「奥さん、キレイな胸だなぁ、それに巨乳じゃないですか」
遠慮なく彼が言った。
それから、ベッドに寝かせた佳純の服を丁寧に脱がせながら、今目の前に現れたばかりの乳房に顔を埋めた。
――チュッ、チュっ
服を脱がせながら、少しずつ露わになる肌に、さらに丁寧に口づけしていく彼。
「あ、はぁ・・・」
ただそれだけなのに、佳純はもう荒い吐息を漏らしている。
「こんなにキレイな身体なら、他人に晒したくなる池田の気持ちも解りますよ」
プレイが始まっても僕の事を「池田」と呼び続けるあたり、やはりこうした行為に彼が慣れている事を伺わせる。
身体中を舐めまわされながら、ついに佳純は上半身の衣類をすべて脱がされた。そうしておいてから、スルリと彼女のスカートも脱がせる彼・・・佳純はショーツ一枚の姿になった。
「ほら、やっぱりウエストもクビれていて、それが胸の大きさを強調していますよ、素晴らしいスタイルですよ、奥さん」
そんな事を言いながら、胸を揉み、時折大腿に手をサワサワと這わせていく。
「はぁ、はぁ」
それに対して佳純は荒い吐息を返すだけで、何も言わずに僕から顔を背けたままだ。
(早く・・・早く先へ進んでくれ)
僕は佳純よりも、そして佳純の身体を撫でまわす彼よりも興奮した面持ちで、2人の姿を見ていたが、佳純をショーツ一枚にしてから彼がなかなかその先へ進まない事に苛立っていた。
ただただ佳純の身体を撫でまわし、舌で乳房の周囲を舐めまわすのみ・・・乳首にすら触れようとしない。
(何をしてるんだ、早く・・・早く・・・)
そうして、そろそろ焦れて彼に声をかけようとした時、佳純の変化に気が付いた。
「はぁ・・・あ・・・あぁ・・はぁはぁ」
まだ核心に迫る部分には全くと言って良いほど触れられていないのに、佳純の頬は紅潮し、吐息は尚荒くなっていたのだ。
その表情だけ見れば、まるでもう男根を挿入されているようにすら見える。
(佳純・・・感じてるのか?)
乳首やアソコ・・・彼女が感じるはずのポイントには触れていないのに、どんどんイヤらしさを増す佳純の表情。そして荒くなる吐息・・・僕はそれが不思議でならなかった。
「奥さん・・・気持ち良いですか?」
男が久しぶりに口を開いたかと思うと、佳純にそう訊ねた。
だが、佳純はそれに返答する事なく、無言のままだ。顔も僕から背けたままだから、僕は時折チラリと見える彼女の横顔で、その表情を読み取るしかない。
「気持ち良いでしょう?」
返答のない佳純に、彼がもう一度訊ねた。だが、彼女は今度もそれを無視した。
「気持ち良くないのかな?じゃあ、仕方がないな・・・奥さんの気分が高まってくるまで、もう少しこのまま様子を見る事にしますよ」
彼はそう言うと、再び佳純の身体を撫でまわし始めた。
一瞬「え!?」と言う表情になって男を見る佳純、しかし再び彼が自分の身体を撫でまわし始めると、プイと横を向いて無言になった。
そんな佳純の視線に気が付いているのかいないのか、彼は今度も核心めいた部分には全く触れようとせず、その周囲ばかりを撫でまわしたり、舌を這わせたりしている。
「はぁはぁ・・・あ・・・あ・・・」
もどかしいような吐息と喘ぎ声の佳純。
彼はそんな佳純の姿を見下ろしながら、延々と彼女の身体を撫でまわし、舐めまわし続けたけれど、やっぱり核心部分には一切触れようとはしなかった。
「奥さん、気持ち良いですか?」
それから、佳純の頬がさらに赤く染まった頃に、再び同じ質問をする。
「・・・・・」
「おかしいなぁ、僕の彼女なんかは、このくらい愛撫すると感じてくれるんだけどな・・・さすがに人妻は一味違うんでしょうかね、まぁ、それならもう少し同じように続けさせてもらいますよ」
「っ!?」
佳純が無言を貫いているのを理由に、また、核心部分を触らずに愛撫を続けると言った彼。それに対して再び「え!?」と言う表情を見せる佳純。
だが、僕は見逃さなかった。驚きの表情を見せながらも、その眼には、目の前の男に何かを懇願するような色が宿っていた。
どうやら彼も、佳純の表情の変化には気付いたらしく、間髪置かずに続ける。
「いや、奥さんに気持ち良くなってもらいたいから、満足してもらえるまで続けようと思いましてね?」
「・・・・・」
「だから、奥さんが気持ち良くなってくれるまで、こうして愛撫を続けますよ、なぁに、お子さんが帰ってくるまでに時間はまだありますから」
無言の佳純へ一方的にそう話す彼。
「・・・・で・・す」
その時、消え入りそうな声で佳純が何か言った。
「え?」
「もう・・十分です」
「十分ってどういう事?」
「で、ですから・・・もう」
「もう・・・何?」
「十分、き、気持ち・・良いです・・から」
「そうですか、それは良かった」
佳純は彼に促されるように、ついに「気持ち良い」と言ってしまった。言ってから恥ずかしかったのか、元々赤い顔が益々朱に染まる。
「それは良かった、じゃあ、もっと気持ち良くなってもらえるように頑張りますよ」
彼は佳純の恥ずかしそうな表情を満足気に見下ろすと、再び彼女の身体に手と舌を這わせ始めた。
(いよいよだ)
いよいよ、彼が本格的に佳純を責める。そうして徐々に乱れて行く彼女の姿を見る事が出来る。
(ん・・・?)
ところが、正直に「気持ち良い」と告げた佳純へ愛撫する彼の動きは、さっきまでと何も変わらなかった。
ただただ、乳房の周囲を舐め回し、あと少しで乳首に触れると言う所で止める。サワサワと大腿を撫でまわしている右手も、もう少し、あと少しで佳純の一番敏感な部分に触れそう・・・と言う所まで来ては大腿に引き返していった。
(経験豊富だと思っていたけど、もしかして、あんまり経験がないんじゃないだろうな)
あまりに同じ動きを繰り返す彼を見て、僕はそう疑った。しかし、ここに来る前の彼の軽妙なしゃべりと言い、佳純がオロオロしている間に、素早く彼女の衣服を脱がせた手際の良さと言い、とても経験が浅いようには見えない。
なぜ、さっさと先に進まないのかと不思議に思っていると、再び彼が話しはじめた。
「奥さん・・・気持ち良いでしょう?」
「は、はい・・・気持ち・・良いです・・・あ・・はぁはぁ」
一度言ってしまっている以上、また黙り込んでも意味がないと思ったのか、今度は佳純も素直にそう言う。
「もっと気持ち良くなりたいですか?」
「・・・え?」
「今よりももっと、気持ち良くなりたいでしょう?」
「そ、それは・・・」
「他に、もっと触ってほしい所があるんじゃないですか?」
「・・・・・」
「いや、このままが良いと言うのなら、それでも良いんです、変な事言ってすいませんでしたね、このまま続けましょう」
「あっ、あのっ・・・!」
何事もなかったかのように、再び佳純への愛撫を再開しようとする彼を慌てて呼び止める佳純。呼び止めたは良いけれど、次の言葉が出てこなくて、そのまま黙って彼の顔を見上げている。
「どうしました?」
「あの・・・その・・・」
「はい?」
今度は辛抱強く佳純の次の言葉を待つ彼。その間も抜け目なく右手は彼女の身体を撫でまわしているあたり、やはり経験は豊富なようだ。
「あの・・・もっと・・・ちゃんと・・・」
「ちゃんと?ちゃんとしているつもりだったんですがね・・・ダメでしたか?」
「あ、いえ・・ダメ・・とかではなく・・その・・・」
「ちゃんと・・・どうしたら良いんですか?」
「・・・・・」
「ちゃんとしますから、ちゃんとどうして欲しいのか教えてください」
「ちゃんと、その・・・触ってください」
「ちゃんと触っているつもりだったんですけどね・・・他にどこを触れば良いですか?」
「で、ですから・・・その・・・ちゃんと」
「ちゃんと?」
「お、おっぱいの先とか・・・その・・・」
「ああ、乳首ですね?奥さんは乳首を責められるのか好きだったんですね?」
途端に、かぁ~っと赤くなる佳純の顔。
「解りました、乳首を責めれば良いんですね?他には?」
「ほ、他は・・・あの・・・」
「乳首だけでOKですか?」
「・・・その・・・あ、アソコ・・・とか」
「アソコ・・・?・・・ああ、ここの事ですか!」
「あっ・・・ひっ」
男は、ショーツの上から、いきなり佳純の一番敏感な部分に触れた。それから、これまでの優しい愛撫が嘘のように、下着の上からそこを擦りあげる。
「ひっ・・ひっ・・・は・・・あっ」
突然の快感にグイっと背筋を反らせて、まるでブリッジするほど背中を浮かせて感じる佳純。
――クチっ、クチュチュっ
彼が右手を激しく動かすと、まだショーツは履いたままだと言うのに、湿った音が卑猥に部屋中に響く。
「奥さん・・・すごいじゃないですか、こりゃ帰りはノーパンですね、こんなにグショグショになった下着はもう履けないでしょう?」
彼がそう言った。僕はそれを聞いて、そっと彼らの足元へ移動する。
(う・・・わ・・・)
佳純の下着は股間の・・・秘部を中心にして、縦長の円を描くように変色していた。佳純が下着を履いたままで、大量の愛液を垂れ流していた事は一目瞭然だった。
(そう言う事か・・・)
ここに来て僕は、彼がなかなか行為を先に進めなかった理由を察した。
(焦らしプレイってやつか)
彼には一部の禁止行為以外には、好きに佳純の身体を楽しんで良いと言ってあった。どんな趣向で、どんな風に彼女を抱いても、禁止行為に触れさえしなければ良い事になっていたのだ。
最初から決めていたのか、実際に佳純と会ってから決めたのかは解らないが、彼は佳純を焦らしながら責める事にしたのだろう。
――クチュクチュクチュ・・・
「ほら、奥さん、聞こえるでしょう?奥さんのオ○ンコ、大変な事になっていますよ、さぁ、下着も脱ぎましょう」
されるがままに、スルリとショーツを脱がされる佳純。彼がショーツを脱がすときに、スッと腰を浮かせて協力したところを見ると、どうやら完全に佳純は彼の術中にハマっているようだ。
――グチュグチュグチュ・・・
「あっ・・・あひっ・・・いぃっ」
遮るものがなくなって、彼の指による愛撫を直接秘部に受けると、佳純は僕が聞いた事もないような卑猥な声で喘ぎ始める。
――チュッ・・・ちゅぅぅ
彼は彼で、さっきまでは一切触れなかった佳純の乳首に、強く吸い付くようにしながら、右手は激しく佳純のアソコを擦り続ける。
「ほら、奥さん・・乳首もこんなになってますよ・・・」
その言葉を聞いて、視線を佳純の乳房に移す。なるほど、彼女の乳首は見ただけで、余程深い快感を受けているのが解るほどに、ピンッと立ち上がっている。
「あっ・・・あっ・・ひっ・・・んっ・・あぁぁっ」
「ほら・・・イキなさい・・・イキたいんでしょう?旦那さんに見られながら、思い切りイクと良い・・・」
彼は彼で興奮してきたのか、僕の事を「池田」ではなく「旦那さん」と口走った。しかし、今の佳純はそんな些細な事に気が付ける状態ではないのは明らかだ。
「ほらっ・・ほらっ・・・ほらっ」
彼が中指を深く蜜壺に差し込んでいるのが見える。それから、気でも違ったかのように、その指を佳純の中から出し入れする。
――グチっ、グチュチュっ、クチュチュチュチュっ
「あっ・・・ひ・・ぃ・・イク・・・イク・・・イク・・・」
――グチュグチュグチュグチュグチュっ
「ひっ・・・い、いい・・・イクっ・・・イクぅっ・・・ん!!・・・あっ・・・はっ」
ビクンっ、ビクンっと佳純が痙攣した。それから少し間を置いて、再びビクッビクッと震える佳純の身体・・・また間を置いて、今度は小さくピクピクっと震えた。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
全力疾走の後のように乱れた呼吸で、大腿まで濡らしたまま横たわる佳純。それでも彼が、何となく身体に手を置くと、まだ快感の余韻が残っているのか、ただそれだけで小さくピクリと身体を震わせた。
「奥さん・・・休んでる暇はありませんよ・・・今度は僕を気持ち良くしてもらいますからね」
男が決めつけるような口調で、佳純を見下ろしながら言った。それからチラリと僕に視線を向ける。
――ニヤリ
僕は興奮に塗れた下衆な目つきをしているのを自覚していたけれど、その表情のままで彼にニヤリと笑顔を見せた。
≪
前へ /
次へ ≫
Information