうしても閉店間際になってしまって、その日も僕達夫婦は女湯に2人で入った。
妻と風呂に入るのは初めてではなかったけれど、普段は女性しか入れない女湯で彼女と二人きり・・・そんな事を思うと、僕は欲望を抑えきれなくなって、この場所で手早くSEXを済ませる事になってしまっていた。
妻は最初、あまり乗り気ではなかったけれど、3日目ともなるとさすがにここの店主にバレる心配もないと悟ったのか、僕の求めに応じて渋々と相手をしてくれていた。
だけど、本当は違った。
僕達夫婦の秘め事は、とっくにここの店主に知られていて、しかもそれをしっかりと覗かれていたのだ。
初めてその事に気が付いた時、確かに僕と店主は目が合った。
だけど互いにその事には触れなかった。
触れないままで、僕は妻との異常なシチュエーションでのSEXを手に入れる代わりに、彼には妻の卑猥な姿の一部始終を提供すると言う、不思議な利害関係が出来上がっていたのだ。
そして今日も僕は、それを楽しみたくて、自宅のボイラーなんかとっくに直っているのに、妻を誘ってここへ来た。
妻は妻で、自宅でエッチすれば良いのに・・・とブツブツ言いながらも、きちんと着いてくる所を見ると「他人に見られるかもしれない」スリルに満更でもないのかもしれない。
「おい!気を付けろよ!おまえは目が悪いんだから、コンタクトを外したら何も見えないだろう!?」
僕はその彼女へ向けて、わざとらしく大声で言った。
それは彼女へ向けたものではなく、店主に向けて、もう少し近くで覗いても大丈夫だと言うメッセージのつもりだったのだ。
(さて・・・伝わったかな・・・)
こんな行為を繰り返すうちに、僕は自分でも気が付いていなかった、自らの性癖に気が付いた。
それは「最愛の妻を他人に見てもらいたい」それも、普通の姿ではなく、普通じゃ絶対に他人が目にする事などあり得ないような姿を・・・そう言う性癖だったのだ。
※※※
「もう!見つかったら困るから早く済ませてよ!?」
今日も銭湯で彼女の乳房に触れた僕に向かって妻がそう言った。
彼女もここへ来た時点で「銭湯でSEXをする」と言う事は織り込み済みで、さしたる抵抗もなかった。
「解ってるって、解ってるから、口で…な?頼むよ」
「・・・もうっ!」
何だかんだと言いながらも、彼女は僕の足元へ跪いた。
僕はいつものように浴槽の縁に腰をかけたままで脚を開く。
――ジュポっ…ジュルっ
何度かここでのSEXを繰り返すうちに、妻は妻で少しずつ大胆になっていた。
彼女はその事に気が付いているのかどうか知らないが、このフェラチオの時に響かせる卑猥な音も初めての時よりは数段大きい。
「お、おお…」
僕は妻のフェラチオに身を任せたままで、女湯から続くボイラー室の扉に目を凝らした。
店主がその扉を開けて静かに覗く事を知っていたから、僕はそれを待っていたのだ。
――カチャ・・・
やがて小さな音がしてその扉が開いた。
少し細く開ける程度ではなく、今日はいつにも増して大胆に扉を開けて覗いているのは、浴室へ入る前に僕が言った「妻は目が悪い」と言う情報を正確に受け取ってくれた証拠だろう。
僕は店主が覗き始めたのを確認すると、浴槽から出て、浴室用の低い椅子に腰かけた。
「どうしたの?」
「いや、おまえが暑そうだから湯船から出たほうが良いかと思ってさ」
「でも、そんな低い椅子に座ったんじゃ口で出来ないわよ?」
「そんな事ないさ、両手をついて・・・そう・・・そうやって四つん這いになって咥えてくれよ」
「んっ・・・んむぅ」
妻は素直に銭湯で四つん這いになって、低い椅子に座る僕の股間に顔を伏せた。
今、店主の眼前には刺激的な光景が広がっているはずだ。
四つん這いになって僕のモノを咥える妻…その妻の尻が、ちょうど彼の覗いている扉に向くように僕は座ったのだから。
「あ、ああ・・・気持ち良いよ」
僕はそう言いながら、手を伸ばして、四つん這いの妻の尻肉をつかみ左右に拡げた。
「いやんっ!」
妻はそう言ったが、抵抗する素振りはなかった。
(どうだ・・・妻のオマ○コが丸見えだろう?)
僕は扉から覗いている店主が、妻のオマ○コを凝視しているであろう事を想像して興奮する。
「んっんっんっ・・・んはぁっ・・・んん~」
そんな事は露知らず、父親ほども年齢の離れた男へ性器を晒した姿勢で僕のモノを咥える妻の姿・・・。
(ああ、堪らない・・・)
僕はチラリと扉の方へ視線を向けた。
湯煙が邪魔して、店主がどんな表情で妻の恥ずかしい部分を凝視しているのかまでは解らないが、その扉から完全に人の陰が見えていて、覗いているのは間違いない。
「よし、今度は俺がしてあげるよ」
「え?」
僕がそう言うと妻は目をまん丸くして声をあげた。
もう何度かここで性行為に及んでいるものの、いつもはササッとフェラチオして、ササッと入れて、そのまま彼女の中に放出しておしまい…そんなだったから、僕が彼女へ奉仕しようと言った事に驚いたのだろう。
「わ、私はいいよ、そんな時間ないでしょ!?」
「少しくらい大丈夫だって、今までだってバレそうになったことないだろ?」
「でも・・・あんっ」
僕は躊躇う妻の両脚を開き、その中央部に指を這わせた。
少しだけ身体の角度を微調整する…僕に寄りかかるようにして、両脚をM字に開く妻の姿を真正面から店主に見せるためだ。
「あ、ああ・・・ん」
僕が硬くなっているクリトリスに触れると、妻は控えめな喘ぎ声をあげた。
いつもなら、妻の正面に店主の覗く扉がくると、バレる事を恐れて、その扉は細く細く閉じてしまうのだが、今日は「彼女の目が悪い」という情報を渡してあるから、堂々と扉は開いたままだ。
(もっと、もっと見てくれ・・・妻の卑猥な姿を…)
妻は知らない事とは言え、M字に両脚を開き、股間を夫に弄られて気持ち良さそうな声をあげる姿を、僕以外の男が見ている…それも真正面から。
その事実は僕を信じられないほど興奮させた。
「気持ちいいかい?」
「き、気持ちいいけど・・・怖いわ」
「怖い?」
「だって、いつおじさんが来るか解らないもの」
(その心配はないさ、もうとっくに見られているからね)
そう思ったが、勿論、僕は妻にそんな事は言わなかった。
「そうか、じゃあ、そろそろ入れようか」
そのかわりにそう言ったのだ。
「うん、早くして…」
「じゃあ、そこに手をついて…お尻をこっちに向けて…」
早く終わらせたい一心からか、妻は素直に立ち上がると、浴槽の縁に手をついて、尻をこちらへ突き出した。
――ヌチュぅ
「あっ・・・あぁ」
突き出された尻に向けて僕は一気に怒張した男根を突き刺した。
――パンッ、パンッ、パンッ
広い浴室の中に僕と妻の肉同士がぶつかり合う音が響き渡る。
「あんっ、あんっ、あんっ」
妻はちょうど、店主が覗く扉側を向いて、僕に尻を突きだしている。
視力の良い女性ならば、そこから他人が覗いている事が解るだろうが、生憎妻は視力検査の時に一歩前へ出ないと一番上の大きな字も見えない程に視力が悪い。
(バレる訳ない・・・)
そう思うと、僕は益々大胆な気持ちになった。
(この位置関係だと、店主にはイマイチ迫力のある角度じゃないだろうな・・・)
そう思った僕は、立ちバックの姿勢のままで近くにあったタオルで妻の首筋や額の汗を拭ってやった。
それから、そのタオルで当たり前のように彼女を目隠しする。
「な、なに・・・するの?」
「たまにはこういうのも良いだろ?」
そう言いながら、キュッと頭の後ろでタオルを結んで目隠しを完成させると、僕はやおら開いた扉へ向けて手を上げて、こちらへ招きよせるように手を振った。
妻は今、目隠しをしていて何も見えてはいない。
今なら静かに近寄れば、店主はもっと近くから妻の裸身を楽しむ事が出来るのだ。
だが、店主はなかなか扉から中に入ってこようとはしない。
やはり躊躇いがあるのだろう。
そんな彼に向けて僕は何度も何度も、こちらへ来いと手で招いた。
ようやく5回ほど同じ動きを繰り返した時、ようやく音もなく扉が開いて、さっき番台で会ったばかりの店主が姿を見せた。
近くまで来ると、少しバツの悪い表情をしている。
――パンッパンっパンッ
店主が、僕らの目の前までくると、僕は再び激しく彼女を後ろから突き始める。
「あっ、あんっ…あんっ」
目と鼻の先で他人が見ているとも知らずに、快感によがりながら腰をクネらせる妻。
本来、彼女のこんな卑猥な姿は夫である僕しか見る事は許されないはずなのに、吐息が届くほど近くで店主が凝視している。
――ゾクっ
僕の背筋に快感とは違う感触が走った。
(う、おお・・・)
こんなに興奮したのは生まれて初めてだ。
僕の可愛い妻・・・大切な妻・・・その妻が性行為に耽っている所を他人が見ている。
しかも、あの視線はどうだ。
もう良い歳だろう店主がギラギラと若者のような欲望丸出しの目で妻を目で犯している。
――ムニュぅ
僕は後ろから彼女を突く腰の動きは緩めずに、手を伸ばして妻の乳房を揉んだ。
「あっ・・・あはぁ・・んっ・・・ん」
そのまま一しきり、柔らかい乳房の感触を楽しむと僕は一旦彼女の胸から手を離す。
そうして、チラリと店主に目配せした。
(胸ぐらいなら触っても良いぞ…)
そう言うつもりの目配せだったが、彼は今一つピンと来ないようで、ただただ僕の腰の動きに合わせて揺れる妻の胸を凝視している。
(触りたくないのか?・・・)
伝わらないもどかしさを感じながら、僕は仕方なく手振りを交えて、彼に「妻の胸を触っても良い」と伝えた。
ようやく僕の真意が彼に伝わると、彼はこれ以上ないくらいに驚いた顔をして僕を見た。
――コクッ
その彼へ向かって僕は小さく頷く。
――ムニュッムニュムニュ…
(さ、触った・・・)
僕が本気らしい事を悟ると、店主は妻の胸を揉み始めた。
右手で妻の左乳房を、左手で妻の右乳房をそれぞれに揉みしだく。
僕はその手が僕のものではないと妻にバレないように、小さくバンザイをして彼女に手が触れないように気を付ける。
「あっ…あっあっあっあっ・・・あぁ・・・」
今、自分の胸を揉んでいるのが、夫には似ても似つかない他人だとも知らずに立ったままで僕に突かれて喘ぐ妻の姿・・・。
(う、おおっ…)
僕はそんな妻の姿を見ていると興奮も最高潮で、早々に射精感が湧き上がってきた。
「う、あ・・・い、イク・・・よ」
「う、うん・・・だ、出して・・・出して・・・」
店主の眼前で、彼に好きに胸を弄ばれながらそう言う妻。
今の自分の姿を、もしも離れた所から見る事が出来たら、彼女は卒倒してしまうに違いない。
――パンっパンッパンッ!
両手が使えないので、小さくバンザイした間抜けな姿で腰を妻に打ち付ける僕。
彼女の腰を固定する事が出来ない分、刺激はいつものバックスタイルよりも弱かったが、今日はそれを補っても余りある光景が目の前で繰り広げられている。
「あっあっあっあっ…あぁぁっ」
妻の一際大きな声に、チラリと店主の手元を見ると、コリコリと妻の乳首を摘まんで刺激していた。
「で、出る・・・っ・・・うっ!」
店主の親指と人差し指で乳首を摘ままれて感じる妻の姿を眼にすると同時に、僕は思い切り彼女の中に溜まった欲望を吐き出した。
ビクリ、ビクリっと彼女の中で脈打つ自分の男根の感触・・・だが、その余韻にいつまでも浸っている訳にはいかなかった。
店主が妻の胸から手を離し、ボイラー室に消えるまでタオルの目隠しを外さないようにしなければならなかったからだ。
「あっ、ちょっと待って・・・」
僕は、行為が終わると早々にタオルを外そうとする妻にそう言った。
「なんで?」
「ちょっと、硬く結びすぎちゃったみたい」
「このままスッポリと抜けそうだから大丈夫よ」
「あ、でも・・・その・・・髪の毛が絡んでるから痛いよ、きっと」
「そうなの?じゃあ、ほどいて?」
「う、うん・・・ちょっと待てよ」
僕はタオルをほどくフリをしながらボイラー室へ戻っていく店主の姿を見届けた。
「もういいよ・・・ほどけたから」
一言そう言うと、妻は久しぶりの灯りに目を細めて眩しそうな顔をした。
「毎度どうも~!」
入浴を終え、一休みした後で帰っていく僕らを店主はいつもと寸分変わらぬ様子でにこやかに送ってくれた。
(次はもう少しサービスしてやっても良いかな・・・)
僕はその店主の声を背中に聞きながら、そんな事を考えて自宅へ向けて歩き始めた。
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