「よしっ、じゃあ、明日香・・・教えてやれよっ」
「なによ~っ、偉そうに・・・」
「仕方ねぇだろ?・・・真由は初めてなんだからよ」
「そりゃそうだけどさ~・・・」
僕は真由ちゃんに「手でして欲しい」とお願いした。
それがどれだけおかしな事か解っているつもりだったけど、外の世界とは異質な空間である雄大の部屋の空気に|中《あ》てられて、直接本人に頼んでしまったのだ。
「・・・うん・・・がんばる・・・」
真由ちゃんは赤い顔のままでそう言ったけど、それっきり黙り込んでしまったから、雄大が明日香に「教えてやれ」と言ったのだ。
「兄貴・・・とりあえずズボンくらい脱ぐの解るでしょ?」
「あ、ああ・・・そうだな・・・」
明日香が指導を始めた。
そして僕に偉そうにズボンを脱げと言う。
ズボンを脱がなければ出来ない事くらい当然解るけど、雄大や明日香・・・それに真由ちゃんの目の前でそれをするのに勇気がいるって事も解ってほしいと思う。
とは言え、僕が真由ちゃんに頼んだ事だ。
僕は潔くズボンを降ろしてトランクス一枚になった。
「あれ?立ってないじゃね~かよ」
雄大が僕の股間を見て言った。
「う、うん・・・なんでだろ・・・」
小さな時からずっと好きだった真由ちゃんに、手で気持ち良くしてもらえる・・・こんな体験は僕が生きてきた中で一番興奮するだろうに、僕のそこはシンと静まり返って屹立の気配も見せていなかった。
「大丈夫だよ、触ればすぐに大きくなるって!」
明日香がそう言った。
「じゃあ、真由・・・」
――ビクっ!
真由ちゃんに明日香が声をかけた。
彼女は名前を呼ばれただけで俯いたままでビクッと身体を震わせた。
(怖いのかな・・・)
僕は真由ちゃんの事が少し心配になったけど、明日香はお構いなしに先を続けた。
「いきなり直接触るのは勇気がいると思うからさ・・・大きくなるまでパンツの上から触ってみなよ」
「・・・でも・・・触るってどうやって・・・?」
「適当で良いのよ、そんなもんっ・・・」
「お、おい・・・適当って・・・」
僕は明日香があまりにも適当に真由ちゃんに教えるので心配になる。
「あんまり強く触ったら痛いと思うから、やさしく撫で撫でってしてあげれば良いのよ」
僕の抗議の声が明日香に届いたのか、彼女は少し丁寧に真由ちゃんにそう言った。
「う、うん・・・じゃあ・・・拓兄ちゃん・・・さ、触るね・・・?」
「お、お願い・・・します・・・」
僕は緊張のあまり真由ちゃんに敬語になってしまう。
――サワッ
それは「触った」と言うにはあまりにも軽い・・・少し強めの風がそこを通り過ぎただけのように軽い感触だった。
だけど、僕は生まれて初めて、自分以外の手で与えられる刺激に腰をビクッと引いてしまう。
「ほら・・・兄貴が腰引いたよ・・・気持ちいいんだよ・・・」
明日香が真由ちゃんの耳元でそう囁く。
それを聞いて真由ちゃんも少し度胸がついたのか、今度はきちんと僕の股間を撫でまわし始めた。
「あ、う・・あ・・・」
その快感に思わず情けない声が漏れる。
「い、痛いの・・・?拓兄ちゃん・・・」
真由ちゃんが手を止めて、心配そうに僕を見上げた。
「違う違う・・・今のは気持ち良いんだって・・・ね?兄貴っ」
「う、うん・・・そう、痛い訳じゃないよ・・・」
「そうなの・・・?・・・良かった・・・じ、じゃあ・・・続けるね・・・」
真由ちゃんが緊張した面持ちで僕の股間を撫でる動きを再開した。
(き、気持ちいい・・・)
少しずつ慣れてきた真由ちゃんの右手の動きは、段々と僕に大きな快感を与え始める。
「あっ・・・!」
その時、真由ちゃんが右手をサッと引っ込めた。
「どうしたんだよっ」
それを見ていた雄大が彼女に声をかける。
「な・・・なんか・・・う、動いた・・・」
真由ちゃんが不思議そうに雄大を見て言った。
「そりゃ、おまえ・・・立つんだから少しくらいビクビク動くっつ~の」
「そ・・・そうなの・・・?・・・そんなの・・・わかんないもん・・・真由・・・」
彼女はムクムクと大きくなってきた僕のモノの動きに驚いて手を避けたようだった。
だが、それが正常な事だと雄大に聞かされると再び同じように僕のモノをトランクスの上から撫ではじめる。
「・・・な、なんか・・・硬くなってきた・・・よ・・・」
「うん・・・真由ちゃんが気持ち良くしてくれたからだよ・・・」
「そう・・・なんだ・・・」
「さっ、もう十分大きくなったでしょ!?次は直接行こうかっ、パンツ脱いでっ、兄貴」
明日香が命令口調でそう言った。
せっかく真由ちゃんと良い雰囲気になりかけてたのに、なんでこいつらはココに居るんだろうと恨めしく思う。
「わ、解ったよ・・・」
でも、最終的に脱がなければならないのも事実だし、僕は大人しく明日香の命令通りに、エイっと思い切ってトランクスを降ろした。
「き、きゃ・・・っ・・・」
真由ちゃんは初めてみる勃起した男根に悲鳴をあげた。
「お、兄貴・・・結構立派じゃんっ・・・雄大より大きいかもよ」
「そ、そんな事ないだろっ!俺の方が太いっ!!」
「でも兄貴の方が長いかもね~・・・」
雄大と明日香がそんな会話を交わしているのが聞こえる。
見なくても思い浮かぶほどに雄大のモノに触れていたんだな・・・明日香・・・なんて、今はどうでも良い事を思う。
「さっ、真由・・・今度はこれを握るんだよ」
「で、でも・・・」
「でも?」
「な、なんか・・・怖いよ・・・」
「大丈夫だって、|齧《かじ》られる訳じゃないからさっ」
「うん・・・」
真由ちゃんは覚悟を決めると、恐ろしいものを触るようにゆっくりと僕のモノに手を近づける・・・。
そして・・・
「うっ・・・」
僕は呻いた。
白くて小さな真由ちゃんの手・・・小さな頃は手を繋いで歩いていたけど、ここ最近は繋ぐことすらなかった手・・・その手が僕のモノをそっと握っている。
「兄貴~・・・握っただけでそんなに気持ち良さそうにしてたら、ソッコーで出ちゃうんじゃない?」
「し、仕方ないだろ・・・初めてなんだからっ」
「そうだそうだっ、気にする事ないぜっ!俺だって初めて明日香にしてもらった時は、あっと言う間だったからなっ!!」
雄大がニヤニヤと笑いながら言った。
「どう?真由・・・続けられそう?」
「うん・・・何か・・・熱くて硬いけど・・・嫌じゃない・・・よ」
「そっか・・・じゃあ、そのままゆっくりと手を上下に動かしてみて・・・」
「こう・・・かな・・・?」
「あっ・・・おっ・・・うっ・・・」
真由ちゃんが手を動かし始めた途端、そこから全身へ電流のように快感が流れ込んで僕は情けなく呻いた。
「た、拓兄ちゃん・・・苦しそう・・・」
また真由ちゃんが心配そうに僕を見上げる。
その見上げた顔が何とも可愛くて、さらに僕を興奮させる。
「違うって・・・あれは気持ち良いのっ・・・ね?兄貴」
「う、うん・・・真由ちゃんの手・・・すごい気持ち良いよ」
「そ、そうなの・・・それなら・・・いいんだけど・・・痛かったら言ってね?」
「うん・・・大丈夫だよ・・・」
正直、僕は痛いどころか今まで経験した事のない快感に言葉を絞り出すのも精一杯の状態だった。
――ギシっ
雄大のベッドが少し軋んだ。
ベッドの端に腰掛ける僕が自分の身体を支えきれなくなって、両手を後ろに付いたのだ。
真由ちゃんはそれでもベッドの下に跪いて僕のモノを真っ直ぐに真剣な眼差しで見つめながら右手を一定のリズムで上下に動かし続けている。
「あ・・・うっ・・・」
その様を見ていると、急激に快感が込み上げてきて僕はまたも呻いた。
「ちょっ、ちょっと待てよっ!そのまま出すんじゃねぇぞ・・・人の部屋に精液ブチまけんじゃねぇ!」
「あ・・・で、でも・・・雄大・・・俺っ・・・どうしたら・・」
「待て待て待て待てっ・・・ほ、ほらティッシュ・・・ほらっ」
雄大は慌ててティッシュを箱ごと明日香に渡した。
明日香がそこから何枚かティッシュを抜き取って真由ちゃんへ手渡しながら言う。
「これ・・・左手に持って、それで兄貴が出そうになったら、それでおチンチンの先っぽを抑えるの・・・出来る?」
「うん・・・やってみる・・・でも・・・真由、よく解んないから・・・出るときは言ってね?」
「うっ・・・あっ・・」
真由ちゃんの声は聞こえていたけど、僕はそれに答える事は出来なかった。
真由ちゃんの口から「出るときは言ってね?」なんてセリフを聞かされた事が僕にダメを押したのだ・・・。
「で、出るっ・・・真由ちゃんっ!・・・出るっ!」
それでも僕は何とか自分の射精感を彼女へ伝えた。
真由ちゃんは慌てて明日香に教えられた通りに左手に準備していたティッシュを僕のモノの先端に当てた。
「ま、真由ちゃんっ・・・!」
「は・・・はい・・?」
「出るっ・・・よっ・・・・ううぅっ!!!」
「あ・・・」
僕は真由ちゃんの左手目がけて思い切り腰を突きあげた。
そしてそのまま、自分のモノの先端に彼女の暖かな手の温もりを感じながら、2度、3度と繰り返し精液を放出する・・・。
「あ・・・て、手に・・・付いちゃった・・・」
真由ちゃんが一言そう言った。
どうやら、未だかつてない興奮と快感に、僕の放出した精液は数枚のティッシュでは抑えきれずに彼女の手まで貫通してしまったようだ。
「はぁ・・・はぁ・・・」
頭の中では彼女の手を汚してしまった事を謝らなければ・・・そう思っているのに言葉が出てこない・・・。
僕は心地よい気怠さを感じながら、この快感を2度と手放せなくなりそうな予感に見舞われていた・・・。
≪
前へ /
次へ ≫
Information