「んっ…んっ…うはぁ…っ…」
姉の口から苦しげな吐息が漏れた…。
あれから僕等は、両親が仕事で不在になる昼間の時間を狙って、数えきれないほど身体を重ねてきた。
誘うのはいつも僕からだったけど、姉が僕の誘いを断ったのは生理になってしまった時だけで、しかもその時もエッチが出来ない変わりにと言って、口で僕のモノを鎮めてくれた。
姉が最初にコンビニで購入してくれた6個入りのコンドーム等はとっくに使い切っていて、次に僕が買いに行った6個入りのコンドームも先週使い切った。
そして今週に入ってから僕たちは勇気を振り絞って薬局へ行って12個入りで、ちょっとお得なコンドームを購入し、それすらも残り数個…それほどに夏休みを使って、僕たち姉弟は行為に及んでいたのだ。
「ね、姉ちゃん…気持ちいい…」
「うん…お姉ちゃんも…気持ちいいよ…」
僕たちは今日、初めて互いの性器を同時に舐めあう…いわゆるシックスナインと言うやつに挑戦していた。
前から興味はあったが、姉がなかなか「僕の顔を跨ぐ」と言う行為を承知してくれなかったから、今日まで実現しなかった。
「そんなにしたい?…じゃあ…いいよ…してみよっか…」
だから姉がそう言って、シックスナインを了承してくれた時はすごく嬉しかった。
夏休みももう残り少ない…それが姉を思い切らせたのだろうと思う。
「んっ…んっ…んっ…あぁ…っ…」
姉がいつも僕にフェラチオしてくれる時のリズムの良い「んっ」と言う声…今日は僕が目の前の姉の秘部を舐めると、そのリズムが乱されて、合間に喘ぎ声が混ざる。
「そんなに…舐めたら…翔太のこと、ちゃんと出来ないよぅ」
姉は時折、甘えたような声で僕にそう訴えたが、昼日中から目の前に丸出しの女性器を差出されれば、誰だって舐めてしまうに違いない。
僕は姉が何を言おうと、彼女の秘部を舐める事を止められなかった。
「あっ…んっ…翔太…っ…」
夏休みの間に、暇さえあればSEXに耽っていた僕たち姉弟は、見る見るうちにそのスキルを上げていた。
姉は、初めてのSEXで感じた苦痛が嘘のように感じるようになったし、僕は僕で中学2年生ではあり得ない程の性的な経験量だろうと思う。
――ジュポっ…ジュルっ…
経験量だけなら、姉だって同じな訳で、僕よりも器用に生まれついた分彼女のフェラチオテクニックはメキメキと上達し、本気を出されるとあっと言う間に果てそうだ。
もしも、僕や姉が同級生と付き合う事になって身体の関係を持ったら、互いの相手はその床上手ぶりに驚くに違いない…。
(ダメだ、ダメだ…)
そこまで考えて、その猥褻な妄想を僕は振り払った。
僕にとって、姉はもはや性的好奇心を満足させてくれるだけの相手ではない。
姉弟で結婚は無理でも、いつまでも2人で一緒に暮らして行きたい…本気でそう思う「女性」でもあるのだから、その姉が他の男性と付き合う事なんて想像の中だけでもあってはならないのだ。
「姉ちゃん…もう…入れようよ…」
僕は急に姉を自分の支配下に置きたい気持ちになってそう言った。
「うん…」
姉は短く返答すると、僕の上から身体を避けて僕と入れ替わるように仰向けに寝転がった。
「コンドーム着けないで入れてみたい…」
僕は姉にそう言った。
そうする事で姉がまた一歩、僕だけのものになるような気がしたからだ。
「それは…ダメだよ…」
「どうして?…」
「だって…赤ちゃん出来ちゃったら困るもん…」
「ちゃんと外で出すから…」
「外で出すのは避妊じゃないって、なっちゃんが言ってたよ…」
姉は彼氏持ちの友人である西上 奈津の言葉を借りてそう言った。
「子供出来たら、俺一生懸命働いて育てるから…」
「もう…バカな事言わないの…」
姉は優しくそう言うと、コンドームの包みを一つ千切って僕に手渡した。
姉の言う事の方が最もなだけに、僕は彼女に従ってコンドームを装着するしかなかった。
――ヌチュチュっ…
卑猥な音をたてて、僕のモノが姉の中へ侵入した。
「あっ…あぁぁっ…ん…あっ…」
今では姉は最初の頃の痛みなんて嘘のように、僕に突かれる度に快感の声を上げる。
「あっ…あっ…あっ…しょう…た…もっと…深く…」
そして、その快感は姉から羞恥と言う壁を取っ払ってしまうようで、弟に向かって「もっと深く入れて欲しい」と言う猥褻なセリフも躊躇いなく発せられる。
僕は姉の希望通り、彼女の両脚を抱えて身体をくの字にして、より深い挿入感を与える。
何度も繰り返すうちに、この態勢が姉の一番深くまで届く事を知っていた。
「あっ…すご…い…奥まで…入ってるよ…翔太…」
こんな事も躊躇わずに言いながら姉は可愛い顔を恍惚とさせて喘ぐのだ。
そしてその姿は僕を興奮させる。
「うっ…ね、姉ちゃん…なんか…すごい締め付けだよ…」
僕は僕でもう平気でこんな事も言えてしまう。
「だ、だって…翔太が…お、お姉ちゃんのこと…気持ち良くするから…勝手にそうなるんだよぅ…」
自分の身体が快感の為に勝手に反応してしまうのは、さすがに恥ずかしいのか姉は甘えたような声でそう言い返してくる。
――パンっ…パンっ…
やがて徐々に激しく僕は姉に腰を打ちつける。
「…あっ…すご…っ…気持ちっ…いい…」
深く…激しく…自分の中に打ち付けられる弟の肉棒に我を忘れるように感じる姉の姿を見ながら、僕の快感のボルテージは上がっていく。
最初の頃なら、この辺りで僕は限界を迎えていただろう。
しかし、夏休みの間に経験を積みまくった僕は発射の危険が迫ると「自制」すると言う事を覚えていた。
「…あぁぁ…あぁぁ…あぁ…」
僕の腰の動きが緩やかになると、姉の喘ぎ声も緩やかに…糸を引いたような声色に変わる。
僕は激しいピストンは自重しても、男根を深く突き入れたままでグリグリと姉の中を掻きまわすと言う事も覚えたから、自分を射精の危険から守りながら姉も気持ち良くなってもらうと言う事も出来るようになってきていた。
しかし、それは長く続ける事は出来ない。
無意識下のことなのか、それとも意識してやっているのかは知らないが、僕の下で喘ぐ姉は、それを長く続けると自らの腰をクネクネと淫らに押し付けてきて、まるで「早く激しく突いてよ」と言わんばかりになるのだ。
――パンっ…パンっ…
僕は再び姉の中へ激しく自分のモノを抽送する。
「あっ…あっ…あっ…ん」
それに呼応して再び激しさを増す姉の可愛らしい喘ぎ声。
「あっ…あっ…い…いくっ…イキそう…翔太…」
ややもすると姉は僕に「イキそうだ」と告げた。
この頃には、僕よりも先に姉が果てる事の方が多くなっていたのだ。
だが、そのタイミングはいつも紙一重で、姉が果てそうになる頃、僕も射精感を感じている。
「しょ…しょう…た…一緒に…いこ?…」
ずっと目を閉じたままで喘いでいた姉が、この時だけは目を開けて、可愛らしい顔で僕を見てそう言う。
いつもの僕は、これがダメ押しになって、殆ど姉と同時に果てる事が多かった。
しかし今日は違った。
「俺…まだ…姉ちゃん先にイッても良いよ…」
僕もギリギリの射精感を感じていたが、何とか堪えられそうだったのだ。
「そんな…恥ずかしいよ…お姉ちゃんも一緒にイク…ぅ…」
そんな事を言う姉は可愛らしかったが、その時の僕は少し意地悪だった。
――パンっ…パンっ…パンっ…
姉の好きなくの字の体位で僕は彼女を激しく突いた。
姉が先にイクか、この激しい抽送で僕が先に果てるかは賭けだったが、僕にとってはどちらでも良かったのだ。
「あっ…あっ…あっ…だ、ダメぇ…お、お姉ちゃん…イッちゃう…よぅ」
「イッてよ…先に…イッて…姉ちゃん…」
「しょ、翔太も…あっ…あっ…い、一緒が…いい…あっ…んっ…」
そろそろ僕も射精感が堪えきれなくなってきた。
(もう出してしまおうか…)
そう思った時、姉の身体が激しく痙攣した。
「あっ…だ、ダメぇ…い、イク…イッ…クぅ…はぁうっ!!」
姉は大きく1回身体を震わせた後で、ビクっ、ビクっと小さめに2回身体を痙攣させながら果てた。
「い、いぢわる…するから…イッちゃったよ…お姉ちゃん…」
「いいじゃん…女の人は何回でもイケるんだし…」
僕はそう言うと、再びゆっくりとしたペースで腰を動かし始めた。
「あっ…あぁ…ま、待って…待って…」
姉はすぐにそう言いながら再び喘ぎ始める。
「待たないよ…」
僕は一言だけそう言って、ゆっくりとした…一定のリズムで姉を突き続ける。
「あぁ・・っ…なんか…なに…これ・・・・すごいっ…」
自分のモノを挿入して姉をイかせたのはこれが初めてではなかったが、姉がイク時には僕も殆ど同時に果てていたので、彼女だけが果てた直後にそのまま抜かずに再びピストンを再開すると言うのは、これが初めての体験だった。
当然、姉にしても「1度イッたのに、挿入を止めてもらえない」と言う体験は初めてだった。
「すごい…すごい…すごい…っ…あっ…」
1度果てた姉の身体は、さらに敏感になっているらしく、ひたすら「すごい」を連発しながら、その快感に没頭していった。
――グチュっ…グチュっ…
と言う卑猥な音が益々部屋の中に頻繁に響き渡るようになる。
「あぁ…っ…すごい…翔太の…すごい…っ」
「すごい、すごい」と連発しながら喘ぐ姉の姿は艶めかしくて、それを見ていると僕も暴発しそうになる。
「あ…また…しょう…たっ…お姉ちゃん…またっ…」
しかし、姉のこのセリフが僕に射精を思いとどまらせた。
「また」としか言っていないが、姉の様子からそれは「また、イッてしまう」と言う意味に違いなかったからだ。
(も、もう少し…我慢するぞ…っ)
僕は下腹部に力を入れて湧き上がる射精感を堪え続けた。
心の中でも「発射したい欲望」と「もう1度姉を果てさせたい気持ち」が激しい鍔迫り合いを繰り広げている。
(早く…姉ちゃん…早くイッて…)
「あっ…翔太…お、お姉ちゃん…またっ…イッちゃう…翔太も…翔太も…」
僕に限界が迫っていた時、姉はそう言った。
「うん…俺も…もう…出る…っ…」
「うん…うんっ…お姉ちゃんもお姉ちゃんも…また…い、イク…イク…イッくぅぅぅ!!」
姉はついさっきのリプレイ映像を見ているように、同じように身体を痙攣させながら「はあっ」と大きく息を吐いて果てた。
「んっ…うっ…お…」
僕もそれを見て、姉の中で我慢していた欲望を弾けさせる。
――はぁはぁはぁ…
僕と姉は夏休み中に何度も何度も身体を重ねたが、一つだけ最初から変わらない事がある。
それは、互いに快感の絶頂を超えたあとの、この気怠く気まずい空気だ…。
僕はいつも、その空気に耐えられなくて、そんなに体力的に辛い訳でもないのに、果てた後で必ず姉の上に覆いかぶさったまま、しばらく動かなかった。
今日も、このまま…しばらく互いに裸のままでベッドの上で重なっているはずだった…。
しかし…
「ただいま~…」
階下から、帰ってくるはずのない母の声が聞こえた。
――ガバっ!
僕と姉は反射的に身体を起こしてから一瞬目を合わせ、その後で互いの衣服を慌てて拾い上げた。
「あんた達まだ寝てるの~!?…夏休みだからって寝過ぎよ~」
母の声が階下からまた聞こえた。
その声は最初の「ただいま」よりも近くから聞こえる。
(マズい…2階へ来る気だ…!)
母は僕と姉がそれぞれ自分の部屋で眠っていると思っているのだろう。
こんな昼を過ぎても寝ているなんて…そう思って起こしに来る気に違いなかった。
(頼む…先に姉ちゃんの部屋へ行ってくれ…)
ここは僕の部屋だ。
先にこちらへ来られたら、全裸の姉弟が慌てて衣服を着ている姿を母に見られてしまうかもしれない。
(それだけは避けないと…)
僕は大急ぎでトランクスを履いて、その上から短パンを身に着ける。
横を見ると、姉も明らかに焦った表情で同じように衣類を身に着けている。
――コン、コンっ…
「翔太?…寝てるの~!?」
ついに扉の外まで母が上がってきてしまった。
僕も姉ちゃんも衣服は着終わった。
しかし、窓も閉めきった暑い室内で汗だくなままの姉弟と、紅潮した僕等の顔…乱れた姉の髪…何より、つい今まで行為をしていたと言う痕跡は、この匂い…男女の激しい交わりを想像させる…何とも口では言い表せないが、一度経験のあるものならきっと解るに違いない匂い…。
――ガチャっ…
戸が開いて母の顔が中を覗いた。
僕が言うのも何だが、姉の可愛らしい顔は母譲りだと思う。
母も年齢の割には若々しく可愛らしい顔をしていた。
その顔が怪訝な表情で僕の部屋の中を覗いている。
「あら…あんた達…起きてたの…」
「うん…さっき起きた…」
「優奈も…何してるの翔太の部屋で…」
その母のセリフに振り返り姉を見ると、姉は僕の部屋の窓を開けて外を覗いていた。
「だって、お母さん達仕事ばっかりでドコも連れてってくれないから…退屈なんだも~ん…ね?翔太?」
「あ、うん…退屈だから姉ちゃんと話してた…」
我が姉ながら、とても自然なその振る舞いに驚く。
片や僕の不自然なセリフときたら…。
「そう…ごめんなさいね…お父さんも仕事忙しいみたいだし、お母さんも1人パートさんが辞めちゃって、大変なのよ…」
しかし母は僕等をどこにも連れて行けないと言う負い目もあったのか、姉弟の抗議を素直に受け止めたらしかった。
「その割に…今日…早いね」
姉が母にそう言った。
そうなのだ、母がこんな時間にパートを終えて帰宅するはずがないのだ。
「お母さん、勤務表間違って見ちゃったみたいで…ホントは今日お休みだったのよ~」
「し、出勤するまで気付かなかったの?」
「そうなの。お店に着いたら皆が変な顔するでしょ!?…それで気が付いたのよ~」
呆れた母だ。
その位きちんと確認すべきだ。
お陰でこっちは姉弟の背徳行為を親に知られると言う最悪の展開を迎えるところだった。
「ま、でもついでに買い物も済ませてきちゃったから、良かったわ」
(良くね~よ…)
「アイス買ってきたわよ…食べるでしょ?…優奈、ちょっと顔、赤いわよ?…のぼせてるんじゃないの?」
僕はドキっとして姉の顔を見た。
確かに「今、SEXを終えました」と言うのがピッタリな上気した顔…僕も似たようなものなんだろう。
「あ、食べる~。翔太も食べるでしょ!?」
姉はその上気した顔のままで、あどけない笑顔を見せてそう言った。
「ん…あぁ…食べようかな…」
僕は母に何か勘付かれているのではないかと不安だったが、とりあえず1階へ降りて母が買ってくれたアイスを食べて頭を冷やした…。
※※※※※※※※※
この時の母の様子をブログのみで公開です。
本編にも少し関係してきますが、読み飛ばしても意味が解らなくなる事はないと思うのですが^^;
※※※※※※※※※
…紙一重~その時母は~…
(どうかしてるわ…私…)
あの日…自分がシフト表を見誤って、パートへ出かけてしまい、間違いに気が付いて早めに帰宅した日…。
息子の翔太の部屋で確かに感じた。
「男」の匂い…。
勿論、翔太も男の子だし、中学2年にもなれば異性に興味を持って、ちょっと早いとも思うが、自慰を覚えてもまぁ変ではない年頃だ。
でもあの時、翔太の部屋には娘の優奈が居た。
上気した顔は、本当に暑いだけだっただろうか?
後から良く考えると「男くさい」中に、メスの淫靡な匂いが混ざっていなかっただろうか。
あの時の優奈の顔を思い出す・・・おかしいのは上気した赤い顔だけではない。
必要以上に髪が乱れていたような気もする。
髪の乱れは優奈が起きたばかりだったから。
上気した顔は今が夏で、エアコンもない翔太の部屋に2人でいれば当然のこと。
何度もそう思い直した。
でも説明がつかない…。
あの匂い。
姉弟しかいない部屋に立ち込める「情事の後」の匂い…。
夫の仕事が多忙を極めている事で、最近自分自身がそうした行為に縁がない事が尚更嗅覚を敏感にしているのだろう。
あの匂いは「あの匂い」に違いないと言う自信もあった。
そして女の直感とでも言うのか・・・最初に見たときの娘の・・・優奈の「満たされた顔」あれは女として満たされた表情そのものではなかったか?
(まさか・・・どうかしてるわ・・・私・・・)
そこまで考えて、また頭の中が最初に戻る。
自分だってまだ40を超えたばかりの女盛りだ。
最近夫とご無沙汰だった事もあって欲求不満だから、我が子を見てそんな卑猥な想像をするに違いない…。
何とかそう納得しようとした。
だが納得しきれない想いが、再び最初から同じ事を考えさせる。
そして、またもや同じ所まで考えて、その先のおぞましい光景を想像する事なく考えるのを止めた…。
朝から何度同じ事を考えただろう。
大切な子供達は、夏休みを終えて今日から仲良く2人で学校へ行った。
優奈が高校、翔太は中学だから途中までしか一緒に行けないはずだ。
今までは「仲の良い姉弟」を微笑ましく見送っていた。
しかし、今日はそれが出来ない。
(ちょっと・・・仲が良すぎるんじゃないかしら・・・)
あの位の年頃などは、自分にも経験があるが姉弟と一緒に歩いている所を友人に見られるだけでも恥ずかしいものだ。
それが毎朝毎朝・・・。
それに優奈が何だか、やけに翔太にベタベタしすぎるような気もする…。
疑いだせばすべてが疑わしく見える。
(どうかしてるわ・・・私・・・)
そして再び振りだしに戻った。
※※※
「ねぇ・・・お父さん・・・」
1人で悶々と考えるのが辛くなってきた私は、夫に悩みを打ち明けようかとも思った。
(ダメだわ・・・言えない…)
だが毎日クタクタになるまで働いて帰ってくる夫に、確信もないこんな馬鹿げた疑いを打ち明ける事は出来なかった。
「なんだ?…どうした・・・何かあったのか?」
「ううん・・・何でもないの・・・」
私は夫に姉弟のことを話すのを止めて、その変わり夫の身体にしがみついた。
誰がにしがみついていないと、あらぬ不安が湧き上がってきそうで怖かった。
それを夫は勘違いしたようだった…。
「久しぶりに・・・するか・・・?」
「え?…」
「もうしばらくしてないだろう・・・俺たち・・・」
「でも・・・疲れてるでしょ…?」
「なに・・・大丈夫さ・・・俺たちだってまだ40代だ。このまま廃れていくのも寂しいじゃないか」
夫はそう言って笑いながら蛍光灯のスイッチに手をかけて消灯した。
――チュっ…
久しぶりに夫と唇を重ねた。
もしかしたら、可愛い我が子達が・・・姉弟であらぬ行為をしているかもしれない。
その不安から、私はとてもじゃないが夫とその行為をする気にはなれずにいたが、久しぶ
りの夫の唇の感触は、途端に私の「女」を引き出した…。
夫の手がパジャマの中へ入ってくる…。
最近、自慢だった乳房が重力に逆らえなくなってきている事を自覚していた。
そんなだから自信を持って夫に「抱いて欲しい」とも言えなかった。
しかし、その乳房は夫を興奮させるにはまだ十分な魅力があったようで、彼は私の乳首に子供のように吸い付いてくる。
「はぁ・・・」
久しぶりの感覚に思わず吐息が漏れる。
やがて、夫の右手が待ちわびた場所へ触れた・・・。
――ヌルっ…
自分でも解るほどにヌルヌルになっているアソコ・・・。
そこを夫は器用に指を使って攻め立てる。
「あ・・・」
忘れかけていた快感に思わず小さな声が出る。
――クチュクチュ・・・
見なくてもその音が自分の秘部がどうなっているのか教えてくれた。
夫は一しきり指で私の秘部を攻め立てると、やおら身体を移動して私の脚の間に割って入った。
「あっ…!…」
突然、敏感な部分に感じたヌルっとした夫の舌の感触に思わず声が出た。
「おい・・・子供達に聞こえるぞ・・・」
夫が私の股間から顔を上げてそう言った。
(子供達に・・・)
夫のセリフでせっかく忘れかけていた悩みが再び脳裏をよぎる。
しかも今度は、それと同じ行為を今まさにしている分、否が応にもその光景が生々しく浮かぶ・・・。
今の夫と同じように、優奈の股間に顔を伏せる翔太の姿・・・・優奈ははしたなく両脚を大きく広げて、翔太のその行為を甘んじて受けている・・・。
(そ、そんな訳ないわ・・・)
突然浮かんだその光景に旋律して、それを振り払うように私は頭を振る。
――ピチャ・・・ぴちゃ・・・
自分の股間を舐める夫の姿が見える。
頭の中でも想像したくない光景が巡っていると言うのに、快感は容赦なく私を襲う。
「うん…むっ・・・」
自分の喘ぎ声を子供達に聞かせる訳にはいかない私は両手で自分の口を覆った。
――ジュルっ・・・
大きな音ではないが、その恥ずかしい音すらも2階の子供部屋まで届いているのではないかと心配だ。
しかし、前回がいつだったかも思い出せないほど久しぶりのその行為は徐々に私の中から姉弟に対する不安を取り除いていった。
「あ・・・あぁ・・・」
我慢していても小さな喘ぎ声は漏れてしまう。
私はその度にハッとして口を塞いだ。
「あっあぁ・・・あなた・・・私・・・」
普段、私は夫のことを「お父さん」と呼ぶ。
優奈が生まれて間もなく、自然とそうなったのだが、SEXの時は自然と「あなた」と呼ぶようになっていた。
久しぶりの行為だったが、その慣習はまだ私の中に残っていたようで安心した。
「あ、あなた・・・私・・・もう・・・」
夫は私の訴えを聞いて、顔を股間から離した。
それからもぞもぞと自分の下着を脱いで男根を露わにする。
私は「もうイキそうだ」と言うつもりだったのだが、どうやら夫には「もう入れて欲しい」に受け取られたようだ。
この辺が、長くこの行為をしなかった私達のブランクを感じさせる・・・。
「あ、待って・・・あなた・・・」
私の中に入ってこようとする夫を私は制した。
「ん?・・・どうした?」
「あなたの・・・口でしたいの・・・」
何だかそんな気分だったのだ。
何が原因かは自分でも解らないが、久しぶりの行為が私を淫靡な気分にさせていたのだろう。私は夫のモノを口に咥えたいと思ったのだ。
「ん、あぁ・・・じゃあ、頼むよ・・・」
夫は会社の女の子にコピーでも頼むようにそう言って、私の前に寝転がり両脚を広げた。
その足の間に座る私・・・さっきまで夫に舐めまわされた秘部が閉じて、一帯にヌルリとした感触を感じる…。
「は・・・んっ・・・む・・・」
私は目の前で力強く屹立してくれている夫のモノを、舐める事もなく一気に咥えこんだ。
「おっ・・・う・・・」
突然の刺激に驚いたのか、夫が低く呻いた。
その呻き声に興奮した私は、苦しさを感じるほど奥深くまで夫の怒張したモノを飲み込むと、そのまま思い切り頭を上下させ始めた。
――ジュップ・・・ジュッポっ・・・ジュブっ・・・
部屋に卑猥な音が響く。
「おっ・・・おっ・・・」
考えてみれば夫だって、浮気なんかする時間はないはずで、私と同様に久しぶりにこうした行為をするのだ。
今まで何か月もの間なかった夫婦の行為が再開するだけでも珍しいのに、その相手である妻はいきなり自分のいきり立ったモノを咥えて、激しく頭を上下に振っている。
彼にしても、その快感は計り知れないものだったに違いなかった。
「うっ・・・も、もう・・・入れよう・・・」
夫は私が我を忘れるように一心不乱に頭を上下させているのを手で止めてそう言った。
私はもう少し、口内に男くさい味を感じていたかったが、それでも久しぶりに男根を自分の体内に迎え入れる事の期待で、夫に素直に従って寝転がった。
――グチュっ・・・
大袈裟でなく、夫の最初の一突きはそんな音とともに私の中へ侵入した。
「あっ!…あな・・・た・・・んっ」
私はもう2階にいる子供達の事など考えられないほどに興奮して喘いだ。
「あっ、あっ…あぁ・・・んむぅ・・・っ…」
遠慮なく喘ぐ私の声を抑える為に夫が唇を重ねてきた。
私は夫が声を塞ぐ為にキスしてきた事にも気が付かないまま、夢中で彼の舌に自分の舌を絡める。
「んはぁ・・・んはぁ・・・む・・・ちゅ・・・」
少し薄めを開けて見ると、夫の唇の周りは私の唾液でベトベトになっている。
「き、今日は・・・どうなんだ?・・・このまま中で・・・いいのか?」
夫が私にそう訊ねてきた。
(そうだ・・・避妊をしていない・・・)
夫はコンドームを装着する事なく私の中に入ってきた。
その事すら忘れていた。
(どうだったかしら・・・)
私は快感の中で必死に前回の生理がいつだったか考えた。
(ダメだわ・・・)
久しぶりのことでもあったし、夫の精を体内に思い切り放って欲しい想いもあったが、私のタイミングは少し危険だった。
いくら何でも40を超えて、翔太に弟や妹を作る訳にもいかない。
「今日は・・・ちょっと・・・」
「解った・・・外に出す・・・」
夫はそう言ってから、再び私を激しく突き始めた。
(き、気持ちいい・・・)
返す返すも中に夫の精を放ってもらえない事が悔しい。
せめてあと1週間早ければ、中で出してもらっても良かったのに・・・。
――グッチュ、グッチュ・・・
私がそう思っている間も夫の動きは止まらなかった。
グチョグチョに濡れているであろう私の蜜壺に突き立てられた夫のモノは、彼が私を突く度に卑猥な音を私の耳へ届けた。
「あっ…あ・・・ぁ・・・」
出来るだけ声は我慢したつもりだ。
それでも漏れる私の声・・・。
気持ち良くて我慢できない。
やがて夫の腰の動きが益々早くなり、私達の寝室のベッドが軋む音も聞こえだした。
両親の寝室から聞こえるベッドの軋む音・・・。
それだけでも中学生と高校生の我が子は、両親が何をしているのか察するに違いない。
私はそう思ったが、もはやそれに何かしらの対策を講じる事ができる程の余裕はなかった。
それどころか、自分自身の喘ぎ声を止める事も・・・もはや難しかったのだ。
「あっ…あっ…あなたぁ・・・いい・・いい・・・」
私は自然にそう口走っていた。
「おっ・・・おっ・・・そろそろ・・・出るぞ・・・」
「あぁ・・・あなた・・・私も・・・イク・・・イキそう・・・」
私達は2人揃って最後の時を迎えようとしていた。
久しぶりとは言え、まだ夫婦としての身体の相性は保っているようだ。
「い、イク・・・イク・・・イクゥ・・・っっ!!」
「んっ・・・うっ!…」
私は頭の中が真っ白になった。
こんな感覚はいつ以来か・・・何も考えられない・・・。
ボ~ッとする私の裸身に夫の生暖かい精が降りかかる。
少し贅肉が気になりだした腹部から、乳房あたりまで・・・その感覚は生暖かい・・・。
――はぁ・・・はぁ・・・
私が裸のまま、身体に夫の精液を浴びた姿で放心しているにも関わらず、夫はもう落ち着いた様子でその私の姿を座って眺めていた。
私はそれが何だか憎らしくて、身体に飛び散った夫の精液はそのままで、彼の股間に顔を伏せて、今さっき性を放ったばかりで硬度を失ったモノを咥えて吸った。
――チュウっ・・・
「お、おい・・・」
夫はさすがに驚いたのかそう言った。
彼の管の中に少しだけ残っていた精液が、私の口内に吸い上げられる。
何だか懐かしい味がする。
私は、夫のモノからヌルヌルした感触が全くなくなるまで、口を使って彼のモノをキレイにしてあげた。
※※※
「何か・・・あったのか?・・・やっぱり・・・」
ようやく私も落ち着きを取り戻したと見るや、夫はそう訊ねてきた。
どうやら今日の私は、夫の知る貞淑な女ではなかったらしい。
無理もない・・・こんなにも長い間女盛りの肉体を放っておかれたのだから。
「どうして?・・・」
「いや・・・何となく・・・さ」
「何にもないわ・・・何にも・・・」
私は、頭の中にある姉弟の不貞のことを勿論忘れた訳ではなかったが、それを夫に言う事なく、久しぶりに裸身のままで夫にしがみついて眠った・・・。
≪
前へ /
次へ ≫
Information