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凛 騎 応 変!

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□ 僕がエロ男子になった理由(完結) □

第20話 …本当にいいんですね?~前編~…



「木下君が・・・そうしたいなら・・・いいよ」

飛び切り驚いた表情を見せた後、少しだけ考えて美紅はそう言った。
僕の心の中では「拒否して欲しい気持ち」と「受け入れて欲しい気持ち」が半分ずつ同居していたから、彼女がどんな返答をしても満足する事はあり得なかった訳だけど、こうして実際に受け入れられてしまうとやっぱり複雑な心境だった。

「おぅ、悪いな、先に風呂使わせてもらって」

宏和が満面の笑みで現れた。
その後ろに、知美ちゃんが少しだけ赤い顔をして、バスタオル一枚で身体を隠して立っている。

「ああ、じゃあ、次、俺たち借りるぜ?」

僕達4人は、ラブホテルにいた。
学生の身分で、そうそう頻繁にホテルになんか来れないけれど、4人同時に事に及ぶとなると、それなりに広い場所が必要だったし、実家住まいやアパート住まいの僕らの自宅での実行は不可能だ。

そうしてホテルにやってきた僕達は、それぞれカップルで一緒にお風呂に入ろうと言うことになって、今、宏和と知美ちゃんが出てきた所だった。

「美紅・・・行こうか」
「・・・うん」

事前にこれから何をするのか話してあるとは言え、やっぱり恥ずかしいのか美紅は口数が少なかった。
少しだけ俯き加減のまま、僕に手を引かれるようにして美紅は浴室へついてきた。

「美紅・・・今なら間に合うよ?本当にいいの?」

自分でも何を今更・・・と思う質問だ。

「うん・・・すごく恥ずかしいけど・・・でも・・・」
「でも・・・?」
「木下君がそうしたいんだったら・・・する」
「美紅・・・」

浴槽の中で向かい合って座る美紅を抱き寄せる。
それから強く抱きしめてキスをした。

「美紅・・・大好きだよ」
「私も・・・大好き」

大好きだけど見せたい・・・いや、大好きだからこそ見せたい。
そんな世界があるなんて、ほんの少し前までは知らなかった。
だけど、今ならよく解る。
僕の美紅・・・最高の美紅・・・それを他人に見られる事で嫉妬と興奮、優越感の入り混じった不思議な快感を得る事が出来る。

「さ、時間もないから、そろそろ出ようか・・・」
「うん・・・」

僕と美紅は唇を離して、宏和と知美ちゃんの待つベッドルームへ向かった。



※※※



「おまえら、ベッド使えよ」
「そっちは?」
「俺たちは・・ほら、このソファ結構幅あるからさ、ここで良いよ」
「そうか、悪いな・・・」
「・・・・・」

会話が続かない。
4人全員が、誰が「その時間」を開始させるのかと待っている・・・。

「あの、お布団入るね?」

以外にも「その時間」を開始させたのは美紅の一言だった。
自覚があるのか無いのか解らないけれど、彼女が「布団に入る」と言った事で時が動き出したのだ。

「あ、ああ、どうぞ、じゃあ知美・・俺たちはこっちで」
「・・・うん」

ソファへ移動する2人。
僕だけがベッドの横に取り残されて、慌てて美紅の後を追うようにしてベッドによじ登る。

「緊張するね・・・」

そう言いながら硬い表情のまま笑顔を作る美紅。

「そうだな・・・」

布団にもぐりこんだ美紅は、その中でバスタオルを取った。
自慢の巨乳と真っ白くて美しい尻・・それらすべてを友人の視線から隠しているのは、薄い掛け布団一枚だけ・・・。

「あ、布団は捲っておいてくれよ、見えないじゃん」

宏和が、まるでそれを見越したようにそう声をかけてきた。

「え?お布団とっちゃうの?」

美紅が慌てて言い返す。

「だって、そっちからは俺たちが丸見えだろ!?そんなのズルいじゃん!」

確かにソファで事に及ぼうとしている宏和と知美ちゃん・・・知美ちゃんはまだバスタオルを身体に巻いているけれど、行為が始まればそのバスタオルも外すだろう。
そうすれば、ベッドに潜りこんでいる僕達と違って、2人を隠すものは何もない。

「美紅・・・どうする?」
「どうするって・・・どうしたらいい?」

僕は迷った。
「同じ部屋で行為に及ぶ」と約束はしたものの、布団の中に入らないとは約束していない。
ましてや宏和は美紅の裸が見たくて見たくて仕方ないと言うのが態度に現れている。

今、この布団を捲れば、それこそオオカミの群れに美紅と言う羊を放り込むようなものだ。

「えぇ!?私達だけ見られるのは嫌だよ~!?」

決心に時間がかかる僕に向かって知美ちゃんがそう言った。

「それなら私だって布団に隠れてエッチする方が恥ずかしくないもん、美紅~ズルいよ!」

続けざまにそう言う彼女。

「う~・・・どうしよう、木下君・・・」

(えぇい!ここまで来たんだから仕方がないっ!)

「解った、俺たちも布団は掛けないでしよう」
「そうでなきゃ!」

大喜びの宏和。

「美紅・・・いい?」
「木下君がそうしたいなら・・・いいよ」

また僕の望みなら叶えてくれると言う美紅。
後は、この薄い布団を捲るだけだ。

美紅はネット上で裸を大勢に見られてはいるけれど、僕達はその「見られている瞬間」を直に見た訳じゃない。

それが今度は正真正銘、目の前で美紅の裸を宏和に見せる事になる。

(この布団を捲れば・・・もう後戻りできない・・・)

「早く捲ってくれよ~」

急かせる宏和。

「木下君・・・いいよ、私・・恥ずかしいけど大丈夫・・だから」

美紅が目を潤ませて僕を見上げた。

「よし、捲るよ・・・」

その視線が僕に心を決めさせた。
可愛い美紅・・大切な美紅・・・だけど、今僕を見上げるこの目は・・・始めてローターを使った時と同じ・・・多分に期待を含んだ目だったのだ。

(美紅・・・興奮してるんだね・・・)

――バサッ

僕は一気に布団を捲ってそれをベッドの下に投げ捨てた。

「お~っ、やっぱ美紅ちゃん、巨乳だね~」

遠慮なくそう言う宏和。

「悪かったわね~、巨乳じゃなくて」

すぐにそう言う知美ちゃん。
でも知美ちゃんだって、胸が小さい訳じゃない。
美紅が大きいから見劣りするかもしれないけれど、普通に考えれば知美ちゃんの胸だって中々立派だと思う。

「き、木下君・・・」

僕に抱きついて、少しでも宏和の視線に晒される面積を減らそうとする美紅。
ああは言ったものの、いざその場になるとやっぱり恥ずかしいのだろう。

「さて、じゃ、知美も・・・脱ごうか」
「う・・・そ、そうね」

知美ちゃんのバスタオルに手をかける宏和。
しかし、その視線はずっと美紅に固定したまま・・・なんとも言えない目つきだ。

それを責める事は出来ない。

美紅の身体はキレイだし、何より他の女の裸を見る事が出来るとなれば自然とそちらに視線が向いてしまう事は、今、現在、知美ちゃんへ視線を釘づけにしている僕自身が証明している。

――ハラっ

宏和が静かに知美ちゃんのバスタオルを捲った。

スリムだけどメリハリのある身体が視界に入る。

「ほら・・・隠すなよ・・・」

両手を組むようにして自分の胸を隠す知美ちゃんにそう言いながら、宏和が彼女の手を無理やりどけた。

どうやらこの状況に一番興奮しているのは、提案者の宏和のようだ。
言葉の端々に熱っぽい興奮がこもるようになってきた。

――チュッ・・レロっ

宏和は知美ちゃんの手を抑えつけるようにしながら、その乳房に吸い付いた。

「あっ・・・」

一つだけ小さな喘ぎ声が漏れた。

普段、一緒の教室で授業を受けている知美ちゃんが、全裸になって宏和に胸を愛撫されている姿・・・。

僕は美紅の事が世界で一番好きだけど、普通に生活していたら絶対に見る事の出来ない知美ちゃんのそんな姿を見せられれば、興奮してしまうというものだ。

「木下も・・・始めろよ」

宏和は良い奴だ。
だからいつもは、こんな命令じみた言葉を発する事はない。
それだけ今は興奮していると言う事か。

――チュッ・・チュっ

僕は宏和に習うように、彼が知美ちゃんにしたのと同じように美紅のムネに口を付けた。

「あっ・・・んっ」

同じように小さく喘ぐ美紅。
その様をギラギラした目で眺める宏和の姿。

なんだか興奮する。

「あっ・・あぁ・・・」
「はぁ・・っ・・あは」

そう広くもない個室に響く2人の女の子の吐息と喘ぎ声。
途切れた会話・・・。
チュっ、チュっと言う音。

「なぁ、やっぱりそっち行ってもいいか?」

その静寂を破って宏和が突然そう言った。

「やっぱりソファじゃ狭くてよ」

彼はそう言ったけど、果たしてそれが理由かどうかは怪しいものだった。
何故なら彼は、美紅がその裸身を露わにした瞬間から、片時も視線を外すことなく彼女の身体を舐めるように見ていたから、ただ近くで見たいと思っただけなのではないかと思ったのだ。

「でも、4人で使うには狭いだろ?このベッド」
「邪魔にならないようにするから・・いいだろ?」
「・・・・・」
「そうしようよ、私達だけベッド使うなんて悪いし・・・」

この期に及んでも、間近で美紅の恥ずかしい姿を見られる事に躊躇いがある僕に向かって、美紅がそう言った。
彼女は宏和に近くで見られる・・・なんて事は考えずに、素直にベッドを半分ずつ使わないと申し訳ないと思ったのだろうと思う。

「悪いね・・・美紅ちゃん」

そう言いながら、宏和が知美ちゃんの手を引きながら近づいてきた。
そうして、そのまま彼女をベッドの上にあげると、それに覆いかぶさるようにして自分もベッドに上がる。

2人がベッドに上がってきた事で、小さく揺れるベッド。

「あっ・・・あぁっ・・ん」

と、急に知美ちゃんが今までとは比較にならない艶めかしい声をあげた。
ふと見ると、彼女の黒い茂みに宏和の手がニュッと伸びていて、その手が小刻みに動いている。

「あっ、あっ、あっ・・・は、恥ずかしい・・」

それでも快感の声を堪える事は出来ないのか、知美ちゃんは腰をクネクネと動かしながら悶えた。



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Date:2012/06/03
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