今までで一番興奮した。
まぁ、当たり前だろう。目の前で佳純があんなに乱れた姿を見せてくれたのだから・・・。
あの日、精液まみれで横たわる佳純を、すぐにでも犯したい衝動に駆られていた。実際にそうしようと思ってベッドに近づいたのだが、佳純は半ば失神状態のように焦点の定まらない目をしていて、さすがの僕も心配になってしまった。
結局、そうこうしているうちに佳純は回復したものの、もう啓太が幼稚園から帰ってくる時間も迫っていて、残念ながら僕の性欲は行き場を失ってしまったのだった。
おまけに、妊娠の危険性がなるべく低い日を選んで事に及んだのが裏目に出て、次の日から佳純は生理になってしまった。
僕はそれでもお構いなしに佳純を押し倒したかったが、彼女は生理中のセックスを嫌う。
そうして長い長い佳純の生理が、ようやく今日終わった。
僕はこの日を指折り数えていた。
あの日の興奮は1週間余りのインターバルを挟んでも色褪せる事はなかった。
(早く佳純を抱きたい)
僕はそればかりを考えて、ここ最近を過ごしてきたのだ。
※※※
「あんっ・・・啓祐・・・優しくしてよ」
まるでセックスを覚えたての若者のように、ガツガツと佳純の身体に圧し掛かる僕に向けて佳純は言った。
だが、佳純としても、あのホテルでの出来事から1週間程しか経っていない訳だから、何故僕がこんなにも興奮しているのか解らないはずもないのだろう、それ以上は何も言わなかった。
「あんっ・・・はぁ・・はぁ」
いつもの手順通りに、彼女の寝衣を脱がせながら大きな乳房に舌を這わせると、やはりいつもと同じように、少しずつ荒くなっていく佳純の吐息。
――クチュっ・・・
「あっ」
佳純が驚きと快感の入り混じった声をあげた。
僕がいつもの手順を無視して、いきなり彼女の秘穴に指を1本捻じ込んだからだ。
「あっ・・・あぁっ」
「佳純・・・まだ何もしていないのに、こんなに濡れてるじゃないか」
「それは・・・」
「佳純もしたかったんだろう?セックス・・・」
「うん・・・したかった」
「ほら、こんな風に・・こうやってされたかったんだろう?」
僕は既にヌルヌルになっている佳純の秘穴に捻じ込んだ指を乱暴に出し入れする。
「あっ・・あぁっ・・・んっ」
「ほら、どうだ?気持ちいいか?どうなんだ?」
先日の巨根男との一件があってから、最初の夫婦の営みと言う事もあって、嫉妬が入り混じって乱暴な気分になっている僕がいる。
「いい、気持ちいい・・」
「あの男・・・先週のあの男の指とどっちがいい?」
「啓祐・・・啓祐にされるほうが、気持ちいいに決まってる・・・わ」
――グチュグチュグチュ・・・
元々濡れやすい体質だとは思っていたが、ここ最近の佳純は特に濡れやすいような気がする。これも彼女の奥深くに潜む淫乱な血が少しずつ表に出てきた証だろうか。
「佳純・・・こんなに濡らして、イヤらしい女だ」
「そんな・・・だって・・・」
「褒めてるのさ・・・こんだけ濡れてたら、いつでも入れられるな」
「あっ・・・はぁはぁ」
まだ行為を始めて10分も経っていない。しかし我慢できなかった。
早く佳純の中に猛り狂った男根を捻じ込みたい。そして彼女の体内に欲望を吐き出したい。
僕は身体を起こすと、さっさと自分の下着を脱ぎ去って裸になった。佳純は下半身こそ裸だが、上半身にはまだパジャマを着ていて、胸元が肌蹴ているだけだった。
それを脱がすのももどかしくて、僕はそのまま彼女の濡れた秘肉に男根の先端を当てた。
「あ、待って・・・」
佳純が言った。
「すまないけど、もう興奮しすぎて我慢できないんだ」
僕は佳純の「待って」を、ロクな愛撫もせずに、もう挿入しようとしているのを咎めたものだと思ったから、そう返答した。
「違うの・・・してあげたいの」
「え?」
「啓祐に、口でしてあげたい・・・」
ところが佳純はそうではなく、僕のモノを口で気持ち良くしてあげたいのだと言った。早く彼女を犯したかったが、そう言われては断る理由もない。
僕は大人しく、佳純と入れ替わる形でベッドに横になった。
「んっ・・・んふぅ・・んっ」
――ヌロっ・・・ヌロッ
僕が横になると、佳純はすぐさま僕の怒張した男根を咥えた。それから頭をゆっくりと上下させる。
「んっ・・啓祐・・・啓祐・・・」
僕の名を呼びながら一心不乱に男根へ口を使って奉仕する佳純。
やがて、僕を呼ぶ声は聞こえなくなり、あの日と同じように口の中で忙しなく佳純の舌が動き始める。
「おっ・・あぁ・・・佳純」
初めて経験するフェラチオでもあるまいに、僕は情けない声をあげた。それほど、今日の佳純の奉仕は、何というかネットリとした快感を僕に与えていた。
「佳純・・・気持ち良いよ・・・」
僕がそう呟くと、佳純は一旦男根を口から離して、僕の臍周り、胸、首筋と徐々に舌を這わせながら這い上がってきて最後に軽くキスをした。
「啓祐・・・愛してる、愛してる・・・」
「佳純・・・俺だって・・・」
それから、さっきとは逆の順で身体を移動させていって、再び僕の男根を咥える佳純。
咥えたかと思うと、今度はネットリと絡み付くフェラチオではなく、ものすごい勢いで頭を上下させ始めた。
――ジュポっ・・・ジュっ・・ジュポっ
頬を凹ませるようにして吸い付きながら、頭を激しく上下させるものだから、僕はあっと言う間に果ててしまいそうになる。
「か、佳純・・・そ、そんなにしたら・・出ちゃうよ」
「んっ・・・んっ、んふぅ・・・はぁはぁ」
ようやくフェラチオを止めた佳純。
それから今度は黙って、身体の位置を動かすと僕の上に跨った。
「私が上になる・・・」
――グチュっ・・・グチュチュっ
一言だけ言って、躊躇いなく僕の男根を飲みこんでしまう佳純の秘穴。と、同時に待ち望んだ快感が身体中に走る。
「あっ・・・あんっ・・・あぁっ、啓祐ぇ・・・あっぁ」
「お、おぉ、佳純・・・」
――ヌチッ、ヌチッ
佳純が腰を振る度に聞こえるイヤらしい音。その音は静寂の中で一際大きく聞こえるような気がして、気を付けないと階下で眠る我が子を起こしてしまうんじゃないかとすら思える。
――ぬちゅぬちゅぬちゅっ
「あんっ、あんっ、あんっ」
だが佳純は、そんな事はお構いなしにどんどん腰の動きを激しくしていく。どんどん、どんどん・・・そうして、あの日に見た上下左右に狂ったように腰を振る佳純が現れた。
「佳純・・・すごい激しい・・・」
「あっあぁっ・・・啓祐ぇ、啓祐ぇ」
ただただ僕の名を呼びながら腰を振り続ける佳純。身体中汗だくで、髪は振り乱れ、まるで僕の知る佳純の姿とは違っている。本当に・・あの日の巨根の男との情事・・・その時の佳純をリプレイしているようだ。
「か、佳純・・・ど、どうしたんだ?今日は何だか・・激しい・・ぞ?」
僕だって興奮していたが、佳純のあまりの乱れように思わず訊ねた。
「だ、だって・・・あっ・・あぁっ・・ん、わ、私・・・解ったの・・」
「解った?」
「うん・・・解ったの」
「何が?」
「私は・・・私の身体はすごくエッチな身体なの・・・それで・・それで・・・あぁ」
「それで?」
「私・・・え、エッチが好き・・・大好き・・・あぁぁっ・・んっ」
(そう言う事か・・・)
あの日味わった、見た事もない大きさの男根。それを体験した佳純は、強制的に淫乱な血を呼び起こされたのだろう。自らのそうした習性を自覚したに違いない。
僕は佳純を下から突き上げながら、さらに話を聞いた。
佳純は恥ずかしがりながらも、少しずつ話しはじめる。
あの日味わった大きな男根が気持ち良かった事。だけど、一番気持ち良いのは、気持ちの通い合った僕とするセックスだと言う事・・・そして、あの後、生理中にも関わらず早く僕に抱いて欲しくて堪らなかった事・・・そんな事を喘ぎ声混じりに告白した。
「佳純・・・佳純・・・」
僕は彼女の名を呼びながら身体を起こし、入れ替わりに佳純を組み伏せた。そのままの勢いで、思い切り彼女の秘穴に自分の男根を突き入れる。
「あっ・・・ひぃ・・・っ!」
佳純が叫んだ。それは、あの日の巨根男との情事で見せた叫び声に勝るとも劣らない叫びだった。
「い、いいっ・・・いいっ・・・啓祐ぇ・・・もっとぉ」
――パンっパンッパンっ・・・
――グッチュ、グッチュ、グッチュ
「ひっ・・・あ、イク・・・イキそう・・・ひぃ・・・いぐぅ・・・っん」
ビクリと佳純が震えた。震えると言うよりも跳ね上がる・・・と言っても過言でない程、身体をビクつかせる佳純。目の焦点は定まらず、全身の力は抜けてダラリとなった。
「佳純・・・佳純・・・」
それでも僕は、脱力して人形のようになってしまった佳純へ向けて腰を突いた。
「ひぐっ・・・んっ・・・いぃ」
佳純は時折、声を漏らしながら、断続的に身体をビクつかせる。イっている最中にまたイク・・・まるでそんな風に見える絶頂の連鎖が佳純を襲う。
「佳純・・佳純ぃ・・・んっ・・ううぅっ」
やがて、佳純がベッドの揺れに合わせて、ただ揺れるだけになった頃。僕は溜めこんだ性欲のすべてを佳純の体内に吐き出した。
※※※
「佳純・・・すごかったな、今日」
ようやく佳純が正気を取り戻してから、僕は彼女の髪を撫でつつ言った。
「うん・・・ふふふ・・・」
「可笑しいか?」
「ふふふ・・・ううん、嬉しいの」
「何が?」
「この間の男の人・・・北川さんだっけ?」
「ああ」
「あの人のおちんちん、すごく大きくて、今までにないくらい気持ち良かった」
「そうか」
「でもね、それよりも今日の啓祐とのエッチの方が気持ち良かった」
「・・・・・」
「それが嬉しいの」
佳純は佳純で、あんなモノを相手にしてしまった事に不安があったのだろう。彼女は今日、僕と身体を重ねてみて「やっぱり啓祐が一番」そう再確認できた事が嬉しいのだと言った。
「佳純・・・」
僕はそんな彼女が愛おしくなって、軽く額にキスをする。
「うふふ・・・啓祐、大好きっ」
そうして僕に抱きつく佳純。
僕はただただ彼女が愛しくて、今日まで最愛の女性を他人に差し出していた事を申し訳なく感じていた。
だけど、この性癖は簡単に変わりそうもない。
「佳純・・・ごめんな」
「え?なにが?」
突然謝った僕の顔を佳純が不思議そうに覗き込む。
「その・・・俺以外の男と、何回も・・・セックスを・・・」
「あぁ、その事」
佳純はニッコリ笑った。
やっぱり、自分の勝手な性癖の為に彼女に嫌な思いをさせ続ける訳にはいかない。
そう決心して「もう2度と佳純を他人に抱かせたりしないから」そう言おうとした時・・・。
「今度はいつにする?」
佳純が言った。
「へ?」
「だからぁ、今度はいつ誰とエッチすれば良いの?」
「あ、いや、でも・・・」
「啓祐は私が他人とエッチする所を見るのが好きなんでしょ?」
「そ、そうだけど・・・」
「だったら良いよ・・・私、啓祐の言う通りに、言う通りの場所で・・・するから」
佳純はそう言いながら、僕の下半身へ向けてズリズリと移動した。
――ヌロォっ・・・ヌロッ
半立状態の自分の男根に絡み付く彼女の舌の暖かさを感じながら、淫乱になってしまった佳純に少し複雑な感情を抱きつつも、僕は自然にニヤリと笑ってしまう。
(そうだな、今度は誰に佳純を抱かせようか・・・)
彼女と歩むこれからの人生は最高に楽しい毎日になりそうだ。
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