…兄貴の彼女~前編~…
「・・・ぁ・・・あぁ・・・ん」
(こんなチャンスはそうそうないぞ・・・)
僕は静かに玄関の戸を閉めて靴を脱ぐと、静かに静かに・・・本当に物音一つたてずに2階へ続く階段を昇った。
2階からは明らかにそれと解る女性の喘ぎ声。
聞こえてくるのは僕の部屋の隣・・・兄の部屋だ。
兄は市内の大学に通っている。兄が浮気でもしていれば別だが、普通に考えれば、今聞こえているのは兄の彼女である翔子さんの喘ぎ声に違いない。
(そりゃ、エッチくらいしてるだろうと思ってたけどさ・・・)
翔子さんは美人と言うより可愛らしい女性だ。それに、弟の僕にも優しくて、兄の部屋に遊びに来るときには僕にもケーキやお菓子なんかのお土産を買って来てくれるような人だ。
そんな彼女を僕は初めて会った時から「可愛い人だな」と思っていた。だけど、相手は年上だし、それより何より兄の彼女だ。
まだ高校生の僕がどうこう出来る訳もなく、ただただ密かに思いを寄せるだけだった。
その彼女が、今、目と鼻の先で兄貴とセックスしているらしい。
やりたい盛りの童貞高校生である僕のとる行動は一つ。
(兄の部屋を覗きたい)
ただそれだけだった。
細心の注意を払って兄の部屋の前まで来た。
「あっ・・・あぁっ・・・んっ・・・」
近くで聞くと、やっぱりこの声の主は翔子さんのようだ。この部屋の中で、おそらく全裸の翔子さんが、あらぬ姿を晒している。
そう思うと、すぐにでも覗きたかったが、さすがに兄は部屋の戸をきっちり閉めていたし、ウチの造りでは僕の部屋から兄の部屋を覗く事も叶わない。どうしても覗こうと思えばハシゴでも使って外の窓から覗くしかなかったけど、さすがにこんな明るいうちからそんな事は出来ない。
僕は鬱々とした気分のまま、覗くのを諦めるしかなかった。
(せめて声だけでも・・・)
覗くのを断念した僕は、すぐにそう気持ちを切り替えた。覗きたくても覗けないのだから、せめて翔子さんのイヤらしい声だけでも堪能しようと思ったのだ。
僕は一旦兄の部屋の前を通り過ぎて、自分の部屋へ戻った。それから、静かに静かに自室の戸を開けて、兄の部屋の前に戻る。
万一、ドアの前の気配に気が付かれた時に、すぐに自室に逃げ込めるようにしておいたのだ。
そうしておいてから僕は、大胆に兄の部屋の戸に耳をつけた。
――ギッ、ギッ、ギッ
兄のベッドが軋む音がする。テンポよく軋むベッドの音は、2人がすでに一つになっている事を伺わせた。
「あっ・・あぁ・・・ぁ・・・あっ」
可愛らしい翔子さんの声。だんだんと余裕のない感じになっていく所を見ると、兄に突かれる事で、気持ち良くなってきたのだろう。
(あの翔子さんが・・・)
僕の脳裏に優しい笑顔を見せる翔子さんの姿が浮かぶ。次に物腰の柔らかい話し方と、ほっそりとした身体。最後に細い身体には似合わないほど盛り上がった胸を思い浮かべる。
巨乳と言うほどでもないだろうが、身体が細いだけに益々その膨らみが目立つ・・・そんな身体つきをしている翔子さん。あの盛り上がった胸が、今、戸を一枚隔てた向こうで、ユサユサと揺れているに違いないと思うと、さっきからとっくにガチガチになっていた股間がさらに熱くなる。
――ギッギッギッ
ベッドの軋む速度がさらに早くなった。
「あんっ、あんっ・・・あぁんっ・・・あはぁ・・・っ・・あっ」
同じように激しくなっていく翔子さんの喘ぎ声。
「翔子っ、もう出すよっ」
今まで聞こえなかった兄の声が聞こえた。
「あぁっ・・・あんっあんっあんっ」
それには答えずになお一層激しく喘ぐ翔子さんの声。
――ギッギッギッギッギッ
ベッドは壊れるんじゃないかと言うくらい激しく軋んでいる。
「あっ・・・あぁぁぁっ」
「お、うっ」
そして翔子さんの絶叫と兄貴の呻き声を最後に部屋からは何も聞こえなくなった。
※※※
あの日、部屋の中から2人の声が聞こえなくなると僕はすぐさま自室に戻ったから、どうやら兄と翔子さんの行為を盗み聞きしていた事はバレずにすんだ。
だけど、あの日を境に僕の翔子さんに対する気持ちは変わった。それまでは時折、兄を訪ねてくる翔子さんの姿を見ているだけで満足していたのに、今はそれでは済まなくて、翔子さんの、見た目からは想像できないような卑猥な喘ぎ声を思い出しては自慰に耽る日々が続いていたのだ。
そんなある日、兄貴が友達と泊りがけで遊びに行くと言って外出した。何でも兄の好きなバンドのライブが東京であるらしく、泊りがけで同じバンドが好きな友人とそれを観に行くらしかった。
そのバンドの活動はアメリカがメインだったから、来日するだけでも珍しい。それが東京でライブをすると言うのだから、兄は相当浮かれていたのだろう、遠出すると言うのに大切な携帯電話を自宅に忘れて行った。
時間は午前10時を少し過ぎた所、兄貴はもう飛行機に乗っているはずだから、今更それに気が付いてもどうする事も出来ない。
兄貴が居間のテーブルの上に置き忘れた携帯電話を見た時、僕の頭の中で何かが音をたてて弾けた。
それからムクムクと・・・でも具体的に良からぬ計画が頭に浮かび始める。
「だ、ダメだ、何を考えてるんだ俺は」
僕は声に出して言った。
「相手は兄貴の彼女だぞ!?そんな事が許される訳ない!」
自分の理性を維持しようと一生懸命声に出してそう言ってみる。
だけど、右手は理性と関係ない感情に動かされているように、自然に兄貴の携帯を手にとった。
《今日、これから遊びに来ないか?》
気が付くと僕は、兄貴の携帯から翔子さんにそうメールしていた・・・。
※※※
《今日から東京じゃなかった?ライブでしょ?》
翔子さんからはすぐにそう返信が来た。当然だ、2人は付き合ってるんだから泊りがけでどこかへ行くとなれば、そんな話くらいするだろう。
《それがさ、急にバンドが来日しない事になって、ライブも中止になっちゃったんだよ》
《えぇ!?あんなに楽しみにしてたのに、残念だね》
《すげぇショックだよ~、だからさ、慰めてくれよ、色々な意味で(笑)》
《もうっ、バカッ!》
自分でも驚くくらいスラスラと嘘八百メールを送信できる僕。翔子さんは、身なりを整えるのに少し時間がかかるけど、自宅に来てくれると最後のメールで言ってくれた。
(もう、後戻りは出来ない)
僕はゴクリと生唾を飲んだ。何しろ兄貴の携帯を使ってメールを送ったのは僕で、彼女が今からここに来ても兄貴は居ないのだ。
彼女が来てからの詳細な計画があった訳ではない。ただ兄貴の携帯を見た時に、衝動的に思い浮かんだ行動だった。
(これから翔子さんがやってくる、誰も居ないこの家へ・・・)
だが、その事実は変わらない。誰も居ない家、前から好きだった翔子さん、あの日聞いた彼女の卑猥な喘ぎ声・・・。
僕は後先を冷静に考える事など出来なくなっていた。
そして、彼女が自宅に到着するまでの1時間弱の間に覚悟を決めた・・・。
※※※
「あれ?」
翔子さんは、僕が玄関を開けるとあからさまにそんな表情を見せた。
「慰めてくれ」なんて、意味深なメールを送信したから、翔子さんも「その気」で来ているだろうし、まさか弟である僕が在宅していると思わなかったのだろう。
「あ、兄貴ならちょっとコンビニ行くって言ってました。あがって待っててもらえって・・・」
「そう、じゃあ、おじゃましちゃおうかな」
僕の腹の中に渦巻くどす黒い感情になど気が付かない様子で、翔子さんは相変わらず可愛い笑顔を見せる。
玄関でのすれ違い様、彼女の髪からシャンプーの香りがした。やはり兄貴と「そう言う事」をするつもりでシャワーでもしてきたに違いない。
「おじゃましま~す」
本当は、彼女を兄貴の部屋へ誘導して、そのまま兄貴のベッドに押し倒すつもりだった。いくら兄貴も両親も不在だからと言って、玄関先でそんな事をしたら外に翔子さんの悲鳴が聞こえるかもしれないし、いつ、誰が訪ねてこないとも限らない。
(我慢・・・出来ないよ)
玄関を上がる翔子さんの後ろ姿。ヒラリとスカートを翻して上がったかと思うと、きちんと自分の靴を揃えるために振り返って前屈みになる・・・そこに覗く胸の谷間。
――カチャリ
僕は静かに家の鍵をかけた。
「翔子さん・・・」
「ん?なに~・・・っ・・きゃっ!」
彼女が名を呼ばれて振り返った途端、僕は思い切り彼女に抱きついた。
「ちょ、ちょっとどうしたの?何かあった?」
優しい翔子さん・・・僕が必死の形相で抱きついているのを見て、卑猥な事を企んでいるなんて最初は思わなかったようで、諭すように僕の顔を覗き込みながらそう言った。
「翔子さん、翔子さん、翔子さん」
僕はひたすら彼女の名を呼びながら、訳も解らずに服の上から彼女の胸や尻を触りだす。
「ちょっと、な、何を・・・っ・・やめっ・・て」
さすがに、ここまで来れば僕が何をしようとしているのか察した彼女は全力で僕を引き離そうとする。
だが、年上とは言え、相手は女の子だ。高校生の僕が力で負ける訳がなかった。
「い、いやっ・・・お、お兄さんに言うよ!?」
「あ、兄貴なら・・・居ませんよ」
「え?」
「兄貴は今頃東京ですから」
「で、でもメールが・・・」
「あれは僕が送ったメールですよ、兄貴が携帯を忘れて行ったから、それを使って・・・」
「な、何でそんな・・・」
翔子さんは驚いた表情を見せた、と同時に抵抗していた力が一瞬緩む。
「きゃあ、や、やめて・・・やめなさい・・ってば」
僕はその間隙を突いて、彼女を玄関に押し倒した。
ヒラリとスカートが捲れて、真っ白な大腿が露わになる。胸に顔を押し付けると、首筋からボディソープの良い香り・・・。
「さ、最初からこんな事するつもりで私を呼んだの?」
「・・・・・」
「ね、ねぇ、まだ間に合うからやめて?・・ね?こんな事・・・犯罪だよ?」
(犯罪・・・)
当たり前の事だけど、今更ながら「犯罪」と言う言葉に臆する僕。だけど、ここでやめた所で、警察には言われなくとも、兄貴にはこの事を話すだろう。僕にしてみれば、殆ど同じ事だ。
「ちょっ、そんな所っ・・・」
僕は彼女のシャツを無理やり捲り上げる。目の前に現れる白いブラジャーとそこに刻まれた深い谷間。
「や、やめっ・・なさ・・・」
乱暴に彼女の乳房を揉みしだく僕。ブラジャーを上手く外せなくて、そのままカップを上へずらす。
(あぁ・・・これが翔子さんの・・・)
目の前には夢にまでみた翔子さんの乳房が。
思っていた通り、真っ白くてキレイだ。
頂点には濃いピンク色をした乳首・・・僕は無我夢中でそこに吸い付いた。
「あ・・・やっ・・」
小さく声を漏らす彼女、だけどその声が益々僕を助長させる。
「お、大声出すよ!?ここなら外に聞こえるよ?いいの!?」
翔子さんがそう言ったけど、到底ここまで来てやめられるはずもなかった。
「やめっ・・・んぐぅっ」
翔子さんが大声を出そうとした瞬間、僕は彼女の乳首から口を離して、自分の唇で彼女の唇を塞いだ。
「んんっ・・・んぅ~っ」
ジタバタとする翔子さん。それでも力ずくで彼女を抑えつける。
嫌がるものを無理やり・・・なんて童貞の僕には無理かもと思ったけれど、彼女は女性だし、その上、ほっそりとして折れてしまいそうな身体をしている・・・何とかなってしまいそうだ。
――カチャカチャ
彼女の唇を塞いだまま、僕は自分のジーンズのベルトに手をかけた。
カチャカチャと言う音に、僕が何をしているのか察した翔子さん・・・。
「ん~っ、ん~っ」
必死に声を出すが、そのくぐもった声では外に聞こえまい。
やがて僕がジーンズのベルトを外し終えると、彼女はそのくぐもった声をあげるのを止めるのと同時に、ダラリと脱力して抵抗する事も止めた。
(あ、翔子・・・さん)
しかし、その代り、上半身は乱れた着衣に乳房を丸出し・・・下半身はスカートがまくれ上がり下着が見えそうな姿のままで、無言のまま涙を流す翔子さん。
それは僕にとって、抵抗されるよりも効果的な涙で、思わず彼女を抑え込む手を離してしまった。
それでも着衣を直そうともせず、涙を流し続ける彼女。
僕は何も言う事も出来ず、何をする事も出来ずに、ただ黙ってそんな彼女を見ていた。
「どうして・・・?なんでこんなヒドイい事するの・・・?」
「・・・・・」
「私・・・ホントの弟みたいに思ってたのに・・・どうして?」
「弟じゃ・・・イヤだ」
「・・・・・?」
「僕・・・翔子さんの事が好きなんだ」
「でも私は・・お兄さんの・・・」
「知ってるよ!だから我慢してたんだ、我慢してたけど、それなのに・・あんな・・・」
僕は彼女を想う気持ちを一生懸命抑えていたのだと話した。恥ずかしかったけれど、それが本当の気持ちだった。
だけど、あの日、兄貴と翔子さんの「行為の最中の声」を聞いて、我慢が限界を超えた・・・自分でもどうする事も出来なかった・・・僕は正直にそう伝えた。
「・・・・・」
あの時の喘ぎ声を聞かれていたと言う事実に、少し頬を赤く染めながらも翔子さんは涙を流すのを止めた。
「そう・・・そっか・・・でも、こういう事はいけないんだよ?解るでしょ?」
優しく諭す翔子さん。僕は黙って頷いた。
「私、お兄さんの事が本気で好きなの・・・だから、気持ちは嬉しいけど・・・」
「解ってる・・解ってるんだ、兄貴と翔子さん、すごい仲良いもんね、俺、それも羨ましくて・・・」
素直に想いを伝えてしまった後だからだろうか、何だかとても正直な気持ちだ。
「・・・・・」
だけど翔子さんは、着衣の乱れを直しながら、無言のままで何かを考えているような表情を見せている。
今の僕には、この無言の時間が堪らなく辛い。
「翔子さん、ゴメンね、もう俺、こんな事しないから・・・だから、兄貴には内緒に・・ダメかな?」
やがて無言に耐えられなくなって僕は言った。
「・・・・・」
それでも無言のまま衣服を直す彼女。
(ダメだよな・・・やっぱ)
これだけの事をしておいて兄貴に内緒にしてくれなんて虫が良すぎる。きっと翔子さんは今日のことを兄貴に話すだろう。仕方がない自業自得だ。
「ね、お兄さん、本当は東京行ってるんでしょ?」
「うん・・・ごめんなさい」
「ご両親は?」
「今日は帰りが遅くなるって・・・だから俺・・・」
「そっか・・・」
「本当にごめんなさい」
着衣を直し終えると、翔子さんは無言のまま立ち上がった。
「ね、部屋はどこなの?お兄さんの部屋の隣?」
それから突然そう言う彼女。
「あ、はい・・すぐ隣の部屋が僕の部屋です」
「じゃ、ちょっとお部屋におじゃましても良い?私まだ玄関から先に入れてもらってないんだけど?」
翔子さんが可愛らしい笑顔を見せて言った。
僕は彼女が怒って帰ってしまうと思っていたから、呆気に取られたけれど、とにかく彼女は僕の部屋を見たいと言うので、大人しく従った。
「ふ~ん、本当にすぐ隣なんだ、ここで私達のエッチな声聞いてたの?」
「あ、いえ、兄貴の部屋の戸の前で・・・」
「えぇっ!?そんな所で!?じゃあ、丸聞こえ・・・だったとか?」
「はい・・・結構、ハッキリと・・・」
「イヤだなぁ・・・恥ずかしいよ」
「すいません」
「・・・ね、それ聞いてどうしたの?」
「どうしたって?」
「興奮した?」
「そりゃあ、興奮しました・・けど」
「ね、弟君はさ、彼女とかいないの?」
「いませんよ、そんなの・・・」
「じゃあ、興奮したらどうするの?」
「どうする・・・って?」
「だって、彼女いないんでしょ?だったら私達のエッチな声聞いて興奮した時・・・どうやって鎮めたの?」
惚けた様子にそう訊ねる翔子さん。知っているくせに・・と思いながらも僕は彼女に逆らう権利もないし、正直に言う。
「それは・・・自分で・・・その・・・」
「自分で・・・何?」
「興奮したら・・・自分の手で・・・します」
「ふ~ん、私のこと考えながら自分でしたりする?」
「そ、それはもうっ、ほ、殆ど毎日、翔子さんのことばかり考えて・・・あ、その・・・ごめんなさい」
「私のことばかり考えて・・・するんだ」
「ごめんなさい・・・」
これは報復に違いない。こんな恥ずかしい事を訊いて、それも余す事なく兄貴に報告するに違いない・・もう身の破滅だ。
「ねぇ、私、ホントにお兄さんの事好きなんだ・・・」
「解ってますよ・・・」
「でも、弟君が私のことをそんなに想ってくれるのは素直に嬉しいの・・・」
「・・・・・」
「ねぇ、約束できる?」
「何を・・・」
「本当に今日だけ、1回だけ・・・そう約束できるなら、弟君が望むこと・・してあげても・・良いよ」
翔子さんの口から信じられない言葉を聞いた。
僕の気持ちが伝わったのは嬉しいが、正直こんな展開は期待していなかったから、言葉も出ない。
「どう・・・かな」
翔子さんは翔子さんで、かなり無理しているのだろう。顔は真っ赤になっている。
「し、します・・・約束・・・絶対」
「そっか・・・じゃあ、約束・・・ね?」
翔子さんが細い小指を差し出してきた。僕は自分の小指を彼女の小指に絡める。
「指切り・・・したからね」
互いの小指が離れると、翔子さんは相変わらず真っ赤な顔のままでそう言った。
※※※
「で、どうしたいのかな?」
「・・・・・」
「さっきみたいな乱暴なのはイヤよ?」
「あんな事・・・もうしません」
「じゃあ、私はまずどうした良い?どうして欲しいの?」
「あ、あの・・じゃあ、その・・・翔子さんの裸が見たいです」
僕は正直に言った。
「1人だけ裸になるなんてイヤだよ~」
「あ、あの・・僕も脱ぎます・・から」
当然、彼女には最後まで・・・つまりセックスまでさせてもらうつもりでいる。どうせいつかは脱ぐのだから、今脱いでも同じだ。
「それなら良いけど・・・」
――カチャカチャ
――ガサゴソ
無言のままで衣服を脱ぎ始める2人。部屋の中にはその衣擦れやベルトの音だけが響いていた。
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