「今、どこ舐めてるの?」
「・・・先のほう」
電話でのコミニュケーションも段々と慣れてきたのか、僕へ自然に返答できるようになってきた妻。
どうやら今は、坂井君のモノの先っぽに舌を這わせているらしい。それは嘘では無く、モニターの中の彼女は、右手で男根を握り、その先端に舌先をチロチロと這わせていた。
「じゃあ、今度は下の方を舐めてあげようか」
「・・・下・・・って」
「タマだよ、坂井君のタマを舐めてあげて」
「・・・・・」
「いつも、俺にはしてくれるでしょ?同じようにしてあげて?」
「・・・うん」
モニターの中の妻は、坂井君の股間にあった顔を、更に下に潜らせる。
「う・・・わ」
途端に声をあげる坂井君。
「どう?坂井君」
「なんて言うか・・・すごいっす」
「初めてじゃないだろ?そこ舐められるの」
「いや、こんな所まで舐められたの初めてっす」
「そうか、で、感想は?」
「なんか、くすぐったいっす」
「そうか、初めてだとそうかもしれないね」
坂井君に感想を訊ねている間も、素直に彼の股間に潜っている妻。残念ながら、カメラには彼の睾丸を舐めまわす口元は映らない。
「綾乃、いつもみたいに、タマを軽く口に含んでみて」
やはり、映像では、僕の言った通りにしているのかどうかは確認できない。
「う・・・おっ」
しかし、坂井君の呻き声が、それを教えてくれる。
「なんか・・・不思議な感じっすね」
坂井君が感想を述べる。
「綾乃、そのまま裏筋を舐めあげて・・・」
モニターの中で、妻の顔が動いた。
素直に、彼のモノの裏筋を、下から上へ向かって舐めあげる。
「坂井君、綾乃は俺の言う通りにしてるかい?」
「し、してるっす・・・」
快感を堪えながら答える坂井君。
「よし、じゃあ、いつも通りにそのまま舐め続けるんだ。でも、俺が良いって言うまで咥えちゃダメだぞ」
返事はない。坂井君も会話が煩わしくなってきたのか、何も答えない。電話だけで状況を把握している僕は不安になったけれど、モニター内では綾乃が僕の言う通りに坂井君のモノを舐め続けている。
そうしてそのまま5分ほど時間が経った。
その間、綾乃は一度も彼のモノを咥えなかった。ただひたすらにペロペロと男根を舐め続けていたのだ。
「じゃあ、そろそろ咥えようか。まだ咥えてないだろうね?」
「・・・・・」
「綾乃?」
「ま・・・まだ・・・・舐めてる・・・だけ」
「よし、じゃあ、もう咥えても良いよ。ゆっくりで良いから、出来るだけ深く、喉の奥まで坂井君のを咥えるんだ」
――ジュポっ
モニターから、男根を咥える卑猥な音が聞こえた。
この音は電話越しにもきちんと聞こえたから、電話の僕も状況は把握できた。
「ゆっくりと、軽く吸い上げながら頭を上下させるんだ」
――ジュポっ・・・クポッ・・・
「あぁ、めっちゃ気持ち良いっす」
「坂井君、綾乃は、言われなくても、普段こうやって俺に口でしてくれるんだよ」
「そうなんすか?羨ましいっす」
「だろ?でも、そのテクニックは俺が教えた訳じゃないんだよ」
「え?じゃあ・・・」
「綾乃は、若い頃、不倫してたことがあるんだ」
僕は電話越しに、綾乃のトップシークレットを伝える。
「ちょっ、そんな話しなくても良いじゃん」
途端にそう反論する彼女。
モニター越しにこの時の様子を見ると、それまでいやらしく頬を窄めて男根を咥えていた口から、慌てて男根を吐き出して反論する彼女の姿が映っていた。
「いいじゃないか、別にこんな事、他の人にしゃべったりしないさ、坂井君だって」
「だからって・・・」
「それより、フェラを続けて」
「でも・・・」
「いいからっ、綾乃はフェラを続けるんだ」
「・・・はい」
モニターには、僕に強くそう言われて、渋々、再び坂井君のモノをペロペロと舐め始める妻の姿。
2、3回ペロペロと舐めただけで、誰に何を言われるでもなく、また頬を軽く窄めながら男根をしゃぶる。
「でね、坂井君」
「はい」
「その不倫相手の男に、綾乃はフェラチオを仕込まれたのさ」
「そうなんすか・・・」
「そりゃあ、数えきれないくらい、何回も不倫相手に口でしてやったみたいだよ」
「マジっすか、それは奥さんが何歳くらいの時なんすか?」
「まだ20代前半の頃だよ」
「相手は?」
「30代半ばだって言うから、今の俺くらいだろうね」
「羨ましい奴っすね」
若い男に口で奉仕させながら、その妻の性歴を暴露する僕。
なかなか興奮するシチュエーションだ。
「これだけの口技を身につけてるんだから、どれだけたくさん男に口でしてやったかは想像できるだろ?」
「そ、そうっすね・・・やっぱ上手いっすもんね」
「不倫してる頃は2、3日に1回は口で抜いてやってたそうだよ」
「そんなに・・・」
モニターで見る限り、妻は大人しく坂井君のモノを咥えている。
ただ、その頭の上下運動はゆっくりで、フェラチオを続けながらも、僕らの会話に耳が集中している事は明らかだ。
「相手は職場の上司だか同僚だからしくてね、会社帰りに車で送ってもらって、そのまま車内で・・・なんて事もあったらしい」
「カーセックスっすか?」
「いや、車の中でセックスまではなかったみたいだよ、なかなか忙しい男だったらしくてね」
「じゃあ、毎回、口だけ?」
「何週間かに1回くらいはホテルでセックスもしてたらしいけど、まぁ、フェラの方が圧倒的に多かっただろうね」
「なるほど、それでこんなに上手いんすね」
「おそらく・・・ね。けど、綾乃は自分がフェラ上手だって認めないんだよ」
「え、何でですか?」
「さぁね、本人に訊いてみると良い」
綾乃は、まだゆっくりと坂井君のモノを咥えたままで頭を上下させている。耳が会話に集中しているからか、激しさを増す事も、敏感な部分を刺激するような仕草も一切なく、ただただ機械的に頭を上下させている。
坂井君には、それがちょうど良い刺激だったらしく、僕との会話にも余裕があった。
「奥さん、この間も思いましたけど、めっちゃ上手いっすよ?口でするの」
「そんなこと・・・ない」
フェラチオは止めないで、そう答える妻。
「いや、ありますって、少なくとも俺の中では一番っす」
「それは・・・坂井君がまだ若い・・から」
「そりゃ、そんなに経験人数は多くないっすけど・・・」
自ら経験人数の話題を持ち出す彼女。僕の思うつぼだ。
「綾乃、坂井君のモノは口の中に入ってるかい?」
「んっ・・・うん」
「それが何本目のチンポだい?」
「え?」
「綾乃は今まで、色々な人にフェラしてあげただろ?坂井君で何人目だって訊いてるんだ」
「そんなこと・・・」
勿論、僕は答えを知っている。
だけどあえて、綾乃に答えさせようとしているのだ。
「わかんないかい?」
「そんなの・・・忘れた」
「忘れる程、たくさんのチンポを咥えてきたのかい?」
「・・・・・」
ちょっと意地悪くそう言う僕。
「坂井君、何人目だと思う?」
「そうっすね・・・5、6人くらいっすか?」
「残念・・・俺を入れると、坂井君が記念すべき10人目だよ」
「そんなにっ・・・あ、すんません」
予想より多かった事に素直に驚いた後で、目の前の妻に失礼だと思ったのか、すかさず謝る坂井君。
「今時の若い人はどうか知らないけど、俺たちの年代だと普通か、少し多いくらいだと思うんだけど・・・驚いた?」
「あ、いや、人数的にはそんなに多いとは思わないっすけど・・・」
「じゃあ、何で驚いたの?」
「いや、奥さん・・・ホント、こういう事って興味なさそうって言うか・・・あんまりやらなそうに見えるじゃないっすか・・・」
「そうかい?」
「そうっすよ、全然、エロい事に興味とかなさそうに見えるし・・・だから」
「だから驚いたのかい?」
「あんま経験豊富に見えないのに、思ったより経験人数いたもんだから、それで・・・」
そうなのだ。僕の性的倒錯も、基本はそこにある。
パッと見た感じ、綾乃は普通の主婦だ。悪く言うと地味。良く言うと清楚。
夫の僕でも、彼女に対するイメージはそんな感じだ。
それが、予想よりも性的な体験が豊富だったこと・・・そのギャップ。
それが僕の性的倒錯の根幹にある。
そんなイメージの彼女なのに、不倫の経験があった。
そんなイメージの彼女なのに、顔射の経験があった。
そんなイメージの彼女なのに、フェラチオが上手かった。
そんなイメージの彼女だから、他人に汚させてみたい。
そんなイメージの彼女だから、もっとイヤらしい事をさせたい・・・。
坂井君も妻に対しては僕と同じようなイメージを持っていたようだから、おそらく妻の周辺の大多数は、同じようなイメージを持っているのだろう。
でも、そうじゃない事を僕は知っている。
そして、そうじゃない姿をもっともっと見たい。
それが今につながっているのだ。
けれど、すべてが僕の思うままに進む訳でもなかった。
この日、最後まで妻は自分がフェラ上手だとは認めなかったのだから・・・。
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