「カンパーイ!!」
雄大はビールを、僕と明日香は酎ハイを、真由ちゃんはウーロン茶で乾杯した。
僕の両親と雄大の両親が泊りがけで一緒に温泉へ行った。
僕と雄大は高校3年生だし、2人の妹たちももう高校1年生だ。
両親は安心して僕達を置き去りにしたのだろうが、雄大の提案でその夜はあっと言うまに飲み会になった。
「真由~、何飲んでるのよ~」
「なにって・・・ウーロン茶だけど・・・」
「なんで1人だけお酒じゃないのよ~」
「だって・・・未成年はお酒飲んじゃいけないんだよ?」
真由ちゃんが正しい。
僕達は高校3年生だし、2人の妹たちに至っては高校1年生だから、当然飲酒が許される訳もない。
「硬い事言うね~、誰もいないんだから良いじゃん!飲んでも」
「でも・・・わたしお酒なんて・・・飲んだことないし」
「じゃあ、真由は酎ハイでも飲めよ!ジュースと同じだってこんなもん!」
雄大がコンビニで買ってきた大量の缶の中から飲みやすそうな酎ハイを選んで真由に渡した。
「でも・・・」
「飲めないようなら僕が変わりに飲むから、少し口付けてみれば?」
僕は彼女に少しは男らしい所を見せたくて、お酒を呑むことを躊躇う真由ちゃんにそう言った。
「じゃあ、ちょっとだけ・・・」
「・・・」
「どう?」
「うん・・・おいし・・・」
「そっか、じゃあゆっくり飲むと良いよ」
ここは勝手知ったる雄大の部屋だし、真由ちゃんにとっては自宅だ。
多少の事があっても両親ともに明日にならないと帰ってこないし、僕も少しタガが外れていたのかもしれない。
僕ら4人は飲酒をしている事以外は、普段と全く変わらずにテレビを見たり、ゲームをしたりして夜遅くまで過ごした。
そして間もなく日付が変わろうか―と言う頃だった。
「王様ゲームしようぜ~」
雄大が明らかに酔っぱらった様子でそう言いながら階下から割り箸を持って上がってきた。
「王様ゲーム?」
「ああ、飲み会と言えば王様ゲームだろ?」
「そ、そうなの?」
僕だって、そうそう頻繁に飲み会なんてものに参加している訳ではないから、雄大にそう聞き返した。
「ちょっと待ってろよ、今割り箸に番号書くからよ」
雄大は僕の質問は無視して、割り箸にマジックで数字を書き込んで準備を進めた。
「さ、一個だけ赤いマジックで印ついてるからよ、それ引いた奴が王様な、王様の命令は絶対だぜ?」
「なんか、イヤらしい匂いがプンプンするんですけど~」
明日香がケタケタ笑いながらそう言った。
彼女もすでに酔っぱらっているようだ。
「雄大、イヤらしい事はなしだぜ?真由ちゃんもいるんだし」
「なんでだよ、少しくらいエロい方が盛り上がるぜ?なぁ?真由」
雄大がそう言いながら真由ちゃんを見る。
「そうだね~!お兄ちゃんに任せるよ!」
彼女はハキハキとそう答えた。
(真由ちゃんじゃないみたい・・・)
どうやら彼女はアルコールが入るとハキハキと話す事が出来るようになるらしい、いつもなら「イヤらしいのは困るよ・・・」と言うはずなのに、今は雄大の言うがままに王様ゲームを楽しもうとしている。
(1人だけ真面目にしててもバカバカしいや・・・)
僕は真由ちゃんのそんな姿を見て、自分も両親のいない一夜を存分に楽しむ事に決めた。
※※※
「王様だ~れだ!!」
「あ、僕だ・・・」
最初の王様は僕が引き当てた。
「よし、じゃあ拓也、番号で命令するんだぞ?解ってるよな?」
「いくら何でも王様ゲームくらい知ってるよ・・・えっとね、3番の人が変な顔をする!これでどう?」
「つまんねぇけど・・・まぁ、最初はそんなもんだろ・・・で?3番って誰だよ」
「あ~、あたしだ!」
3番は明日香だった。
そして何の躊躇いもなく、両手を使って、とても見れた物じゃない変な顔をして僕らに順に見せて回る明日香・・・。
「なんだよ~、やっぱりつまんねぇよ!嫌々やったり、恥ずかしい事をやらすのが王様ゲームの醍醐味だぜ?次いこうぜ、次!!」
雄大は僕の設定した罰ゲームにあからさまに不満な顔をして次を急かせた。
「王様だ~れだ!」
「あ、あたしだ!」
今度は明日香が王様になった。
「つまんねぇ罰ゲームにすんじゃね~ぞ?」
「う~んとね・・・じゃあ…1番がパンツを下げてアソコを見せる!どう、これで!?」
「ちっ、ちくしょう!!」
突然雄大がそう言いながら立ち上がった。
「どうしたの?」
僕は驚いて彼にそう訊ねる。
訊ねられた彼は黙って自分の持っていた割り箸を僕に見せる。
そこには「1」と書かれている。
「あはははは!雄大が1番だ~!アソコ出せ~!」
明日香は完全なる酔っ払いと化して雄大を囃し立てた。
「ちっ、おらっ!!これでいいか」
雄大はズボンと下着をまとめて下げた。
普段4人で性的な行為をするときには彼のモノは大抵は勃起している。
こんな風にダラリとぶら下がっている男根を見る機会も珍しい。
「へぇ、立ってないとこんな風なんだね~、いいもん見たね~真由」
「うん」
普段なら赤面して俯くはずの真由ちゃん、だけど彼女もアルコールの力にやられているようで、可愛らしい表情で真っ直ぐに兄の男根を眺めている。
「いつまでこうしてれば良いんだよ」
「あと10秒ね~・・・」
「ちっ・・・」
「・・・・・・・・」
「はいっ!終了~」
「ちくしょう!次はぜって~王様になってやる!」
雄大はそう息巻いた。
しかし・・・次の王様は再び僕だった。
「またつまんねぇ罰にすんじゃねぇぞ!」
「ええぇ・・・」
僕は困った。
雄大が望んでいるような事は手に取るように解るが、万に一つもそれが真由ちゃんに当たる可能性があると思うとなかなか言えない。
「じゃあ、2番が僕にキスをする」
僕は、2番が真由ちゃんでありますようにと願いながらそう言った。
「ば、バカ野郎っ!どうすんだよ、これ!」
途端に雄大が僕に割り箸を投げつけながら言った。
床に落ちた割り箸には「2」と書いてある。
「あ・・・」
「あははは、雄大が兄貴にキス~!」
「ふ、フザけんなよ!出来るかっつ~の、んな事!!」
「あ~、ズルい~、じゃあ私だって何か当たってもやらないからね~、ね?真由?」
「そうだね~、それじゃゲームにならないよ、お兄ちゃん、うふふ」
明日香だけでなく真由ちゃんまでもがそう言って面白がるから、雄大も引くに引けなくなったようだ。
「わ、わかったっつ~の、み、見てろよ」
「わ~っ!ちょっと待って、口にキスとは言ってないだろ?僕」
「あ、まぁ確かにな」
「頬、頬にキスにしよう!」
僕はご丁寧に目まで瞑って僕に近づいてくる雄大を制止て慌ててそう言った。
「う~ん、なんかズルいけど・・・ま、いっか」
明日香がそう言ったから僕は雄大に唇を奪われる危機から救われた。
――チュッ
それでも男にキスされるのはあまりいい気分ではない。
「おえ~っ・・・」
それは雄大も同じだったようで、彼は僕の頬にキスするとそう言った。
「こ、今度こそ王様引いてやるからな!ちくしょう!」
それからそう毒づく・・・。
「王様だ~れだ!」
「よっしゃ~!!」
ようやく雄大に王様が回ってきた。
彼は大喜びだが、僕は嫌な予感が止まらない。
「ど、どうするのさ」
僕は不安な面持ちで彼に訊ねた。
「ふふふ・・・俺はもう最初から決めてあるぜ」
不敵な笑みに益々嫌な予感が止まらない。
「明日香と真由をレズらせるのが、今日の俺の目的だ!」
「はぁ!?」
明日香は飲んでいた缶酎ハイを危うく床に落としそうになりながら言った。
「うるさい!!王様は俺だ!さぁ、やってもらおうか・・・」
「ち、ちょっと待てよ、僕が当たるかもしれないだろ!?」
「そんときゃ、その時だ!1番が3番のアソコを触る!これでどうだ!!」
「・・・」
「・・・」
明日香と真由が黙った。
そしても僕は自分の手にある割り箸を見る。
そこには「2」と書いてある・・・つまり、雄大の目論見は成功してしまったのだ。
「どっちが1番だよ!?」
「あ、あたしよ・・・」
明日香が手を上げた。
「よしっ、じゃあ明日香が真由のアソコを手で触るんだな?」
「ち、ちょっと・・・本気?」
「当たり前だろ~、俺だってさっきパンツ脱いだんだぞ!」
そう言われると、さすがの明日香も何も言い返せない。
ほんの少し前に、自分が「王様の命令は絶対だ」と言って、彼にパンツを降ろさせたばかりなのだ。
「わ、わかったよ・・・真由・・・触るよ」
「え?え?・・・え?」
ほろ酔い加減で思考能力の鈍っている真由ちゃんの股間に明日香の手が伸びる。
そして・・・。
「あっ・・・やんっ」
真由ちゃんから可愛らしい声が漏れた。
僕のテンションは一気に上がる。
僕以外の人間が彼女へそうした行為をするのは正直いい気分はしないが、何と言っても今の相手は妹の明日香だ。
別に嫉妬心のようなものも湧きはしない。
その余裕が僕を興奮させるのだ。
「可愛い声だね、真由・・・ほら・・・ここ・・・どう?」
なんだかんだと言って、明日香も真由ちゃんの口から可愛らしい声が漏れるとテンションが上がってきたようで、中年オヤジのように彼女へ感想を求めながら愛撫を始める。
「んっ・・・あ、明日香・・ちゃん・・・ダメだよ」
「どうして・・・?」
「だって・・・だって・・・」
「だって・・・なに?」
「き、気持ち・・・良くなっちゃう・・・」
「いいじゃない・・・気持ち良くなっても」
「でも・・・女同士でこんな・・・おかしいよ」
酒には酔っていても、まだギリギリその辺の判別は出来るようで彼女はそう言った。
だけど、相手が悪い・・・明日香は既に完全なる酔っ払いへと進化していて、その手の動きを緩める気配はない。
「あっ・・・あっ・・・や、やめっ・・」
「直接触っちゃおうかな~」
明日香は真由ちゃんのスカートの中へ手を突っ込んでゴソゴソとしているので、中の様子が全く解らないけど、どうやらここまでの所は下着の上から彼女の敏感な部分を弄っていたらしい・・・それを今度は直接触ると言う。
「んっ・・・あ・・はぁ・・・っ・・・」
「あ~っ、ちょっと濡れてきたよ・・・真由」
明日香がニマニマと笑いながらそう言ったから、僕のテンションは天井知らずに更に上がり続ける。
大好きな彼女が、実の妹に手で愛撫されている。
しかも、その部分は快感の為に濡れはじめたらしい・・・。
これが興奮せずにいられるものか。
――クチっ…
小さく聞き慣れた粘着性の音が僕の耳をついた。
(うわぁ…ホントに濡れてる・・・それに、明日香も本気でしてるし・・・)
「おっ、マジで濡れてんじゃね?」
その粘着性の音を聞いたのは僕だけではなかったようで、雄大もすかさずそう言った。
何だか複雑な気分だ・・・明日香が真由ちゃんと何をしようと嫉妬はしないが、雄大に真由ちゃんのそうした姿を見られるのは何だか嫌な気がする。
彼は真由ちゃんの兄なのだから、そうそう思い切り嫉妬する対象でもなさそうなものだが、嫌なものは嫌なのだから仕方がない。
「んっ、んっ―はぁ…」
さすがにアルコールが入っていても、僕達の前で明日香に奉仕されて手放しで喜べるほどに羞恥心を失っている訳ではなさそうな真由ちゃんは、気持ち良さそうな表情は見せるものの、大きく喘ぎ声を上げてしまわぬように必死で堪えているようだ。
――クチュクチュ・・・
「い、いや・・ぁ・・・恥ず・・・かしいよぅ」
部屋中の響く卑猥な音に真由ちゃんが恥ずかしがりながらそう言った。
「じゃあ、あと10秒ね~」
完全に酔っ払いと化した明日香がそう言いながら指を尚更早く動かす。
――クチュクチュクチュ…
「あっ・・・あっ・・・あ、明日・・・香・・・や、やめ・・・あぁっ・・ん」
――クチュクチュクチュ…
「あっあっ・・・あっ・・・」
「はい、終了~~」
「あっ・・・はぁ・・・」
明日香がようやく真由ちゃんの秘部から手を離した。
徐々に気持ちも高まってきていたのか、完全な喘ぎ声を発していた真由ちゃん・・・もう少し明日香が止めなければ、もしかすると果てていたのでは・・・そう思う。
「よし、じゃあ次は2番が王様に口で奉仕する!にしようぜ!!」
雄大が興奮した様子でそう言った。
いくら妹と言えども、真由ちゃんは可愛い・・・その真由ちゃんが明日香に愛撫されて悶える様は彼をも興奮させたようだ。
「ちょ、待ってよ!何で雄大が決めるのさ!それじゃ、王様ゲームにならないだろ!?」
僕は当然のようにそう抗議する。
「うるせぇよ!おまえらに王様が当たってもツマらん事ばっかり言うからだろ!?」
「そんな横暴な・・・」
「とにかく、次は王様に2番が口でする事!これに決まり!」
こいつは・・・解っているんだろうか・・・。
もしも僕が王様を引いて、雄大が2番だったら大惨事だ。
いや、興奮しきった彼はおそらくそんな事まで頭が回っていないに違いない・・・。
「王様だ~れだ!!」
そんな僕の心配はよそに、彼は1人高らかに声をあげて「無意味な王様」を選ぼうと強引に皆に割り箸を引かせた。
「あっ!」
僕は引いた割り箸を見て思わず声をあげてしまう。
「なんだよ・・・2番か!?」
「あ、いや・・・その・・・王様・・・」
僕は王様を引き当てた。
つまりこの中の誰かが「僕に口でする」のが今度の罰ゲームだ。
「2番はどっちだよ?俺じゃないぜ?」
雄大がそう言ったから、どうやら僕は雄大とそうした行為をするのは避けられるようだ。
僕は反射的に真由ちゃんを見た。
フルフル・・・と可愛らしく彼女が首を振る・・・。
どうやら真由ちゃんは2番ではないようだ。
…と言う事は・・・。
「あたしだ・・・」
明日香がポツリと呟いた。
固まる僕・・・それに真由ちゃんも言葉を発する事が出来ずにいるようだ。
そして雄大・・・彼にしてみれば好意を寄せる明日香が親友である僕、それも兄にフェラチオしなければならないと言う結果になったのだから当然固まっている・・・と思った。
「おっ、じゃあ明日香が拓也にフェラだな」
ところが違った。
お酒の勢いなのか、もともとそうした事にこだわりが無いのか知らないが、彼は実にあっけらかんとそう言ったのだ。
「そ、そう言う訳にいかないだろ…兄妹だぞ」
僕は真由ちゃんを見ながらそう言った。
「王様の言う事は絶対だろ~!」
「王様は僕じゃないか、雄大が勝手に決めた罰ゲームだろ~」
「でも割り箸はきちんと平等に引いただろうが」
「そりゃ、そうだけど・・・第一明日香がする訳ないよ、そんな事…な?明日香?」
「・・・」
「明日香?」
「やるよ、ゲームだもん」
「はぁ?」
明日香がフェラチオをすると言い出した、兄である僕に。
こいつの場合は目がトロンとしているから、完全にアルコールの勢いだけでそう言ったのだろう。
(だ、ダメだ・・・こいつは・・・)
明日香のそんな様子を見た僕は、頼みの綱の真由ちゃんへ話を振る。
「ま、真由ちゃんの前でそんな事出来ないよ。真由ちゃんだって、僕が明日香にそんな事されるの見たくないでしょ!?」
「うん…でも…明日香ちゃんなら・・・他の娘だったらイヤだけど・・・」
この瞬間、僕は最後の頼みの綱も失った。
僕以外の3人が、忠実にゲームを続行すると言う結論に達しているのだ。
雄大が言うのは解る・・・それに明日香も酔っぱらっているようだから、まぁ解らないでもない。
だけど、そんなにアルコールの影響を受けている様子もない真由ちゃんまでもが、こんな行為を容認するとは・・・。
「さっさと脱げよ、拓也!」
雄大が急に大きな声でそう言うものだから、僕は反射的に立ち上がってしまった。
こうなったらもう・・・脱ぐしかない・・・。
僕はこの瞬間、大好きな彼女の前で妹にフェラチオされる事が確定してしまった。
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