俊哉は、隣家の人妻である山中 瞳と関係を持った。
俊哉にとっては生まれて初めてのSEXだった。
だが、初めての体験にしては少々度が過ぎたようだ。
お隣の居間で彼女に犯されるように童貞を奪われた後で、夫の帰りは遅いから大丈夫だと告げられて夫婦のベッドルームへ連れて行かれた…。
そこで、俊哉は彼女に言われるままに、彼女の望む行為をすべて体験したのだ。
しかし、いくらお隣さんとは言え、おいそれと尋ねて行く事もできない。
ましてやSEXをさせてくれと言って隣に行く事など到底出来ない。
それは健康な高校生男子である俊哉には辛いことだった。
思春期の彼にとって、一度知ってしまった快感はオナニーだけでは処理しきれなくなっていたのだ。
SEXがしたい…その思いが俊哉を支配する。
その時、一番に俊哉の頭に浮かぶもの…それはあの時の、姉の喘ぎ声だった。
俊哉は元々、姉が大好きだった。
だがそれは、異常な感情を含むものではなく、健全に姉弟としての思いだったはずだ。
それが、あの日の瞳とのSEXで異常な感情に変わってしまっていた。
※※※
ゆり子はあの日以来、殆ど毎日のようにオナニーをしてから床についていた。
初めて弟の俊哉のことを想像しながらオナニーした日、あまりの快感から「クセになりそうだ」と思った彼女の直感は当たっていた。
今日もコンビニのバイトで疲れていると言うのに、お風呂から上がったゆり子は、パジャマの前をだらしなく開き、下半身には何も身に付けていなかった。
彼女の右手は既に股間に、左手は自分の乳房に置かれていたのだ。
しかし、家族の在宅する自宅でのことである。
万一、突然誰かが入ってくるとも限らない。
ゆり子は、あれ以来、毛布を頭までかぶってコトに及ぶと決めていた。
これならば突然誰かに戸を開けられても身体は毛布で隠れているし、自分が何をしていたのか悟られる事もあるまい。
それに毛布に潜ると、そこは暗闇で、ゆり子は一層俊哉との妄想に集中する事が出来た。
「クチュクチュクチュ」
毛布をかぶっているせいで、卑猥な音が一層耳につく。
「あぁぁ…っ…」
小さく喘ぐゆり子…毛布をかぶっていれば、この程度の声は隣の俊哉には聞かれまい。
殆ど連日こんな事をしているのに…それでもゆり子のアソコは驚くほどの|涎《よだれ》を垂らしている。
(切ないよ…俊君…)
人並み以上の容姿を持つゆり子だから、望めば相手をしてくれる男はいくらでもいるに違いなかった。
だが「他の男」ではダメなのだ…「弟の俊哉」…ゆり子の性欲はただ一点、そこにだけ向けられていた。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「クチっ…クチュ…」
ゆり子の息遣いと陰部から漏れる卑猥な音だけが響く毛布の中の世界。
その世界は暑く、ゆり子の身体を汗ばませたが、頭がボ~ッとするのは暑さのせいだけではあるまい。
「あっ…あっ…あっ…イク…俊君…っ…」
快感の頂点に近づいた彼女は、いつものように俊哉の名を呼んだ…その時…
「姉ちゃん…」
すぐ近く…毛布から手を出せば、触れられる程近くから、聞こえるはずのない俊哉の声が聞こえた。
「姉ちゃん…」
毛布の中で何も言えずに固まっているゆり子へ向けて、もう一度俊哉がそう言った。
ゆり子はそろそろと毛布から顔を出す。
ベッドのすぐ脇に立っている俊哉と目が合う。
上気したゆり子の顔…何をしていたのかバレているだろうか…。
いや、それよりもいつからそこに居たのだろうか、しばらく前からそこに居たのなら、毛布の中で股間の部分がモゾモゾと動く様や小さな喘ぎ声…最後に俊君と言った声までも聴かれているかもしれない。
「俊君…どうして…だって、ノックの音…しなかったよ…」
「うん…ノックしなかった…」
「何で…いつもは返事するまで入ってこないじゃない…なんで…」
「今の時間は姉ちゃんがオナニーしてる頃だと思って、静かに入ってきた…」
「!!っ…」
ゆり子は再び声も出せなくなった。
オナニーしていた事がバレている…しかも「この時間は」と俊哉は言った。習慣的にオナニーに耽っている事も知っているのだ。
「どうして…そんなこと…」
ゆり子はやっと声を振り絞る。
バレる訳がない。
毛布を頭からかぶって、声も最小限に押し殺しているのだ。
戸の前で耳でも澄ましてジッと盗み聞きでもしていない限り、少しも疑われる要素はないはずなのだ。
「聞いちゃったんだ…俺…この間…」
俊哉はそれでも、ゆり子の喘ぎ声をハッキリ聞いたと言う。
聞かれたとすれば…あの時、初めて俊哉の事を想いながらオナニーに耽った、あの時しかあり得ない…。
「それから、毎晩…俺、この時間には姉ちゃんの部屋の前で聞いてた…」
「そんな…」
その上、俊哉は毎晩、ゆり子の切ない喘ぎ声を盗み聞きしていたと言う。
「姉ちゃん…俺のこと呼びながらしてたでしょ…」
「え…っ!?…」
そんな事まで筒抜けになっている事に驚愕するゆり子…もう何も言い訳できない。
突然、俊哉が近づいてきて、ゆり子の纏っている毛布をガバッと捲った。
「あ…やめて…」
反射的にゆり子は身体を丸めて、俊哉の目に触れる自分の裸体を少しでも隠そうとする。
「俺も…我慢できないよ…毎晩、姉ちゃんのこと想像してオナニーしてたんだ…」
それは半分本当で半分嘘だった。
実際は、先日体験した隣の人妻との情事が頭に浮かぶ事もあった。
しかし、ここ最近は完全に姉に対する欲望が彼の頭の中を支配していたのは本当だった。
ゆり子は、俊哉が隣の人妻と関係を持った事など知らなかった。
だから、自分の軽率な行為だけが弟をこんな風に興奮させてしまったのだと自分を責めた。
姉として…この状況をどうにかしなければならないとも思った。
しかしそれ以上に、ゆり子を禁断の世界へと誘うのは、つい今までのオナニーで疼くアソコ…俊哉は、今まさにゆり子が絶頂を迎えようとしたその時に声をかけてきたのだから、彼女の身体も中途半端なままだった。
両手で自分の身体を抱きしめるように隠している姉の姿だったが、良く見ると豊かな胸の膨らみや白くてまぶしい程の大腿が見える…それに香ってくる匂い…それが「女」の匂いだと言う事を俊哉は経験で知っていた。
ズボンの上からでも解るほどパンパンに膨らんだ俊哉の股間。
自分の裸を見下ろす弟の視線。
それにイク直前で止められた自らの身体の疼き…。
ゆり子は何度も妄想の中で言ったセリフを現実に口に出した。
「俊君…ズボンと下着…脱いで…」
俊哉は姉が大好きだ。
興奮を抑えきれなくて部屋に入ってきてしまったがレイプのように姉を犯す事など出来ない。姉が自分の欲望を理解してくれる事…それが絶対条件だった。
自信もあった。
姉は自分の名を呼んで果てているのだから、少なからず自分とそうした関係を持つ事に興味があるはずだとも思ったのだ。
俊哉は勝負に勝った。
※※※
「お父さんとお母さんには絶対内緒よ…」
ゆり子は下半身に何も身に付けない状態で、同じように下半身裸で仰向けに寝転がる俊哉の足元に座って言った。
無言で頷く俊哉…。
ゆり子はそれを見届けると、顔を伏せて俊哉のモノに舌を這わせた。
ガチガチになったその先端をチロチロチロッと舌先で弾くように刺激したかと思うと、次には大きく舌を突き出して、彼のモノを回り込むような姿勢で一番敏感な亀頭部を舐めまわす。
「あ…うっ…」
俊哉の口から小さな呻き声が漏れる。
「俊君…声は我慢して…お母さんに聞こえちゃう…」
ゆり子は小声で言った。
父は酒を|呷《あお》って床に就けば、簡単に目を覚まさない事は知っていた。
聞かれるとすれば母だろう。
「うん…でも…」
正直な所、物理的な快感だけであれば隣の奥さんの方がフェラチオは上手かもしれない。だが、今目の前で自分のモノに舌を這わせているのは実姉…あの姉ちゃんなのだ。
してはいけない行為…近親相姦。
そのタブーを犯していると言う事が俊哉の快感を何倍にも引き上げた。
俊哉のモノを口にしている姉の姿は妖艶だった。
普段は優しい姉。
歳が離れているせいか、手を引いてどこかへ連れて行ってもらった記憶が多い。
今日もそう…俊哉を導くようにして快感の世界へ連れて行ってくれる。
ヌ~ッとした感触とともに俊哉のモノが暖かさに包まれた。
見ると姉は口一杯に根本まで自分のモノを頬張っていた。
ヌ~ッ、ヌ~ッと姉の口内に消えては出現し、出現しては消えていく自分のモノが見える。
出来るだけ音は出さないように気を使っているようだが、時折
「ジュルッ、チュゥッ…」
と卑猥な音が俊哉の耳に届く。
「姉ちゃん…気持ちいい…」
俊哉は小さく言った。
「うん…俊君…ちょっと激しくするけど…声…我慢よ…」
ゆり子は言った。
言い終わったかと思うと俊哉の返答も待たずに、ゆり子の頭の上下運動は激しさを増した。
「…っ…!!…」
危うく大声が出そうになるのを堪える俊哉。
ゆり子が先に激しくする…と教えておいてくれないと大声が出たかもしれない。
自分の股間で同じリズムを刻みながら激しく上下する姉の頭…少し視線をずらすと、激しく頭を振るのに合わせて、姉の真っ白い乳房がユサユサと揺れているのも見える…。
「…ね…えちゃん…俺…イキそう…」
俊哉は湧き上がるマグマが噴き出る寸前だとゆり子に伝えた。
「むぅ…らして…」
俊哉のモノから口は離さずにそう言うゆり子。
「…うっ…おぉぉぉ…んっ…!!」
俊哉は腰を一度大きく上に持ち上げた。
「うぉぇ…」
思いがけず喉の奥に俊哉のモノを突っ込まれ、一瞬、|嘔吐《えず》くゆり子。
だが、口内に溢れんばかりの俊哉の精が吐き出されてくると迷う事なく、それをゴクッゴクッと飲みこんだ。
これ以上、俊哉のモノから何も出てこないようだと思ってから、ようやくゆり子は俊哉のモノをヌ~ッと口から出した。
それから、少しだけ口内に残っていた彼の精液をコクッと小さく飲み込んだ。
「さっ…ズボンを履いて…こんなトコ、お母さんにみつかったら大変よ…」
ゆり子は目の前で下半身丸裸で快感の余韻に浸っている弟を見て、本当に大変な事をしてしまった…と思っていた。
「でも…まだ、姉ちゃん気持ち良くなってないよ…」
俊哉は身体を起こしながらそう言った。
「私は良いのよ…」
「良くないよ…さっきも、俺が声かけたからイケなかったでしょ…最後まで…」
俊哉に自分のオナニーの何もかもを知られているようで恥ずかしい。
「けど…いいのよ…私は…」
「良くないよ…してあげたいんだ…俺が…姉ちゃんを気持ち良くしてあげたい…」
俊哉はそう言うとゆり子に覆いかぶさってきた。
ベッドがギシッと1回軋んだ。
それから、さっきまで目の前でユサユサと揺れながら触ることが出来なかった姉の乳房に思い切り顔を埋めながら、先端の…既に硬くなっている部分を指でつまんだ。
「ひゃ…ん…」
突然乳首に強い刺激を受けて、変な声が出てしまうゆり子…慌てて口を両手で押さえる。
俊哉は先日の人妻との体験で、彼女が「ああして欲しい、こうして欲しい」と願望をすべて俊哉に吐露してくれたお陰で、女性の気持ち良いツボが何となく解るようになっていた。
だが、それは「人妻の望むツボ」であり、独身のゆり子には少々刺激が強かったようだ。
先日の…瞳に教えられた通りに姉の乳房を弄ぶ俊哉。
どこでこんなイヤらしい手つきや舌使いを覚えてきたのか…やはり彼女でもいるに違いない。
ゆり子はそう思った。思ってから、まだ見ぬ彼の彼女に嫉妬感を覚えた。
ついさっきまで、自分の指により快感の頂点寸前まで追い込まれていたゆり子の肉体は、俊哉が少し乳房を愛撫しただけで激しく感じた。
もう乳房への愛撫だけでは下半身が疼いて仕方がない…。
「…俊君…お姉ちゃんの…アソコ…舐めて…」
ゆり子は、何度も何度も妄想の中で俊哉にお願いしたのと同じように現実世界でもお願いした。
「うん…」
俊哉は妄想の中の彼と同じように、素直にそう返答してから、両手はゆり子の乳房に置いたままで顔を彼女の陰部に移動した。
それから、やおら彼女のアソコの上部に位置する硬くプクッと充血している核に吸い付いた。
「あ…ふっ…んっ…!…」
想像だにしなかった強い刺激をいきなり受けて寸での所で卑猥な喘ぎ声が漏れるのを堪えるゆり子…。
俊哉は核をチュウチュウと吸いながら、時折、割れ目の部分にレロンと舌を這わせる。
とても、女性経験のないそれとは思えない俊哉の舌技…やはり弟はどこかで同じことを経験しているのだ…と改めて確信するゆり子。
弟が自分の知らない誰かの股間に顔を伏せ、今しているのと同じように秘部を舐めているのだと思うと猛烈な嫉妬感がゆり子を襲ったが、やがて嫉妬感は快感に飲み込まれ、たった一つの大きな快感へと変わってしまった。
「ふっ…ふっ…ふっ…」
まるで腹筋でもしているような吐息を漏らして、ギリギリの所で喘ぎ声を堪えるゆり子。
「姉ちゃん…気持ち良い…?…」
俊哉がそう尋ねてきたが、それに答えようと力を抜くと、途端に大きな喘ぎ声が出るのは明白だった。
言葉を発する事のできないまま、コクコクと俊哉に頷いて見せるゆり子。
中途半端なオナニーで疼いていた身体は、もう果てる寸前まで来ていた。
(…あと少し…もう少しで…イキそう…)
声を我慢しながらそう思っていると、突然、俊哉がゆり子の秘部から顔を離してしまった。
(どうして…?…)
一瞬そう思ったゆり子だったが、彼に視線を向けて、その理由はすぐに解った。
「ダメ…俊君…それだけはダメよ…」
俊哉は自分のモノを握りしめた姿勢で、ゆり子の股間に向かったにじり寄っている所だった。
俊哉が何をしようとしているのか一目瞭然だった。
「どうして…姉ちゃん…入れたいよ…俺…」
「ダメ…それだけは…私たち、姉弟なのよ…」
姉弟だから…と言うのなら、互いの性器を口で愛し合う事だってしてはならない。
ゆり子自身も自分の言っている事が矛盾しているのは十分解っていた。
「もう…我慢できないよ…入れさせて…」
「ダメ…絶対ダメよ…それだけは…」
矛盾していると解っていても、最後の一線を許してはいけない…ゆり子はそう思っていた。
理性や社会通念の問題ではなかった。
この一線を越えたら、2度と倒錯したこの世界から戻れない…彼女の「女」の部分がそう警鐘を鳴らしている…。
「姉ちゃんは入れたくないの…気持ち良くなりたくないの?」
なりたい。
俊哉のそれを入れて快感に身を委ねたい。
「俺のこと…嫌いになった…?…」
逆だ、大好きだから倒錯した異常な世界にどっぷりとハマらせてしまう訳にはいかない。
「頼むよ…姉ちゃん…俺…姉ちゃんのこと…」
ダメだ…その先は言ってはならない。
ゆり子は俊哉の顔を両手で引き寄せると自分の口で彼の口を塞いだ…。
俊哉自身、何となく照れくさくて出来なかった姉とのキス…本当は一番最初にしたかったのに…。
思わず俊哉を引き寄せたゆり子。
自分でしておきながら彼とのキスは思考を鈍らせる。
おまけに彼の熱く、硬く、屹立したモノはゆり子の蜜壺のすぐ脇の大腿にあたっている。
ちょっと腰をズラせば入ってしまう。
「姉ちゃん…」
俊哉は唇を話すと姉の顔を見つめた。
何も変わらない…可愛い弟の顔…火照った身体…大腿にあたる硬い男根の感触…。
「これっきりよ…これ1回だけ…約束できる…?…」
ゆり子は挿入を許すしかなかった。
「うん…約束…する…」
昔から何て嘘の下手な子だろう…嫌々する約束を弟は守ったことがない。
今だって、あからさまに嫌々に約束すると言った。
おそらくこの約束は守れまい。2度、3度とゆり子の身体を求めてここへやってくるに決まっている。
だが、ゆり子はその事に気が付かなかった…と自分を騙した。
「中に出したらダメよ…出そうになったら…抜くの…約束よ…」
ゆり子は言った。
「うん…」
言うや否や、俊哉はズンッとゆり子の中に入ってきた。
「う…うぅ…」
「あっ…あぁ…」
2人殆ど同時に挿入感に声を上げた。
それから、俊哉は腰を動かし始めた。
「ギシギシっ…ギシッ」
途端に軋むベッド。
この音はマズい。
おそらく床についているであろう両親は、小声の会話や小さな喘ぎ声くらいでは起きないだろうが、この音が延々とゆり子の部屋から響いてきたら、様子を見にきてしまうかもしれない。
俊哉も同じ事を考えているようで、腰の動きを止めたまま思案顔をしている。
「姉ちゃん…俺につかまって…」
先に何か思いついたのは俊哉だった。
「え?…」
「俺の首に…掴まって…」
ゆり子は俊哉と繋がったままで俊哉の首に言われるまま手を廻した。
俊哉の顔が近くなって、一瞬ドキッとする。
だが、次の瞬間には俊哉は彼女の腰と尻の間辺りに手を廻すと、いとも簡単にヒョイッと彼女の身体を持ち上げた。
「きゃ…っ…」
驚いて、小さな悲鳴があがる姉に向かって、シ~ッと注意をする俊哉。
彼女は完全に身体を持ち上げられてしまった。
いつの間にこんなに|逞《たくま》しくなったのだろう。
あの泣き虫で、いつも自分の後にくっついてきた弟が…。
彼の首に廻した両手越しに、自分を持ち上げる為に筋肉が盛り上がっているのを感じる。
俊哉はそのまま、姉の部屋に敷いてあるローズカラーのラグマットの上に彼女をそっと寝かせて自分はその上に覆いかぶさった。
「ベッドだとうるさいから…ここで…」
そう言うと再び腰を動かす俊哉。
ゆり子はそのまま俊哉の首に手を廻して頼もしげに彼を見上げている。
フローリングの上に敷かれたラグマットの上は背中が少しゴツゴツするが、どんなに俊哉が動いても何の音もしない。
これなら両親に気付かれる事もないだろう。
「あぁ…あっ…」
だが問題は自分だ。
声が…我慢できない。
弟の熱く、固いモノはゆり子の中を容赦なく掻きまわす。
最早、それを止めろと弟に言うことは出来なかったし、ゆり子自身もやめて欲しくなかった。
俊哉は首に廻した姉の手をほどくと、少し手を伸ばしてベッド上にある姉の枕を取った。
「姉ちゃん…これで…」
俊哉は枕で声を抑えろと言う。
それは、オナニーをする時にゆり子自身がよく使う手だった。
そんな事までバレていたのかしらと恥ずかしさがこみ上げる。
「あっ…!…」
また声が出てしまった。
ゆり子は慌てて自分の枕を抱きしめるように顔に当てた。
「むぅ…むぅ…むっ、むっ、むっ…」
枕越しにくぐもった姉の声が聞こえる。
枕を渡さなければ間違いなく部屋中に響き渡る喘ぎ声だったろう。
それでも、全くの無音と言う訳にはいかなかった。
姉のくぐもった声は部屋の前で、彼がそうしていたように聞き耳を立てればおそらく聞こえてしまうだろうし、気を付けていても身体同士がブツかる「パンッ」と言う音は時々出てしまう…それに俊哉が動く度に結合部から聞こえる、この音…。
「クチュ…グチュ…」
この音を聞かれれば決定的だ。
そう思っても、この快感には抗えない。
しかし、その心配ももう終わりだ。
「姉ちゃん…俺…出そう…」
「中は…中はダメよ…あっ…!」
枕から顔をヒョコッと出して、それを確認するようにもう一度告げた後で俊哉がハッとするような音量の喘ぎ声をあげてしまうゆり子。
慌てて彼女は枕をバフッと自らの顔に押し当てた。
「大丈夫だよ…中にはっ…出さ…ない…から…」
途切れ途切れに言う俊哉。
「はぁはぁはぁ…」
「むっ…むっ…むぅ…」
と言う卑猥な声が部屋に響く。
やがて、パンッ、パンッ、パンッと3回ゆり子と俊哉の身体がブツかり合う音がした後で、俊哉は自分のモノをゆり子から引き抜いた。
ほぼ同時に
「むぅぅぅぅぅぅ…っ…!…」
と声を上げてビクビクッと身体を震わせるゆり子…。
そのゆり子の腹部から胸元、そしてゆり子の顔を覆う枕まで飛び散る俊哉の精液…。
やがて枕から顔を離したゆり子は、その事に気が付く。
「すごい…量…見て…俊君…こんな所まで…」
言いかけるゆり子の唇を俊哉の唇が塞いだ。
「姉ちゃん…好きだよ…」
「私も…俊君のこと…大好きだよ…」
ゆり子は笑顔でそう言ってから続けた。
「でも…もう、こんなのはダメだからね…」
俊哉は言葉に詰まった。
姉との関係がこれっきりでは寂しい。
だが、さっき「これっきり」と約束してしまった…。
「あ…の…姉ちゃん…」
何か言わなければ…と思った俊哉は、起き上って精液まみれの自分の身体をティッシュで拭いているゆり子に声をかけた。
「ふふっ…泣きそうな顔してるよ…俊君…」
ゆり子は言った。
「でも…俺…」
「こんな、お母さんにバレちゃいそうなエッチは嫌だって言ったの…今度は、誰もいない時に…ね…」
泣きそうだった俊哉の顔がパァッと明るくなる。
どうやら、2人の関係は始まったばかりのようだ…。
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