「あ、いや、その、それは・・・違うんです」
目の前には顔を真っ赤にして俯く男性。
「違うんだ~、じゃあ誰?」
「だから・・・その・・・」
誰も居なくなったオフィスに沈黙が続く。
「別に恥ずかしがることないじゃない。若い男の子がこういうのに興味を持つのは当たり前だもの」
「・・・」
それでも真っ赤な顔で俯く彼・・・。
別に悪気はなかった。
ただ、彼のスマホが新しい機種になっていたので、それを見せて欲しいとお願いしただけだ。ちょうど私も新しいのが欲しかったから参考にさせてもらおうと思って・・・。
「何か、ごめんね?」
私は俯く彼にそう言った。これだけ恥ずかしがられると、何だか自分がとても悪い事をしたような気がしてくる。
「あ、そんな、冴子さんは悪くないですよ」
彼は絞り出すようにそう言う。
新しく買い換えたスマホを私に自慢できるのが嬉しかったのか、彼は饒舌に機能を説明しながら自らのスマホを操った。
「へぇ」
私はそれを感心しながら聞いていたのだが、突如として真新しいスマホの画面に女性の全裸画像が現れたのだ。
「あっ」
動揺する彼。消してしまえば良いのだろうが、動揺のためかそれも出来なかったようで画面には女性のあられもない姿が映し出されたままだった。
「ところで、その女性、キレイな人ね。石見君の彼女?」
私は彼にそう訊ねた。それに対する返答が冒頭の彼のセリフだった。
「これはそう言うサイトを覗いていて・・・キレイな人だなと思ったから・・その・・・」
「ふ~ん、石見君はこういう女性が好みなんだ、ふふふ」
「好みって言うか・・・」
「違うの?」
「いや、違わないんですけど・・・」
元々赤くしている顔をもっと真っ赤にして俯く石見君・・・最初はどうとも思っていなかったけど、こうしていると段々可愛く思えてくる。
「し、仕事しましょう、もう僕らだけですよ残ってるの」
無理やり話題を逸らすように彼が言った。
その様を見ていると、悪戯な心がムクムクと頭をもたげてきた。
「いいじゃない、もう殆ど終わってるんだから、後は明日でも間に合うよ」
「でも・・・」
実際、こんな時間まで残業したお陰で明日の午後に使う会議の資料は9割方完成していた。後は明日の午前中でも十分だ。
「それより、この画像・・・本当に彼女じゃないの~!?」
私は俯く彼を下から覗き込むようにしながら言った。
「ち、違いますよ」
「本当~!?石見君、真面目そうに見えて、本当は彼女の裸の写真を撮るのが趣味とか・・・」
「そ、そんな訳ないじゃないですか」
「じゃあ、他にもエッチな画像持ってるの?」
「え?」
「これ、彼女じゃないんでしょ?だったら、他の画像も見せてよ、彼女だったら他にも画像がありそうだしね」
「何でそんな・・・」
「おやおやぁ?いいのかなぁ、明日他の皆に喋っちゃうよ~?石見君が彼女の裸の画像を私に見せたって」
「だから、違いますってば」
「じゃあ見せてよ、画像フォルダの中・・・」
渋々スマホを渡す彼。
本当はたいした興味も無かったけど、素直に従う彼の様子がまた可愛らしくって、私は渡されたスマホの中に入っている画像を次々に見て言った。
「ふむふむ、岩見君は年上好みらしいね~」
私はチラチラと彼の様子を見ながら言った。
スマホの中のエッチな画像は他にも入っていた。ただ、彼が言うように最初の女性は彼女ではなかったようで、他の画像は全部違った女性のものだった。
その女性達がみんな石見君よりも年上に見えたから、私はそう彼をからかったのだ。
「・・・・・」
無言のままの彼。相変わらず顔は真っ赤だ。
「それに、黒髪のロングがお好みかなぁ?おっと、胸は大きめがお好き?」
次々と画像の女性の共通点を見つけて彼にブツける私。
「・・・・・」
再びチラリと彼へ視線を向ける。
(あ、やばっ、やりすぎた?)
彼は俯いたままだけど、さっきまでの恥ずかしそうな表情から、何か思いつめるような表情に変わっていたのだ。
「あ、あはは・・・それにしても、結構な枚数だね・・・い、石見君のエッチ」
私は努めて冗談っぽくそう言いながら、ペラペラと画像を適当に捲って彼に渡そうとした。
(あっ!)
そうして、彼の方にスマホを差出しかけて私の手は止まった。
(な、なんで!?)
スマホの画面に映っていたのは、さっきまでの裸の女性ではなく、オフィスで談笑する1人の女性の姿・・・。
少し距離がある場所から撮ったのか、あまり鮮明ではないが、それでもこの写真に写っているのが誰なのかは一目で解った。
「こ、これ・・・私・・・?え?・・・なんで?」
「・・・・・」
頭の中がグルグルと回転する。
そうして辿りつく一つの可能性。
画像に写っているのは黒髪でロングヘアーの女性だった・・・私と同じ・・・。
それに今年入社したばかりの彼と今年で30歳になる私・・・私の方が年上だ・・・。
そ、それに、自分で言うのも何だけど胸にも少し自信がある。
(だけど・・・だけど・・・私・・・)
だけど、私は人妻だ。もう結婚して3年にもなる。
だから、まさか・・・そんな・・・。
「冴子さんの事・・・最初から良いなと思ってたんです」
石見君がつぶやくように言った。
「え?え?」
パニックになる私。
「色々、優しく教えてくれるし、こうして残業までして仕事を手伝ってくれるし・・・それに何より・・・び、美人だし・・・」
「あ、いや、あはは・・・ま、まいったな、こりゃ・・・ははは」
作り笑いで何とか空気を換えようとする私。
どう彼に反応したら良いのか全く分からない。笑う事しか出来ない。
「でも、僕が入社した時には冴子さんはもう結婚してて・・・だから僕、どうする事も出来ないし・・・だから・・・」
そう言うと再び俯く石見君。
(だから・・・?だから、黒髪のロングヘアで年上の、胸の大き目の女性の画像をたくさん保存してたの?)
「えっと、つまりどういう・・・?」
「冴子さんの事ばかり考えてました、ずっと。この画像だって冴子さんに似ているから集めたんです・・・どんなに望んでも、冴子さんの身体なんて見る事が出来ないから・・・」
恥ずかしそうに俯いてはいるが、言ってる事はすごい事じゃないかと思う。
だって、つまり、私の事が好きだから、私の裸を見たいです・・・そう言っているのと同じだ。
「ああ、もう、僕は終りだ、もう明日から会社に来れない・・・」
「ちょっ、何でそうなるかな」
「だってそうでしょう?こんな・・・会社の人と似ているアダルト画像を大切に保存して・・・しかもそれを本人に見られるなんて、気持ち悪いでしょう?」
「そ、そんな事ないよ」
「うそだ、気持ち悪がってるに決まってる・・・こ、こんな画像集めるんじゃなかった・・・」
涙目になる石見君。
――キュンっ
と、長い事忘れていた感覚が胸を襲った。
正直に言うと、彼の事は前々から可愛いと思っていた。まだ少年の面影を残すような童顔、にも関わらず整った顔立ち。
それに私を慕って着いてくる姿・・・そうじゃなければ残業までして仕事の面倒を見てあげたりはしないし、こんな時間に薄暗いオフィスで2人っきりなのに、裸の女性の画像を一緒に見たりはしない。
「石見君・・・」
私はそっと彼の手を取った。
「さ、冴子さん?!」
それから頭で考えるまえに、自分の胸元に彼の右手を置く。
「見ても・・・いいよ」
「え?」
「見たいんでしょ・・・私の身体?」
「そ、それは・・・」
「あの画像の女性達みたいにキレイじゃないけど・・・きっとガッカリするんじゃないかな」
「そ、そんな訳ありません、冴子さんはキレイです、誰よりも」
――キュンっ
いままで俯いてモジモジしていたクセに、急に真っ直ぐ私を見てそんな事を言うもんだから、私はまた胸を締め付けられる。
「脱がせて・・・」
「誰か・・・来ちゃうかも」
「大丈夫・・・」
私は壁にかかっている時計をチラリと見てから言った。
伊達に長くこの会社に勤めている訳じゃない。守衛さんが何時頃に見回りに来るのかなんて知っているのだ。
「守衛のおじさんなら、まだ1時間近く見回りには来ないから・・・」
「さ、冴子さん・・・」
守衛が来ない事を知って安心したのか、それとも我慢が限界を超えたのか彼は私のブラウスに手をかけた。
「あ、待って」
「?」
「さすがに窓際では恥ずかしいから・・・あっちの・・・給湯室で・・・ね?」
「は、はい・・・」
胸元の乱れた私の手を引いて給湯室に向かう彼。年下でもやっぱり男性だ、こうなると力強く感じる。
と、一瞬の間隙で少し冷静さを取り戻したのか、脳裏に夫の顔が浮かんだ。
(み、見せるだけだから・・・許して・・ね?)
夫の顔は浮かんだものの、そうやって無理やり脳裏から消し去る私。
彼に抱かれるつもりは毛頭ない。ただ、自分の事を好きだと言ってくれた彼が愛しくって、身体を見たいと言う望みを叶えて上げようと思っただけ・・・。
そんな事を考えているうちに、私達は給湯室に到着した。
※※※
「さ、冴子さん・・・」
給湯室に入るなり、少し乱暴に感じるくらいの勢いで、私はブラウスを脱がされた。
「や、優しく・・・ね?乱暴なのはイヤ・・・」
「あ、す、すいません・・・つい・・・」
一瞬手を引っ込めながらそう言う彼。でも次の瞬間には、すぐに私のブラジャーに手が伸びて、スルリとそれを剥ぎ取ってしまう。
「あぁ、すごい・・・キレイだ・・・」
感嘆の声をあげる石見君。いくら胸に自信があるとは言え、ここまで大袈裟に喜ばれると逆に恥ずかしくなってくる。
「あ、あんまりジロジロ見られると・・恥ずかしい・・よ」
「でも・・真っ白で大きくて・・・すごくキレイだから」
普段仕事をしている会社で、普段一緒に仕事をしている男性社員に上半身だけとは言え裸になって見せていると言う現実・・・何だか変な気分だ。
「さ、触っちゃ・・・ダメですか?」
「えっ?」
「冴子さんの胸に・・・触りたい・・・ダメですか?」
捨てられた子犬のような潤んだ目で私を見つめながらそう言う彼。
「さ、触る・・だけだよ?」
「はいっ」
そんな彼の眼を目の当たりにして、私は最早それを断る事など出来なかった。
「は、あぁぁ・・・」
溜息とも吐息ともつかない声をあげながら、ムニュりと私の胸を掴む彼。
「す、すごい・・・すごい・・です」
――ムニュ・・ムニュ・・・むにゅ
掌を押し付けたり、両手で寄せたり・・・色々な形でその感触を楽しんでいる様子の石見君。それをチラチラと見ている私・・・少し視線を上げれば、いつも仕事をしているオフィス・・・時計があと一周もすれば、そのオフィスは社員達で一杯になるのに、こんな所で7歳も年下の男の子に胸を触らせている自分・・・。
益々、おかしな気分になった上に、今度は何だか身体まで熱くなってきた。興奮しているのだろうか。
でも、どんなに興奮したって、これ以上を彼に認める訳にはいかない、私は人妻なのだから。
「っ!い、石見君!?」
そう思っている矢先、突然彼が抱きついてきた。それだけなら然程驚かなかったかもしれないが、彼は抱きつくと同時に右手を私の下半身に這わせてきたのだ。
「さ、冴子さん・・・冴子さん・・・もう我慢できない」
そう言いながら、ストッキングの中に手を滑り込ませようとする彼。
「だ、ダメ・・・ダメっ・・それは・・ダメよ」
何とか彼を引き離そうとするけど、力で敵う訳もなく右手は私のショーツに到達してしまう。
「だ、ダメ・・そこは・・・それだけは・・・」
私は自分で気が付いていた。自分が少なからず興奮している事を。
そしてその興奮は私の身体に変化をもたらしている事も。
今はまだ彼に気付かれてはいないだろうけど、薄いショーツ一枚隔てた中に手を滑り込まされれば嫌でもバレてしまう。
結婚して夫もいると言うのに、こんな所で胸を露わにして・・・ショーツの中をヌルヌルにしているイヤらしい事実が・・・。
「ダメ・・・お願い・・・それだけは・・・止めてっ」
「も、もう止まりません・・・よ、我慢できない」
「い、イヤ・・・っ・・・、こ、これ以上したら・・・き、嫌いになるよ?」
「・・・・・」
その一言で動きを止める彼。
しばらく身動ぎもしないまま沈黙の時間が流れる。
「お願い・・・止めて・・・ね?」
「・・・・・」
無言のまま身体を離す石見君。
そのまま一歩下がる。
「ありがと」
私は手を止めてくれた彼に一言そう言った。
「嫌われたくない・・・」
「え?」
「冴子さんに・・・嫌われたら、僕・・・」
「だ、大丈夫よ、きちんと途中で止めてくれたでしょ?キライになんてならないよ」
「本当ですか?」
「本当だよ」
「良かった」
会心の笑顔とともに彼が言った。
――キュンっ
また胸が締め付けられる。
私だってこう見えても人並みに男性経験はあるから、ここまで来た男性がコトを中断するのがどれだけ難しいかは解る。
それに、彼は腰を引いて誤魔化しているつもりかもしれないけど、今、彼の身体がどんな事になっているのかも解る。
それなのに、私が一言「嫌いになるよ」と言っただけで、ピタリと動きを止めて・・・少し時間はかかったけれど、すべてを止める決心をしてくれた。
その事実だけで、どうしようもなく目の前の彼が愛しく思えてきてしまう。
「く、口でしてあげるから・・・」
「え?」
「だ、だから・・・ソレ・・・そのままじゃ辛そうだから・・・きちんと口でしてあげるから・・・」
正確には「口でしてあげる」ではなくて「口でしてあげたい」気持ちになっていたけれど、私はそれを悟られまいと彼の股間を指差して、努めて冷静を装ってそう言った。
「あ、でも・・・」
「いいからっ、さっさとズボンを下げるっ!」
「は、はいっ」
照れを隠すように、急に先輩面して強く言う私。
半ば条件反射のように、言われるままズボンを下げる彼。
その彼の足元に跪く私・・・。
(すごい・・・硬い・・・)
目の前のソレをトランクス越しに触ると、ビクンビクンと怖いくらいに脈打っているのが手に伝わってくる。
「脱がす・・・よ」
私はそう言いながら両手で彼のトランクスを下げる。給湯室には衣類を乱して胸を露わにしている私と、足元までズボンを下げ、膝までトランクスを下げられた彼。
そして私の眼前には驚くほど反り返った男根・・・先端から透明な液体が既に流れ出しているのは、興奮のあまり・・・だろうか?
「は・・・うっ」
彼の怒張した男根をそっと握る。それだけで切ない声を貰う石見君。
――ペロっ
それから味見するように先端を舐めてみる。さすがに一日一生懸命働いた後だけあって少し汗臭い・・・それに先端から流れる透明な液体は濃厚な男性の味・・・。
(嫌じゃ・・・ない)
そう確認すると、私は彼のモノを右手で握り、先端部を一気に口に含んだ。
「あっ・・・おっ」
――ビクッ――
声を漏らしながらビクつく彼。男根を咥えたままチラリと彼を見上げると、私のフェラチオする様子を凝視していたらしい彼と眼が合う。
「さ、冴子さんに・・・こんな・・・さ、冴子さんが僕のを舐めてくれるなんて・・・夢みたいだ」
またそんな可愛らしい事を言うものだから、益々気持ち良くしてあげたくなっちゃって、今度は喉の限界近くまで彼のモノを飲みこむ。
「うっ・・わ・・すごい・・です」
こんな状況でも敬語を忘れない事が少し可笑しい。
――ジュルっ・・・ヌロッ・・・チュっ
静かな静かな給湯室に卑猥な音が響く。普段ならオフィスの喧騒で聞こえる訳もない程の音だけど、人が居なくなったオフィスでは、その音はまるで道路工事の音のように大きく聞こえて恥ずかしい。
――ジュップ、ジュポっ、ジュポッ・・・
「んっ、んっ・・・んふぅ・・・っ」
「あ、あ・・き、気持ちい・・・いいっ」
「・・・っ!」
口の中の男根が、急にグンっと一回り大きく、硬くなった。
――ジュポっジュポっ・・ジュポっ
私は彼の終わりの時が近いのだと悟り、両手で石見君の臀部を掴み、より激しく頭を前後に動かした。口の中に出される覚悟は最初から出来ていた・・・そうじゃなければ私の衣類に彼の精液が飛び散るし、それをかわせば給湯室の床に精液をブチまける事になる。
私が口で受けるのが一番合理的なのだ・・・。
「あっ・・・あぁ・・・さ、冴子さん・・・イクっ・・・で、出るっ」
とは言え、彼にはそこまでの考えはなかったの違いない。そんな余裕はないように見えたから。
「い、いいよ・・・このまま・・・口の中に・・出して・・・」
「あっ・・・あっ・・・イクッ・・ん・・・んっ!!」
「んっ・・・んふぅ・・んっ・・・」
口の中に勢い良く放たれる精液・・・あまりの量と勢いに驚く。
でも、今、口を離したら衣服にかかる。苦しくても彼がすべてを出し切るまで、この硬い男根から口を離す訳にはいかない。
(あ、もう・・無理・・・)
しかし、我慢に我慢を重ねた彼の精液は、私の経験上ではあり得ないほどの量だった。
口の中に収まる限界量を軽々と超えそうになる精液・・・。
「んっ・・・んっ・・・」
――コクッ・・・ゴクッ・・・
私は口内に放たれ続ける精液を喉を鳴らして反射的に飲み込んだ。それでも口角からタラリと少し漏れ出る白い液体・・・。
もう衣服が汚れるのを覚悟した時・・・ようやく口内の熱い棒からは何も放たれなくなった。
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・す、すごい・・・量」
「す、すいません・・・すごく気持ち良くて・・・」
「早く彼女作んないとね・・・こんなに溜めこんでたら身体に悪いよ」
私はポケットティッシュで口の周りについて白濁液を拭きながら言った。
「あ、あの・・・また・・・してくれ・・・」
「だ~め。私は人妻なんだから、今日だけの特別サービスよ」
「ど、どうしても?」
あの、キュンとくる上目使いでそう言い返す彼。
私はクルリと向きを変えて、乱れた衣服を直しながら言う。
「ダメ~、はやく素敵な彼女を作って、その人にしてもらいなさい」
(危ない危ない・・・)
彼の潤んだ上目使いを見ていると、危なく今後も口での奉仕をしてあげると言ってしまいそうになる。
「じ、じゃあ、後で守衛さんが戻ったらもう一度・・・してくれませんか?」
「だからダメだって言ってるでしょ」
「で、でも、さっき今日だけのサービスって言ったじゃないですか」
「言ったけど?」
「まだ、あと3時間くらいありますよ、今日・・・」
「そんな屁理屈言ってもダメ~」
「ダメですか?どうしても?」
(あ、やばっ・・・)
彼が再び潤んだ目で私を真っ直ぐに見つめて言った。
「・・・あ、あと1回だけだからね・・・」
「は、はいっ・・・ありがとうございます!さぁ、守衛さんが来るまで一仕事するぞ~!」
(私・・・このままじゃ、いつか石見君と最後までしちゃうかも・・・)
張り切って自分の席へ向かっていく石見君の後ろ姿を見ながら私は何となくそんな予感を感じずにはいられなかった。
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