「おじゃましま~す」
私は恐る恐る玄関で靴を脱いだ。
そして意を決して、そのまま先生の部屋へ上がり込む。普通の独身者が住むような部屋でテレビなんかが置いてある居間と・・・奥の方に見える部屋は寝室・・かな?
ただ、部屋が思いのほか片付いている。
「先生、もしかして彼女とか居るでしょ」
私はその部屋を見て言った。
「急に何を言い出すんだ。あんまり先生をからかうもんじゃないぞ」
「だって、キレイだもん、お部屋・・・彼女さんとか来て掃除してくれるんでしょ?」
「そりゃ、おまえ、先生だって、彼女の1人や2人や3人くらいだな・・・」
「ふふふ・・・2人や3人は嘘でしょ~」
「あ、いや、その1人も嘘だ・・・」
「え?」
「彼女なんていないんだよ、先生には」
「へ~、先生ってキレイ好きなんだね、意外~」
「まぁな、それより、おまえ、こんな所まで着いてきて・・・」
「先生が連れてきたんじゃな~い」
「もう良いから、そこへ座れ」
先生が、普段テレビでも見るときに使うのか、小さな椅子を指差して言った。それから、ドサリと自分は床に座る。
「おまえな・・・いいか、何があったのか知らないが自分の事は大切にするもんだぞ」
それから、おもむろに、いつも学校で見る成田先生の顔になって、私に話しはじめた。
「大切にしてますけど・・・」
「してますけどって、おまえ、こうやって男の部屋に1人でノコノコ着いてくるなんて、襲われても文句言えないんだぞ」
「先生は私のこと襲ったりしないでしょ?」
「そ、そりゃ、そうだけど、例えばの話だよ、俺じゃない男だったら襲われるかもしれないだろ?それにな、相手の部屋まで着いて行ったら、仮に裁判に訴えても不利なんだ、先生の言ってること解るか?」
「先生こそ、解ってないよ・・・」
「何がだ・・・?」
何だか悲しくなってきた。
さっきまで、学校じゃ見せないような懐っこい笑顔を見せてくれていた先生・・・。
それが、同じ学校の生徒なら誰でもしっている教師の顔に戻って、私に説教を始めた。
それだけでも寂しいのに、彼が言った一言「俺じゃない男だったら・・・」
その言葉が無性に悲しかったのだ。
「私、先生の部屋じゃなかったら着いて来たりしないもん」
正直な気持ちを口にしてみる。
「本当だな?」
「本当だよ」
「そうか、先生を信用してくれて嬉しいよ」
「・・・・・」
「しかしな、手塚、世の中には見た目や普段の言動じゃ計り知れない人間も居るんだ。どんなに良い人だと思っても、2人きりになった途端に悪人になる・・・そんな人間もな」
「・・・・・」
「悲しい事だけど、手塚ももう少し大人になったら解るはずだ」
「先生の・・・バカ」
「バッ・・・バカぁ?!」
「そうだよ、バカ」
「バッ、バカとは何事だバカとは、そりゃ俺はそんなに頭は良くないかもしれんがな・・・いや、そこじゃない、そもそも教師に向かってバカとは何事だ」
「私、お説教されに来たわけじゃないもん」
「・・・・・」
「先生が、エッチしてくれるって言うから来たのに・・・」
「おい、俺がいつそんな事を言った」
「だって、私の家を通り過ぎて、自分の部屋まで連れて来てくれたじゃない・・・」
「それは、あのまま放っておいたら、おまえが何をし出すか解らなかったからだ」
「私がどうすると思ったの?」
「例えば、そこらへんの男を捉まえて、体験してしまうとか・・だな」
「体験って?何を?」
「だ、だから、それは、おまえらがエッチと言う・・・その、アレだよ・・・」
「先生はしてくれないの?」
「する訳ないだろう?俺は教師だぞ?」
「・・・・・」
「な、解ったら家まで送ってやるから・・・」
「もういい・・・」
「ん?」
「もう、送ってくれなくていい」
「そんな事言ったっておまえ、ここからは結構自宅まで距離あるぞ?どうやって帰るつもりだ?」
「そこらへんの男を捉まえて送ってもらうからいいっ!」
私は急に立上がって玄関へ向けて歩き出した。まさか本当に「そこらへんの男」を捉まえようとは思っていなかったけど、勇気を出して先生の部屋まで来たのに、こんなお説教をされるなんて・・・と言う想いもあって、少し自棄になっていたのは確かだ。
「ま、待て、手塚・・・ちょっ、待てって」
先生が慌てて私の手を掴んで引き止める。
急に歩みを止められて、不意に振り向くと先生がとても困った顔で私を見ていた。
「て、手塚・・・」
先生の困った顔を見ていると、何故だか急に涙が出てきた。私は先生の事を好きだった訳じゃない。そりゃ、少しは良いなと思っていたけど・・・。
「先生、私のこと嫌いなの?」
「そんな訳あるか、大切な生徒だぞ」
「それだけ?」
私は涙を堪えながら言った。
「手塚・・・おまえ、本気か?」
「冗談で、こんな事言えないよ・・・」
「後悔するぞ?」
「後悔なんて・・・しないよ」
「解った、こっちへ来い」
玄関先まで走ってきていた私の手を引いて、先生は私を部屋の中に連れ戻した。
それから、さっきまで座っていた椅子を通り越して、扉で仕切られたもう一つの部屋へ連れて行く。
奥にはベッドと寝室用の小さなテレビが一つ。そのテレビにテレビゲーム機が繋いであるのを見て、何だか先生も私達と変わらないんだなぁなんて思う。
「手塚・・・」
「はい?」
「先生だって健康な男性だ」
「はい」
「始まったら止まらないぞ、いいんだな?」
「いいよ、私、誰にも言わないから・・・先生・・・エッチ、しよ?」
――ドサっ
私の言葉が終わるや否や、先生は優しく私をベッドに横たえた。それから、まだ少し濡れているブラウスのボタンに手をかけて、それを手際よく外していく。
「先生、ボタン外すの上手・・・」
私は緊張を隠したくて、そう軽口を叩いた。
「そうか?そんなことないぞ?」
そう言いながらも、あっと言うまに私のブラウスのボタンは外されて、青いブラジャーが丸出しになってしまった。
恥ずかしがる私を無視するように、先生は私の身体を筋肉質な腕でヒョイと浮かせてもう一方の手を背中へ廻したかと思うと、プチっと簡単にブラジャーのホックを外した。
「せ、先生・・・?」
「なんだ?」
私は意外に先生が遊び慣れているのかも・・・と一瞬思う。
「ううん、なんでもない」
でも、この期に及んでそんな事を言っても始まらないのは解っていたから、私は何も言わなかった。
「あっ」
不意に身体にびりっとくすぐったいような気持ち良いような感触を感じた。
チラリと見ると、先生が私のブラジャーをズリ上げて胸の先端にチョンと立っている乳首を指で弾いていた。
「痛いか?」
「ううん」
「嫌だったら・・・言うんだぞ」
「・・・うん」
優しく言う先生。何故だか幸せな気持ちになる私。さっきまで先生の事を好きだなんて思っていなかったのに、急速にその気持ちが湧き上がってくるのが自分でも解る。
――チュッ、チュっ
「あっ・・・はっ」
初めて感じる感触。ヌルリとした温かい感触が私の胸を這いまわる。それに、自分でも気が付かなかったけど、自分の乳首が今まで経験した事がないくらいにピンッと立っているのに気づく。
――チュッ、レロっ
その硬くなった乳首を優しく舐め続ける先生。初めてのエッチは痛いと聞いているけれど、胸を舐められるのは嫌いじゃない・・・みたい。
でも、先生は・・・先生なのに、順番を一つ間違っている。
「せ、先生・・・」
「ん?」
「んっ」
私は目を瞑って唇を突き出すような仕草をした。そうする事で、先生が順序を一つ飛ばしてしまっている事に気が付くと思ったからだ。
――チュッ
私の仕草を見て、私の求めている事にいち早く気が付いた先生は、私の唇に自分の唇を重ねてくれた。
(そうそう、まずキスからだよね)
そう思ったのも束の間、私は焦る。
「んっ・・・んふぅ・・・む」
口の中に先生の舌が入ってきた。
私もキスの経験だけは、以前付き合っていた彼氏と経験があったけど、この・・・こんなキスは初めてだ。
まるで身体の中から溶かされるような・・・そう、いうなれば「大人のキス」だろうか。
「んっ、んっ・・・んはぁ」
どうして良いのかも解らないけど、とにかく舌を絡ませてくる先生の真似をして、一生懸命先生の口の中に自分の舌を入れる。
と、途端に先生の口内で絡み合う2人の舌・・・溶けそうな興奮に包まれる私の身体・・・。
――チュッ、チュっ・・・レロっ、レロレロっ・・チュっ
そのままキスを終えると、首筋を通って胸元、乳房へと再び帰っていく先生の舌。
「あっ・・・」
ところが乳房で止まると思っていた先生の舌は、そのまま私の下腹部、足の付け根へと下がっていく。
「手塚・・・いいか、本当に嫌だったら言うんだぞ?」
「・・・はい」
一言そう言うと、先生は私の青いショーツに手をかけた。それから、ブラジャーを外した時のように筋肉質の腕で、簡単に私の腰を持ち上げるとスルリとそれを脱がす。
(は、恥ずかしい・・・よ)
覚悟はしていたつもりだけど、さすがに異性の前に・・・それも、良く知る先生の目の前でショーツまでも脱ぎ去って、恥ずかしい部分を晒すと言うのは恥ずかしいと思う。
でも、そんな羞恥心も一瞬のことだった。
「あっ、んっ・・・っん」
先生の無骨な指が、私の一番敏感な部分に触れた。自分でも全く気が付かなかったけど、先生に触られた事で、そこが「濡れる」と言う状態になっている事に気が付く。
(よ、良かった・・・ちゃんと濡れてる)
どうにも鈍ってきた思考回路で、自分の身体が異性に対して正常に反応しているらしい事に安堵する私。
――ヌルッ、ヌルッ
「はっ・・あ」
そんな私の安堵感に関係なく、ゆっくりと動く先生の指が、私に初めての快感を与える。
前にも言ったと思うけど、私は処女だから、異性にこんなところを触られるのは初めてだ。だけど、ちょっと興味はあったから、自分でしてみた事はある。
(全然違うな・・・)
その時は、言われてみれば濡れてるかな・・・程度にしか私のアソコは湿り気を帯びなかったし、何だか変な気分にはなったけど、友達が言うような「気持ちいい」感触には程遠かった。
(気持ち良い・・かも)
それなのに、自分の指じゃなく、先生に触られていると言うだけで、私はさっそく「気持ち良さ」を与えられているらしい。
「せ、先生・・・」
「ん?どうした?嫌になったか?」
「ううん・・・気持ちいい・・・」
私が一言そう言うと、先生はゆっくりと自分の衣服を脱ぎ始めた。
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