「おじゃましま~す」
「|真人《まさと》君・・・待ってたのよ、ごめんなさいね、わざわざ」
「いえ、いいんです、どうせ暇だから」
僕は学校が終わるとすぐに自転車で兄の家へ来た。
兄は僕よりも6つも年上で、23歳になる。
だから、僕はまだ高校生だったけど、兄は昨年、高校時代から付き合いのある|希美《のぞみ》さんと結婚した。
そして先月、思い切って長いローンを組んで、この新興住宅地に一軒家を購入したのだ。
「お引越しの時には他の事にばかり気がいっていて、パソコンの事まで構っていられなかったのよね」
希美さんは僕に向かってそう言った。
「でも、僕だって設定できるか解りませんよ?」
「その時はお店に頼むから良いのよ、でももし|真人《まさと》君が設定できたらお金かからなくて済むからって、|健人《たけと》さんが・・・」
兄の健人は昔からサッカー部に入っていて、スポーツに明け暮れた青春だった。
希美さんは、そのサッカー部のマネージャーで、2人はその時から付き合って結婚したのだ。
そんな兄はパソコンだのネットだのに|疎《うと》い。
対して僕は、全くスポーツ部になど入った事もない。サッカーだって体育でたまにやるくらいで、それすらも出来るだけボールに触れないで済ませたいと思っているのだ。
だが、少なくとも兄よりはパソコンには詳しい。
家に帰ればまずは端末に向かうのが日課だったし、多少の設定は自分で出来るようになっていた。
「ネットにつながらないって言ってましたよね?」
「うん、そうなの・・・」
「プロバイダに引っ越しの連絡はしてますよね?」
「うん、引っ越し日も伝えて・・・翌日から使えますよって言われてるんだけど・・・」
「どれどれ?」
僕は無線LANの設定からのぞいてみる。
「なんだこれ?・・・これじゃつながる訳ありませんよ」
「どうして?」
普通に電源を落として引っ越してきただけなら、ホームネットワークの設定なんてし直す必要はないはずなのに、認証用のパスワードから何から、すべてがクリアになっている。
僕は希美さんにそれを簡単に説明した。
「そう言えば、健人が何とかしようとして1人で色々してたわ」
希美さんが言った。
「その時に間違って消しちゃったんでしょうね・・・兄貴」
「それを入力し直せばつながるの?」
「たぶんそれだけの事だと思いますけど」
「良かった!じゃあ、お願いね!」
「あ、いや・・でも・・・パスワードとか教えてもらわないと」
「パスワード?」
「うん・・・何とかキーとかって言い方もするけど」
「ああ、それなら引っ越しの時にどこかにメモしてあるのを見た気がする!」
希美さんはそう言うと、僕を置き去りにして階下へ降りて行った。
「ここが兄貴の部屋になるのかな・・・」
まだ乱雑に荷物が置かれたままの2階の一室にパソコンは無造作に置かれていたから、最終的にこの部屋がどのようになるのか想像も出来なくて、僕はボンヤリと考えていた。
「真人く~ん!!」
階下から希美さんが大声で僕を呼んだ。
「メモが見つからないのよ~!どうしても必要!?」
正直なところ、自宅のパソコンは有線接続だったから無線接続などした事がない。
自信がある訳ではなかったが、パスワードくらいはそりゃあ必要だろうとその時の僕は思っていた。
「必要ですよ!パスワードが解らないとどうにもならないです!」
実際は無線ルータにステッカーが貼ってあって、余計な事をしていなければ、それを見て設定できるのだが、僕はそんな事も知らなかったのだ。
「解った~!もうちょっと探してみるから待っててね!」
「はい!」
1階の希美さんへそう答えはしたものの、ただ待っていると言うのも退屈だ。
(そうだ・・・兄貴がパソコンの中に保存してるかもしれないぞ)
僕は兄貴がパスワードなんかの類をパソコンの中にバックアップしている事に|一縷《いちる》の望みをかけて中を探し始めた。
※※※
そのフォルダを見つけたのは偶然だった。
結婚式だの新婚旅行だのと言う名前のフォルダの中にはそれぞれに幸せそうな2人の写真が入っていた。
(このフォルダは写真だけみたいだな・・・)
フォルダはたくさんあったけど、2つ3つ確認してそう思った僕は、そう思いながら何となくもう一つフォルダを開いた。
(おっとぉ・・・)
そして少し戸惑う。
そこにはサムネイルからでも解るくらいに女の人の裸の画像が溢れていたのだ。
(あ、兄貴・・・こういう画像は隠せよな・・・)
僕は家族写真と一緒に無造作にお気に入りのアダルト画像を保存している兄貴の適当さ加減に内心でツッコミを入れた。
とは言え、僕だって高校男子だ。
兄貴がどんな画像を保存しているのか気になる。
――カチカチっ
僕は希美さんが階下で探し物をしているのを良い事に、画像を一枚一枚見て行く事にした。
彼女が2階へあがってくる様子なら急いで閉じれば良いだけだ。
一枚目は女の人の胸のアップ写真だった。
ピンク色のブラジャーに包まれているからすべては見えないけど、深く刻まれた胸の谷間が、この胸の持ち主が立派な胸をしているのだと伺わせる。
二枚目は同じ構図でブラジャーを外した写真だった。
今度の写真には胸の頂点でツンと立ち上がる小さな乳首もきちんと写っていて、美しい胸が露わになっている。
(え、エロいなぁ・・・兄貴・・・)
僕はそう思ったけど、画像を先に進める事にした。
さすがに兄弟だけあって女の子の趣味は一致するらしい。
この画像に収められた美乳はまさに僕の好み通りだったのだ。
――カチカチっ
三枚目の画像をクリックする。
今度はショーツ一枚の姿で首から下全部が収まっている画像。
さっき見たブラジャーと同じ色のショーツを履いているから、同じ女性だろう。
それにしても背景が生々しい・・・どっかのマンションの一室で撮影されたと思われる画像の背景には、きちんと畳まれた洗濯物や出しっぱなしの雑誌が写っていて生活感でいっぱいだ。
――カチカチっ
四枚目の画像・・・。
今度はその柔らかそうな胸を浅黒い色をした手が掴んでいる画像だ。
右手で撮影しながら撮った画像なのか、胸を掴んでいる左手が画面一杯に写っている。
(あれ・・・?)
僕はその男の左手を見て一瞬動きを止めた。
その男の薬指にはめられた指輪に見覚えがあったのだ。
(どこで見たんだったっけな~・・・)
だがそれをどこで見たのか思い出せない。
最近だったような気もするし、ずっと以前に見たような気もする。
まぁ、僕も家ではこうしたサイトを覗く事もあるから、同じ画像を見た事があるのかもしれない・・・。
僕は指輪の事は気にせずに先の画像を見る事にした。
――カチカチっ
「あっ!!」
五枚目の画像・・・。
ようやく写真の主・・・きれいな胸の持ち主の顔が写った写真が出てきた。
そして僕はその写真を見ると同時に、フラッシュバックするように指輪をどこで見たのか思い出す。
兄貴が指輪を買った時・・・希美さんにプロポーズする前に「お揃いの指輪だ」と言って見せてくれた事がある。
それについさっき、希美さんの左手にはこれと同じデザインの指輪がしてあった。
画像はベッドの上で横たわり、内股を閉じるようにして恥ずかしい部分を隠しながら両手を前で組んで胸も隠す女性の写真。
顔も隠したかったのかもしれないが、もう隠す術もなくハッキリと写っている。
さっきから僕が何気なく見ていたキレイな身体の持ち主・・・それは希美さんだったのだ。
希美さんの胸を揉む男の手・・・それは兄貴の手に間違いない。
あの指輪をしているのだから。
つまりこの写真は兄貴が希美さんを撮った写真なのだ。
単なるアダルト画像だと思ってボンヤリと眺めていたその画像も、写っているのが自分の身近にいる人だと思うと興奮度が違う。
おまけにその画像の主は今、この家の階下で探し物中だ。
(も、もっと・・・先を・・・)
僕はどんどん先の画像を見る事にした。
時間がない・・・彼女が2階にあがってくるまでにすべてを見たい。
――カチカチっ
次の画像では兄貴の左手が希美さんのショーツの上から、敏感な部分を擦っているような画だ。
兄貴の手で擦られる事で、ショーツに卑猥な|縦皺《たてじわ》が出来ていて、嫌でもその中身を連想させる。
僕は逸る気持ちを抑えきれずに先の画像に進む。
(お、おおっ・・・!)
僕は叫びそうになるのをギリギリの所で堪えて画像を凝視した。
今度の画像に写る希美さんは、もう一糸まとわぬ全裸だ。
兄貴に脱がされたのか、自分で脱いでしまったのか・・・ショーツすらも履いていない。
希美さんは撮られまいと抵抗しているのか不自然な内股だけど、股間の部分の黒い茂みはハッキリと写っている。
――カチカチっ
僕はゆっくりとその画像を楽しみたいと思ったけど、すべての画像を見ようと思ったら、そんなに一枚一枚をゆっくりと見ている暇はないから次の画像をクリックする。
(うわっ!・・・)
またも叫びそうになるのを堪えた。
今度の画像には、恥ずかしそうに俯いて、控えめに両脚を開く希美さん・・・。
ハッキリと・・・夫しか目にする事が許されない部分が写っている。
(こ、これが女の人の・・・いや、希美さんのアソコ・・・)
僕はこの歳まで女の子と付き合った事もない。
当然、童貞だから女性のアソコを見た事もない。
初めて見る女性器・・・それが兄貴の奥さん・・・。
(こんな風になってるのか・・・女って・・・)
腰から下の部分しか写っていないから、これが希美さんの性器だと言う証拠はない。
だけど、前後の写真・・・背景から間違いなく彼女だと思う。
ついさっき、優しい笑顔で僕を迎えてくれた希美さん・・・。
昔から彼女は可愛いけれど、兄貴の彼女だからそんな目で見た事はなかった。
だけど、こんな画像を見てしまってはどうしても「女」として意識してしまう。
――カチカチっ
次の画像をクリックした。
もう自分でも自分が興奮のあまりおかしくなっているのが解る。
(お、わぁ・・・)
今度の画像も希美さんの性器の画像だった。
しかし今度はさっきよりもアップでそこを中心に撮影されている。
兄貴の左手で左右に開かれるようにして撮影されているその画像にはサーモンピンクの性器の上のほうでプクっと硬くなっているクリトリスや、少しだけ開いた穴から流れ出している透明な液体までもがハッキリと写っていた。
(希美さん・・・濡れてるんだ・・・撮られて興奮してる?)
僕はもう堪らなくなって階下の希美さんの存在に気を配る事もせずに、制服のズボンの上から、とっくに硬くなっている自分のモノを触り始めた。
――カチカチっ
そうしながら、画像を先へ進める。
「あっ・・・」
今度は声が出てしまった。
画像を見た驚きに、自分自身の手で加える小さな快感が相まって堪える事が出来なかったのだ。
(フェラチオ・・・)
次の画像には希美さんが男根を咥える姿が写っていた。
さっきのアソコの画像には希美さんの顔が写っていなかったから、絶対に間違いないとは思いつつも、心のどこかで違うかもと思っていた。
だが今度の画像は言い訳のしようもない。
一見して希美さんだと解る女性が・・・顔は写っていないけどおそらく兄貴の怒張した男根を口一杯に頬張っている画像なのだから。
――チ~ッ・・・
僕は制服のズボンのファスナーを開けて、自分のモノを引っ張り出した。
すぐ下にはこの画像の主・・・希美さんがいるのは十分に承知していたけれど、どうしても我慢出来なかったし、おあつらえ向きにすぐ手の届く所にティッシュの箱が置いてある。
(さっさと済ませればバレないさ・・・)
そう思ったのだ。
――カチカチっ
(の、希美さんって・・・結構エロいんだな・・・)
次の画像は、さっきまで口内にスッポリ咥えこんでいた男根を一旦口から出し、そこにチロチロと舌を這わせている希美さん・・・人妻とは言え、あんな可愛い人がこんなイヤらしく舌を使って男根を舐めあげるなんて僕には想像できなかった。
だが、写真は嘘をつかない。
これは間違いなく現実で、希美さんがとった行動をそのまま写しているのだ。
――カチャ・・カチャカチャ・・・
画像を見ていると自然に右手の動きが激しくなる。
最初は音に気を使って静かに自分のモノを扱いていたけれど、興奮のあまりそれもどうでも良くなって、僕の手の動きに合わせてベルトの音が鳴る・・・。
――カチカチっ
(おおっ・・・)
ついに画像の中の希美さんは、兄貴の怒張したものを受け入れた。
希美さんの顔は写っていないけど、はしたなく広げられた両脚と、その中央に深々と突き刺さる男根・・・それを苦も無くヌルリと飲み込む女性器がハッキリと写っている。
(も、もうダメだっ・・・)
――カチカチっ
僕は射精感が込み上げるのを自覚しながら次の画像をクリックする。
(あ、ああ・・・希美さん・・・)
今度の画像は少し引き気味に撮影された彼女の姿・・・。
兄貴に相当激しく突かれているのか、胸の部分がぼやけて写っているのは、そこが激しく揺れている時にシャッターを押したからに違いない。
それに希美さんの表情・・・いつも可愛らしい彼女が、あんな「メス」のような表情を見せるのを僕は見た事がない。
それほどに画像の中の彼女は艶っぽい表情を見せて口を半開きにしていた。
(う・・・イク・・・イキそうだ・・・)
僕は希美さんの気持ち良さそうな「女」の表情と彼女の揺れる乳房の画像を見ながら果てる事に決めた。
そうして射精に向けて、より一層右手の動きを加速させようとしたまさにその時だった。
――カチャリ・・・
「真人君、ごめんね!・・・せっかく来てくれたのにメモが・・・」
希美さんがノックもなく入ってきた。
我が家なのだから当然だろう。
だが中には怒張した自分の男根を握りしめる義弟の姿・・・その正面のモニターには自分自身の揺れる乳房の画像と気持ち良さそうな表情がハッキリと写っている・・・。
「の、希美さん・・・違うんだ・・・その・・・僕・・・」
「真人君・・・な、何を・・・」
僕は希美さんと目が合ったまま、右手は自分のモノから離す事も出来ずに頭の中が真っ白になっていくのを感じていた・・・。
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