「ん・・ぅ」
時折、呻き声をあげる野本さん。
僕はそんな野本さんの太ももあたりをツンツンと妻にバレないように突いた。野本さんは気持ち良くなってくると、すぐに目を瞑ってしまうから、そうするしかなかったのだ。
それに気が付いた野本さんは無言のままで僕に視線を向ける。
(もっと激しく・・・)
僕はゼスチャーで彼にそう伝える。最初は上手く伝わらなかったけれど、右手を思い切り上下させて頭も狂ったように振る仕草をして見せる僕を見て、彼にもどうやら伝わったようだった。
「奥さん、もうちょっと激しくしてみて」
「・・・え?」
「もっと激しくして・・・」
「これじゃ、気持ち良く・・・ないですか?」
困惑したような表情を見せる妻。出来れば、僕の目の前で激しく口淫に耽る姿は見せたくないのだろう。それが解っているから僕は野本さんに指令を出した訳だが・・・。
「いや、気持ち良いけど・・・さ」
煮え切らない返事の野本さん。
「じゃあ、このまま・・・」
「あ、いや・・・その・・・激しくするところが見たいんだよ」
野本さんは仕方がなく正直にそう言う。
そんな事を言ったら、僕から何らかの指示があったとバレてしまいそうだが、ウチの妻は鈍い。そんな疑いは露程も感じていないようだ。
「でも・・・」
ちらっと妻が僕の方を見た。と、途端に身体中が熱くなる。
妻が他人の男根を握り、それを口元に寄せたままで僕を見たのだ。目もあった。その事が僕を興奮させたのだ。
どうやら、夫以外の男根を握ったままで夫を見ると言う行為の恥ずかしさに遅ればせながら妻も気が付いたようで、ほんの数秒でフイっと視線を逸らされてしまう。
「孝介の前じゃできない?」
「・・・恥ずかしいから」
「でも、ビデオ撮ってる時はしてくれるじゃない」
「それは・・・ビデオだし」
「孝介が見てる事に違いはないよ?」
「そうだけど・・・」
「ね、奥さん、少しだけ激しくしてみて、すぐイッちゃうから・・・ね?」
「・・・・・」
「ダメ?」
「・・・・・本当にすぐ終わります?」
「ホント、ホント・・・すぐだから・・・ね?」
「・・・・・じゃ、ちょっと頑張ります」
――カポッ
言うや否や、今度は僕に視線の一つも向けずに妻は野本さんの男根を咥えた。
――チュッ・・チュぅっ・・・
それから強く吸い付く音。よくよく見ると、妻の頬がペコリと深く凹んでいる。
「う、あぁ」
その吸い付きの強さを示すように呻く野本さん。
――ジュッ・・ジュルっ
ゆっくりと、強い吸い付きのままで頭の上下を開始する妻。
――ジュルっ・・ジュポッ
頭の上下スピードは然程でもないけれど、頬がこれでもかと言うくらいに凹んでいるのを見ると、強くバキュームしながら上下運動をしているらしい。
「すげっ、気持ちいい・・・それ」
野本さんの感嘆の声。
――ジュポっ、ジュポっ、ジュポっ・・・
この雰囲気では恥ずかしくても音をたてながらフェラチオするしかない妻。もう諦めたのか、音を気にする様子もなく、段々と激しく野本さんの男根を吸い上げる。
「んっ、んっ・・・んっんっ」
強くバキュームすると、どうしても頭の上下に合わせて小さく声が出る妻。それがまたエロティックな雰囲気を増長していて興奮する。
「んはぁ・・・っ」
ややもすると、吸い続ける事に少し疲れた妻が、口から野本さんの男根を吐き出して大きく息を吸った。それから、休憩を兼ねてレロレロと野本さんの茎の部分に舌を這わせ始める。
「う・・おぉ」
そんな呻き声をあげる野本さん。そんな彼の太ももを僕は再びそっと突いた。
「ん?」
声をあげて僕を見る彼。
(バレるだろうが)
と一瞬ヒヤリとしたけれど、その間も妻は野本さんのモノの茎部分を僕に後頭部を向けるようにして舐めていたから事なきを得る。
「た・ま」
僕は声は出さずに、大きく口を開けてそう言った。口の動きで「たま」・・つまり睾丸を舐めてもらえと言う事を伝えたかったのだ。
たった2文字の言葉だから、薄暗い部屋の中でもそれは簡単に彼に通じた。
「奥さん・・もっと下の方も・・・」
「・・・・・」
――レロレロっ
野本さんが言葉を言い終える前に、妻の頭は大きく野本さんの足の付け根あたりへ移動した。
僕は彼女がどの部分を舐めているのか良く見える位置に静かに移動する。
――レロっ・・・レロレロっ
妻は舌を突き出して、野本さんに乞われるままに睾丸を舐めあげていた。毛むくじゃらでふにゃふにゃした部分を懸命に舐めあげる妻。
――チュッ・・チュパっ
癖になってしまっているのか、そのうちお願いされてもいないのに、そのフニャフニャした部分を軽く吸ったりもしている。
何故だか、ただフェラチオしている光景を見るよりも男根の根本に顔を伏せて、睾丸部を舐めあげる妻の姿を見る方が興奮するような気がする。何よりも興奮するのが、そうしている間も右手はしっかりと野本さんのモノを握り、休まずに上下している事だ。
「奥さん、上手だよ」
野本さんがそう言うと、妻は再び身体を起こして野本さんのモノを咥える。
――ジュポっ、ジュポッ・・・
それから十分な休息をとれたのか、無言のまま激しいフェラチオを再開する妻。
――ジュッポ、ジュッポ、ジュッポ・・・
頬を凹ませて上下する妻の頭の動きが少しだけ早くなってきた。
「あぁ・・・おぉ」
野本さんの口からはひっきりなしに呻き声が漏れる。
「奥さん、口の中に・・・いい?」
そろそろ限界が見えてきたのか、野本さんがそう妻に問いかけた。
――ジュポっ・・ジュポッ・・・ポッ
激しい頭の動きがゆっくりになった。僕が見ている前でどう返答したものか考えているに違いない。当然、口内に発射して欲しいが、ここは黙って成り行きを見守ろうと決める僕。
「前みたいに、奥さんの口の中に思いっきり出したいな、俺」
野本さんは野本さんで、快感のために恥ずかしいセリフも躊躇いなく言えるようになっているようで、そうやって妻を口説きだす。
「奥さんの口の中に精液出したい・・・ダメ?」
――ジュポっ・・・ジュポッ
ゆっくりでもフェラチオは止めない妻。こう見えても一応人妻だから、一旦フェラチオを中止してしまうと、男性は急速に射精感が遠のいてしまう事を知っているのだ。
「ね・・・いいよね?」
野本さんが畳み掛けるように続ける。
妻は僕に後頭部を向けている。しかし、何というか上手く言葉では説明できないのだが、後頭部を向けていても、意識は僕へ向いているのがヒシヒシと伝わってくる。明らかに僕の存在を意識して返答に困っているのだ。
――ジュポっ・・・
そうして、どんどんと妻の頭の動きが遅くなっていって、ついにはフェラチオがストップしてしまいそうな程に遅くなった時、ようやく妻は小さく小さく・・・すぐ近くにいる僕にもやっと解るくらいに小さく・・・一度だけ頷いた。
「ありがとう、奥さん・・・じゃあ、出すよ・・奥さんの口に」
それでも、自分の男根を咥えたままで頷かれれば、野本さんにはそれはハッキリと伝わったらしく、彼は嬉しそうにそう言う。
――ジュポっ、ジュポッ、ジュポッ・・・
それから、妻は何かを振り払うように、いきなり激しく頭の上下を再開した。
「お・・う」
突然のことに変な呻き声が漏れる野本さん。
「あぁ、すげっ・・・いい」
それから改めて快感の呻き声を上げ直す。
――ジュポッ、ジュポッ・・・
更に頭の動きが激しくなった。そして・・・
――クッ、クッ・・・ジュッ・・・
派手な音が消えた。その代りに、妻の頬は人相が変わるほどに凹んでいる。
後で軽く束ねた髪は乱れて、彼女の口元を時々隠すから、イヤらしい妻の唇が見えなくなる。
「あっう・・い、イク・・・イキそうだよ・・奥さん」
――クックックッ・・・
少しだけ唇の端から空気が漏れるような音だけを出しながら、激しく髪を振り乱して上下する妻の頭。
「イク・・イク・・・出すよ・・・出すよ・・・」
野本さんの腰がピクピクと小刻みに動き出した。何度もビデオで見たから間違いない。間もなく彼は果てるのだ。夫である僕の目の前で、その妻の口内にたっぷりと精液を吐き出しながら。
――クックッ・・ジュプっ・・ジュポっ・・・
「イク・・・イク・・・うっ・・んぅ・・・うっ」
野本さんの腰が大きく跳ねた。と、あれ程激しく上下していた妻の頭がピタリと止まり、代わりに右手が激しく上下を始める。
――チュウっ・・・
小さく、妻が野本さんの男根に吸い付く音が聞こえた。今、彼女の口内には野本さんの精液が吐き出されているはずだ。それを零すまいと吸っているのか・・・。
やがて、妻の右手の動きが止まった。どうやら野本さんから吐き出された白濁液のすべてが妻の口内に収まったようだった。
妻が身体を起こしてキョロキョロとした。
その姿を見てハッとする。
「綾乃・・飲んで!」
それから、殆ど勢いで、反射的に彼女に向かって僕はそう言った。
「ん?んんっ・・・・ぅぅ」
口内に精液を溜めたままで、それは出来ないといった様子を見せる妻。
僕以外の男の精液を、今まさに口内に溜めこんでいる妻の表情を間近で見て、これまでにない興奮状態に陥る僕。
「綾乃・・・」
僕は口内に精液を溜めたままの彼女に近づいて頬を撫でた。
可愛い綾乃の頬は少しプクリと膨れていて、嫌でもその中に精液が溜まっている事を思わせる。
「飲めない?」
「・・・・・」
無言のままコクコクコクと頷く妻。
「どうして、いっぱい出たの?」
再びコクコクと頷く妻。
「口、開けて」
「んん~っ」
全力で拒否する妻。それはそうだろう。今、夫以外の男を口で抜いたのだ。それも渋々である。
その上、その出された物を口内に受け、あまつさえそれを夫である僕に口を開けて見せろと言われているのだから正気の沙汰とは思えない。
「いいから、開けて」
しかし、この時点では僕は冷静ではなかった。
妻の頬を軽く押さえて口を開くように迫る。
「んっ・・ん・・・あぁ」
仕方なく小さく口を開ける妻。
(う・・・おぉ)
薄暗いからハッキリと見えた訳ではないが、それでも何かドロリとした液体が大量に可愛い妻の口内に溜まっているのが見えた。
「飲んで・・綾乃・・・飲んで・・・野本さんの精液・・飲んで」
完全に平静を失った僕は、何度も妻にそう言い続ける。
「んっ・・・ぐぅ・・・んっ」
僕の様子を見て、従うしかないと察したのか、妻は口内に溜まった野本さんの大量の精液を2、3度に分けて飲みこんだ・・・。
「歯磨き・・・してくる」
それから妻は、乱れた髪を直しながら洗面台へ小走りに向かっていった。
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