浴室から出て、ベッドの上に座ったままジュースを飲んでいても、居心地が悪かった。
(気まずいなぁ・・・)
浴室で僕は、興奮だか怒りだか、それとも悔しさだか自分でも解らない感情に任せて、無理やり姉の顔面に精液をぶっかけた。
姉は怒っている風でもなかったが、あの後黙って自分の顔を洗い流すと、軽く口を濯いで浴室から出て行った。
僕も十分に温まりすぎる程に温まっていたから、少し股間を洗った後で姉の後を追うように浴室を出て、何となく冷蔵庫から飲み物を出して黙って飲んでいる…。
それが今の状況だった。
でも僕等には時間がない。
こんな・・・最後の想い出がこんな喧嘩みたいに終わってしまうなんて、それだけは避けたい。
「姉ちゃん・・・ごめんね・・・怒った?」
僕は勇気を振り絞って、姉に向かってそう言った。
姉は無言だった。
無言のまま、自分の分の飲み物を手に取って、僕の隣へストンと座るバスタオルを巻いただけの姉…。
「ううん・・・怒ってない・・・お姉ちゃんこそ・・・ごめんね・・・」
「え?・・・なんで?」
僕は姉に逆に謝られた事が意外でそう訊きかえした。
「だって…最初はお姉ちゃんがちょっと翔太にイタズラしたから始まったでしょ?!」
そうだ。
今となっては懐かしい・・・。
あの時、姉が僕のモノに興味を持って、それを見せろと僕に迫った事から僕たちのこの背徳関係は始まったのだ。
「それなのに、今度はお姉ちゃんが勝手に終わりにしようって・・・翔太こそ・・・怒ってるでしょ?」
姉は悲しい顔をして僕を見上げた。
「そんな事ないよ。元々、姉弟なんだからいけない事だったんだし・・・仕方ないよ。それに姉ちゃんが言ってたじゃないか。こんな関係続けててもどうにもならないって・・・」
「そうだけど・・・何か・・・勝手だなと思って・・・私・・・」
どうやら、浴室での僕の行為を「翔太が怒ってる」と単純に姉は理解したらしかった。
でも実際の僕の感情は、それだけではなく嫉妬や悲しみ、寂しさ・・・色々なものが複雑に絡み合っている。
「怒ってる」だなんて、一言で簡単に言えるような単純な気持ちではなかった。
「そうじゃないよ・・・ただ姉ちゃんが他の男の物になると思うと寂しくて・・・」
だけど僕もその複雑な感情を姉に説明する事は出来なくて「寂しかった」と一言で表現してしまった。
「ホントに・・・ごめんね・・・」
姉はもう一度僕に謝ると、僕に顔を向けて目を閉じた。
僕と姉は何度も何度もSEXもしたし、行為中にキスもした。
でも、そのキスはいつも濃厚で唇を貪り合うようなキスばかり・・・。
――チュっ・・・。
だから、意外にも気持ちを確かめ合うような、こんな可愛らしいキスを姉とするのはこれが初めての体験だった。
「姉ちゃん・・・」
僕は堪らない気分になって姉をベッドに押し倒した。
「翔太・・・」
姉も僕の名を呼びながら、されるままにベッドに横たわった・・・。
――チュッ・・チュっ・・・チュウッ・・・
何度も何度も姉に唇を重ねる。
愛しくて堪らない。
今日を最後に普通の姉弟に戻ってしまう事が惜しくて悲しい。
もう2度と姉と唇を重ねられない事が悔しい。
そして・・・
――むにゅ・・・
この乳房を触れなくなってしまうのも・・・何もかもが寂しい・・・。
「あっ・・・」
僕とSEXを繰り返す事ですっかり開発された姉の身体は、僕が乳房をゆっくりと揉むだけでも快感の声をあげるまでになった。
僕は姉の乳房を揉むのもそこそこに、彼女の乳房に顔を埋める。
右の乳房と言うでもなく、左と言うでもなく・・・ちょうど左右の乳房の真ん中あたり・・・深い谷間を刻んでいる部分で姉の大きな乳房に顔を挟まれながら彼女を抱きしめた。
――ぎゅっ
と姉も僕の顔を胸に抱きしめる。
僕の顔面は柔らかい乳房に押し付けられて苦しいのか気持ちいいのか・・・良く解らない。
僕は軽い息苦しさから逃れるように、彼女の乳房へ舌を這わせ始める。
ホテルの薄暗い灯りに照らされた姉のキレイな乳房が、みるみる僕の唾液に塗れてテラテラと光を反射した。
「はぁ・・はぁ・・あぁ・・・」
「姉ちゃん・・・姉ちゃん・・・っ」
まるで赤ん坊のように姉の乳房に舌を這わせ続ける僕。
しかし、姉は決して赤ん坊に舐められるような母性ではなく、もっと淫靡にそれを受け止めているようで、だんだんと呼吸が荒くなってきた。
「あっ…あっ・・・あぁ・・・っ・・・」
それは彼女の乳首を舐めるとより顕著になった。
姉は完全に女の顔になって気持ち良さそうに顎を上げて喘ぎ始める。
―ヌルっ
満を持して姉の秘部に指を這わせると、予想通りの感触が僕を迎える。
「あっ・・・んっ」
そして予想通りの姉の喘ぎ声。
「気持ちいい・・・?」
僕は姉にそう訊ねた。
「うん・・・気持ちいい・・・」
またしても予想通りの返答だ。
「姉ちゃん・・・ここ触られるの好きだもんね・・・」
「あっん…あっ、あっ・・・」
僕は姉のクリトリスを中指で激しく擦りあげた。
姉がココを擦られるのが好きだと言う事は、数えきれない情事の中でとっくに学んでいた。
「うん・・・好き・・・そこ・・・好きぃ・・・」
卑猥な声を上げ、両足を恥ずかしげもなく広げて僕に股間を弄られる姉の姿からは、始めて彼女のソコを見たときの恥ずかしがる様子等微塵も想像できない。
――ピチャピチャピチャ・・・
やがて、姉のソコからは淫靡で卑猥な音が響きだした。
それと同時に、彼女の股間から香る女の匂い・・・。
僕は堪らなくなって姉の股間に顔を埋めた。
「あっ…あっ・・・あぁ・・・しょう・・・たっ!」
僕はまだゆっくりと姉の秘部を舐めあげただけだったが、それでも姉は大きな快感を感じているようだった。
自宅で行為に及ぶのとはまた違う、このホテル独特の淫猥な空気が姉をそうさせているのだろうか。
――ジュルっ・・・ジュルルっ・・・
「あぁ・・・姉ちゃん・・・姉ちゃんのここ・・・おいしいよ・・・」
淫猥な空気の影響を受けているのは姉だけではなかった。
僕もまた、自宅で行為に及ぶ時には絶対に言わないようなセリフを姉に浴びせた。
「あっ・・あっ・・・恥ずかしい・・・」
「恥ずかしくなんか・・・ないよ・・・すごくおいしいもの・・・」
「そんなこと・・・おいしいわけないじゃん・・・そんなの・・・」
「ホントだよ・・・すごくおいしい・・・姉ちゃんのここ・・・」
――ジュルっ・・ジュジュルっ・・・
とても姉弟の会話とは思えないその会話は、それでも僕等2人を興奮させるには十分だった。
「翔太・・・翔太のも・・・翔太のも・・・」
姉は快感の中で、喘ぎながらそう言った。
ただそう言われただけだったが、僕は姉が何を求めているのか解っていた。
「うん・・・」
僕はそう言うと、身体の向きを反転させて自分の股間を姉の口元へ持っていき、そのまま自分の顔は姉の股間に埋め直した。
――ジュルっ・・・
――ジュポッ・・・
互いの股間を口で愛撫し合う姉弟の音がホテルの一室に響く。
やがて姉は横向きの苦しい姿勢で僕のモノを咥える事が辛くなったのか、自ら身体を起こして僕の顔面に跨りシックスナインの形になった。
――ジュッポ、ジュッポっ
態勢を変える事で僕のモノをフェラチオし易くなった姉は、より一層激しく頭を上下させ、その唇を使って僕のモノをしゃぶり始める。
極度の興奮状態にあるためか、その動きは今までになく激しい。
浴室で一度射精していなければ、このまま姉の口内に精を吐き出していたかもしれない。
――ジュッポ・・・ジュッポっ
――ピチャっ・・・ジュルルっ
僕たち姉弟は薄暗いホテルの一室で、今までにした事がないくらい長時間に渡って互いの股間を口で刺激し合った。
僕は姉の秘部をこんなに自由に舐め廻せるのは今日で最後だと思ったし、姉だって同じだろう。
その思いが僕たちの口を互いの股間から離れがたいものにしていたのだ。
しかし何度も言うが僕等には時間がなかった。
ホテルの使用時間が過ぎれば、僕等は普通の姉弟に戻る。
このまま口で互いの性器を愛し合うのも堪らなかったが、僕はどうしても姉ともう一度一つになりたかった。
「姉ちゃん・・・もう・・・入れたい・・・」
僕は正直にそう言った。
「うん・・・姉ちゃんも・・・翔太に入れて欲しい・・・」
姉は姉で同じ気持ちでいたようで、そう返答してくれる。
僕は姉が自分の身体の上から避けるのを待ってから、身体を起こした。
ふと見ると、姉はもうベッドの上に寝転がって足を拡げ、僕のモノが侵入してくるのを待つだけと言った様子だ。
開いた脚の中心にヌラヌラと濡れ光る姉の蜜壺に視線を奪われたままで、僕はベッドの枕元にある備え付けの避妊具に手を伸ばした。
「いいよ・・・それ・・・しなくても・・・」
「えっ?」
「それ・・・つけないでエッチしても・・・いいよ」
姉がそう言った。
「でも、妊娠しちゃったら・・・」
「中に出すのは困るけど・・・さっき見たいに外に出すなら・・・いいよ・・・」
浴室での出来事で、今日の姉は「安全」な日ではないと言う事は解っていた。
それでも姉はコンドームをしないまま、僕を迎え入れてくれると言った。
「ホントに?・・・」
「うん・・・なんか・・・そうされたいの・・・お姉ちゃん・・・」
姉がどう言う心境でそう言ったのかは解らないが、ともかく彼女は僕のモノをそのまま受け入れたいと望んだ。
――クチュ・・・ジュブブっ・・・
「あっ・・あぁ・・・・はっ・・んっ」
僕は、姉の言うままにコンドームを装着しないまま彼女の濡れた蜜壺へ自分のモノを突き刺した。
初めてと言う訳ではないが、最後に姉の中の感触をコンドーム越しではなく直に感じる事ができたのが嬉しい。
僕は自分のモノが暖かく湿った肉壁に包まれている感触を楽しんだ後で、ゆっくりと腰を前後に動かし始めた。
「あぁっ・・・んっ・・・はぁ・・っ・・・」
そんなに激しく腰を動かしている訳ではないが、僕のモノは自分でも解るくらいカチカチに硬くなり脈打っていた。
その硬い肉棒に身体の中をゆっくりと掻きまわされて姉は快楽の声をあげた。
「あぁ・・・っ・・・もっと・・・奥まで・・・っ」
僕は姉のリクエストに応えて、彼女の両脚を持ち上げると身体をくの字に折り曲げて、自分のモノがより深く彼女の中へ突き刺さる態勢になった。
「あっ・・・すっ・・ごい・・・気持ちいいっ・・・!」
姉は益々歓喜の声を激しくし、それに呼応するように秘部から蜜を溢れさせる。
――ぐちゅ・・・ぐちょっ・・・
姉の穴から溢れ出た蜜が、僕のモノと摩擦して卑猥な音を響かせる。
「あっん・・・あんっ・・・」
そこに姉の喘ぎ声が加わって、ホテルの一室はいよいよその場に相応しい空気を纏ってきた。
「姉ちゃん・・・すごい気持ちいい・・・」
「うんっ・・・うんっ・・・お姉ちゃんも・・・すごく・・・いいっ…!」
意識しなくても勝手に腰の動きが速くなる。
このままでは発射してしまうと思った僕は姉に言った。
「姉ちゃん・・・今度・・・姉ちゃんが上になって・・・」
姉は無言だったが、やはり無言のままで仰向けになった僕の上に何も言わないままで跨った。
右手で僕のモノを握ると、狙いを定めるように自分の股間にあてがう姉・・・。
――ぬちゅ・・ジュブっ・・・
「あぁ・・・っ!・・・」
姉はやがて狙いを定め終ると、そのまま腰を下ろして僕のモノを自分の中に収めた。
「あっん、あっん・・・」
一定のリズムを刻みながら僕の上で腰を振る姉。
僕はそれを下から眺めて、姉の気持ち良さそうな表情と、彼女が腰を振る度にユサユサと上下する乳房の光景を楽しんだ後で、その揺れる乳房を両手で掴んで揉み始めた。
「あぁ・・・あっぁ・・・」
そうすると姉は、より一層激しく腰を振りだす。
――ギシギシっ・・・ギシッ・・・
やがて、姉の激しい腰の動きにベッドが悲鳴を上げ始めても、彼女の動きは止まるどころか益々激しさを増していった。
「姉ちゃん・・・すげぇ・・・」
「あっあっあっ…あっ!」
姉は僕の上で見た事もない程激しく腰を振りながら恍惚とした表情を上げ始めた。
それからどんどんと前屈気味だった身体を起こして、僕の両手が乳房に届かない程に身体を起こすと、また一段、腰の振りを激しくした。
「あっ、あっ、あっあっあっあっ!!・・・あぁ・・・イク・・・イキそうっ!」
僕のモノに跨って、1人で激しく腰を振り、そのまま姉は1人で果てそうになっている。
その卑猥な事実が、僕を興奮させて、一気に射精感を招きよせた。
「ね、姉ちゃん・・・待って・・・そんな・・・されたら・・・」
それでも姉は快感の真っ只中で、僕のモノを抜こうとはしなかった。
既に僕が避妊具を身に着けていない事など忘れてしまったのだろうか。
「翔太っ・・・イクっ・・・イクッ!・・・いくぅっ!!」
姉はそう言うと身体を後ろへ反らせるようにして、キレイな乳房を一層前に突きだすような格好をすると、僕の上でビクッ、ビクッと身体を震わせた。
「姉ちゃん・・・早く・・・抜いてっ・・・出ちゃう・・・っ」
姉が卑猥に果てる姿を見て、もう僕も我慢の限界だった。
姉は果てたまま余韻を楽しむ事も出来ず、慌てて僕の上から身体を避けると、僕が何も言わなくても、自分の愛液でヌラヌラになった男根をパクリと咥え、いきなり激しく頭を上下させた。
「姉ちゃんっ・・・い・・・っ・・・くっ!!!」
僕は激しく頭を振る姉の口内に向けて、思い切り精液を吐き出した。
ドクドクっと彼女の口内に流れ込む僕の精液・・・。
――ごくっ・・・
「んっ・・・うぅ・・んっ」
その精液を姉は喉を鳴らして全部飲み込んでくれた・・・。
(あぁ・・・終わっちゃったな・・・)
僕は、まだ僕のモノを咥えたまま離さない姉の姿を見ながらそう思っていた。
これを限りに僕と姉は普通の姉弟に戻る・・・今更ながら、そんな約束をしてしまった事を後悔しながら・・・。
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